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『元』少年は姉妹になったので次女になる  作者: ただの雪餅
帰ったら色々な出来事が起きた
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番外前五話 非雨のぶらり旅

描きたかったのはこれです。

前々から思いついてたネタです。

とある土日…現在時刻午前6時


「ツリスー。」


「なんだい非雨。」


「都心に行っていいか?1人で。」


「都心って、この前みんなで行ったあそこ?またなんで急に。」


「私、能力者育成学校に行くでしょ?そうなるとまともにぶらぶりとどっかにいけないと思ってさ、1人で楽しんでこようかなと思ってさ。」


「別に非雨が危ない目に合わなければ行っても良いんだけど…」



「都心と言っても、ここじゃない都心でしょ?」


「はは…心読まれたか。この地の中心部の都心に行ってみたいんだよね。」


「遠いよ?行き帰りでも私が送っていく?」


「大丈夫。獣人化の本気の走りで…んと、4〜5時間走り続ける事になるのかなぁ。」


「待って、流石に非雨でも足がぶっ壊れる。えーと…あったあった。いくら走っても疲れない薬。ほれ。」


「…本当に?」


「私が他に作った世界の人間に与えてみたら24時間走り続けても元気だったって言う実験データが残ってる。安心して楽しんできな。」


「あいよー。」


私は都心に行くための準備…サイフに15万円、スマホ、モバイルバッテリー、マイバチをリュックサックに入れて出発する。

スマホのナビに従って、全力で走る。


獣人化…は元からしているから、透明化魔法を自分に掛けて走る。


そう言えば、貰った薬があるから飲んでみよう。ツリスの実験データ的に大丈夫だと信じたいが…

飲んだ後は何も変わりない。とりあえず走る。


《3時間後…》


何故か全くもって疲れない。薬のお陰かもしれないが。


流石にお腹が空いた…飯処を探す。

お、丁度いい所に全国チェーンの牛丼屋があった。


耳と尻尾を幻覚で隠し、誰も人目が付かないところで透明化魔法を解く。そして店に入る。


「っしゃーいませー。」


店員の掛け声が上がる。席に座り、注文する。

5分もすれば注文した物が届き、それを食べる。うん、美味しい。


財布から料金を取り出し会計をする。流石全国チェーン。安くて早くて美味しい店だ。


また人目が付かない所で透明化をし、また走る。ナビによると後1時間半なので、頑張って走ろう。


「にゃー。」


ん?猫?

音がした所を見ると猫がいる。首輪がついてる事を見ると、飼い猫か。


私を見つけると寄ってきて喉を鳴らした。人懐っこい猫だなと思いつつ、頭を撫でる。


うちのラデルちゃんよりかは劣るけど、可愛い。飼いたいけど、この猫は飼い猫だと思うので、我慢。


そろそろ出発しよう。猫ちゃんにとどめの喉撫でをして、さようならをする。猫ちゃんの表情はなんとなく嬉しそうだった。


《1時間後…》


《目的地に到着しました。お疲れ様でした。》

出発して4時間。都心に着いた。

すげぇぇぇぇぇぇ!と思いつつ、周りを見る。見渡す限りの店、高層ビル、人。


この前行った時の都心とは比べものにならない程の景色。田舎者の心を震わせるのは充分だった。


まずは都心を代表する駅をぱしゃり。うん。画像で見るよりかは実際に見た方が迫力があるね。


さて、ここからぶらぶらと都心を見て行こうか。


まずはやっぱりゲームセンター。マイバチを持ってきてたのはその為だ。

最新バージョンにアップデートされて、新曲をやってみたいと思ったんだよね。


順番待ちを終わらせ、自分の番になる。うわっ!まじか、この筐体、100円で4曲設定だと…都心マジパネェ。


さて、遊び尽くそう。都心に来てやる事かよと突っ込まれそうだが、何処にも遊ぶ施設に予約をしてないもんでね。まぁ予約なしでも遊べる施設を探してみようか。


《2時間後…》


あっという間に時は過ぎ、お昼時。動いたお陰かお腹が空いた。


うわぁ…やっぱり都心はすごい。いろんな店が立ち並ぶお陰で何処に行こうかすごく迷う。


悩んだ末に決めたのはバイキング店。

蟹とかか食べれてお値段が90分4000円と子供の私からすれば感激の声しか出てこない店だ。


お昼時なので混んでいたが、待ち時間15分で入れた。料金は先払いなので、心置き無く食べれる。

さて、いっただきまーす!








ふぅ…満足満足。色んな物が食べれてさらに満足。


とりあえず、みんなのお土産として、その地ゆかりのキーホルダーを買う。被らないように尚且つみんなが好みそうなキーホルダーを買っておいた。喜ぶといいなぁ。


なんとなくで駅を散策してみる。これもやっぱり、画像で見るよりかは大違いだ。店も沢山あって、どれも興味をそそられるやつばっかりだ。


ただ難点として物価?が高いのはなぁ…パンケーキにホイップクリームと果物を乗せたデザートでさえも1000円はかかる。これ、家の近くのファミレスで似たようなものがあるが、それすら500円なのだ。質の良いものを使ってるのかも知れないがぼったくりだと思う。


「あの、取材ですけど、ご協力頂けますか?」


「はい?何でしょう?」


ふとでっかいカメラを持った4人組の1人に声を掛けられた。マイクに付いている紙を見る限り、某番組のやつだと思った。


そう言えばその某番組、このくらいの時間になると生中継が入る事を思い出した。それでこれを掛けられたという事か。


「いやー、綺麗ですね。何歳ですか?」


「はい、14歳ですけど…」


ここで無理に逃げたら私にとって悪いイメージしか湧かないと思うので、ちゃんと答える。だけど余りにもヤバイ質問が来た時は、適当にはぐらかす。


「14ですか!?若いですねー。何処から来たんですか?」


「○○県の○○市から来ました。いやぁ、田舎者の私にとってここは凄いですよ。」


「○○県の○○市からですかー。では、ここの駅に来て驚いた事をこのボードに書いてください!」


そう言えばここに来て○○○○の事を書くという定番の事もやっていたなと思いつつ、率直に思った事を書く。


「えー、私がここに来て驚いた事は、画像で見るよりも想像を遥かに超える迫力です。」


「あー、確かにこの駅は大きいですもんね〜。ではご協力、ありがとうございましたー。」


そう言った取材班はまた道行く人を捕まえて取材していた。cm挟む隙もないなと思った。


特にぶらぶらするとは言ったものの、何もする事もなく彷徨っていると、アトラクションが体験できる所が近くにあった。


人は居るが予約なしでも入れたので、利用料金を払い入場する。


そこはトランポリンが無数に置かれており、子供でも充分楽しめるアトラクションだった。実際に何人か居る。


トランポリンで遊んだ事ないから充分に堪能し飛び跳ねる。めっちゃ楽しい。


トランポリンを使った跳び箱があったので、飛んでみる。でもあんまり飛びすぎると不審に思われるので程々に。


えーと、12段くらいにしとこう。これ以上はなんとなくヤバイ気がする。


しばらくアトラクションで時間を潰して、退場する。いやぁ、楽しかった楽しかった。


そろそろ日が落ち掛かってくるので、この中学生の姿だと補導されそうなので、この前見た私の大人の姿の幻覚を掛ける。


よし、これでぶらぶらできる。声は…まぁ大丈夫だろう。


と言っても、幻覚を被っているので20センチくらい差があるのだが…実際に大人の姿になりたいと思った。


さて、リュックは幻覚で隠し、歩く。夕暮れの中、子供達がじゃあねと別れる姿に可愛いと思いつつぶらぶらしていると


「そこのねぇちゃん、今暇?」


…やな予感がしてきた。


「良かったら俺たちとデートしようぜ?」


はいどう見てもナンパです本当にありがとうございました。

性転換してから何回目だ…?これ…


この先の展開もなんとなく読める気がするが、断っておこう。


「あの、すいません、これから家に帰らなきゃいけないんで…」


「少しくらい遅れたってなんも言わねーよ親は。さ、行こーぜ!」


手を掴んで来ようとする。それを払いのける。


「やっ…やめてくださいよ!あーもう、時間ないのにぃ…」


そう言って立ち去ろうとすると、後ろから屈強そうな男2人が現れた。多分私が断った時、強制的に連れ去ろうとするための人員なのだろう。


「なぁ、そう言わず一緒に行こうや?今ならお前の初めても奪わないぞ?」


うわ…確信犯だこの人。こいつらはシバかないとまた繰り返す奴らだ。


「嫌です。やめてください。」


そう言うと、もういいと言わんばかりにその屈強そうな男2人が襲いかかった。


一方向に2人とも来るので、避けてあげると、また向きを変えてこっちに来た。


「お姉ちゃん、お前中々のいい身体だな。」


いやらしい口調で聞きたくもない言葉を聞き流し、また避ける。


「大人しく俺たちに懐けばいいんだよ!いい加減身体を俺たちに捧げろ!」


もう駄目だこりゃ…この人達、私を襲う気満々じゃん…せっかくのぶらぶら旅が台無しだよもう…


あんまり使いたくないけど、氷魔法で、極限まで尖らせた極小氷を2人の腹にぶち込む。


わざと力加減を間違えたので、2人の身体が氷によって貫通した。


「あ…がぁ…腹が…」

「痛え…たす…けて…」


「ヒエェ!?」


当然のごとくナンパしてきた男はビビる。あいつは一発殴らなきゃ気が済まない。


流石に小さいとは言え腹貫通してしばらく経つと死ぬことは分かっているので、最低限の治癒魔法をかけておく。

跡が残るけど死なせたら面倒だしね。


「悪かった…襲おうなんて考えた俺が悪かった…許してく…くれ…」


「…」


何も言わず近づく。治癒したとは言え、腹を抑えて蹲る2人を見て、私が思いっきり殴ってああなったと思ったんだろうね。


取り敢えず脇腹に蹴りを入れる。幻覚姿なので足の先っちょしか手応えは無かったが、それでも受けた本人は痛がった。


「うがっ…許して…ごほ…くれ…」


悪意マシマシで私を襲おうとした者には容赦はしないと前々から決めてたんだよね。なので髪の毛掴んで思いっきり顔面を殴ってやった。


「ふぐばっ!」


いい音がして吹っ飛んでいった。今更気づいたが、ここって裏路地じゃん。逃げる振りをして後ずさったらここに居たんだ。


そのおかげであんまり吹っ飛ばず、壁に衝突したが、多分骨は折れてるでしょ。


顔面潰された程度で死にはしないと思うが、折れた骨だけ治そう。あー…ぐしゃぐしゃになった顔は医者に治してもらえ。


治してる途中で気付いたが、足の先っちょだけ当たった箇所でも骨が折れていた。結局肋骨と鎖骨と鼻の骨が折れてたからそれを治し、記憶を消す。なんで顔から血が出てるんだ?と戸惑うだろうが、まあいいや?


さて、もしかしたらこの姿で彷徨っていると、夜になるとものすごい勢いでナンパされて襲われる…という事が容易に想像出来たので、さっさとお土産買って帰ろうと思い、駅に向かう。


えーっと、名物食品と…デザートをっと…よし、会計だ。


それぞれ人数分買い、袋に入れリュックに詰めて…よし帰ろう。


本当はずっとぶらぶらして都心のキラキラを眺めようと思ったんだけどなぁ…都心、恐るべし。


さて、ナビを付けて…帰ろう。




《4時間後…》




家に着いた。今は…午後10時か。


「ただいまー。」


「おかえりー。」


ツリスが出迎えてくれた。


「あー疲れた…はい、これお土産。」


「お、キーホルダーか、ありがとう。んでこれは…お菓子と都市の名物ね、明日、これ食べようか。」


「うんそうだね。ラデルちゃん達は寝てるの?」


「さっき寝たばっかり。」


「そっか。じゃ、みんなの分は明日配るか。後これ、ロリアさんのお土産。」


「あいつ喜ぶだろうね。ありがとう。渡しとく。」


「じゃ、寝るわ疲れたし。」


「おやすみー。」


私は寝室に向かう。


(…まさかあいつらが将来私の子供を産ませる奴らじゃねぇよな…?まず産む気ないけど…)


若干不安になりながら、ぶらぶら旅を終わらせた非雨でした。

地味に一人称が私になってますが単純にミスりました。が、非雨の身にはなんにも起こってませんので安心してください。

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