一話 少年と不可解で不運な事故
とある日…
「あー眠い、学校行かなきゃなぁ」
とある中学生。顔は普通より少々ダメで
学力はクラスの中で下な男の子。
「ふあああああああ」
いつも通りの長い欠伸をしながら通学路を
歩く…
しかし、突如として少年は寝不足で意識を
失いかける…
「zzz……ぅあ!?あぶ……え………」
運悪く少年は道路の方に倒れてしまい、
ワゴン車が暴走族みたいな猛スピードで
走ってくる。
「!!ヤッベぇ!」
すぐに倒れかけている右足を軸にして体を
回そうとするが…時すでに遅し。
「グッハっっッッ」
少年とワゴン車が正面衝突。もちろん猛スピードで走っていたため、ぶつけられた少年の体は無事ではない。
実際、肋骨数本、背骨、右腕、鎖骨、頭蓋骨がやられている。もちろん脳にもダメージが入っている。
脳にダメージが入った少年は考えた…
(こ……けっこ……やばい……あ……
なん………み…ながさ……で……るんだ
…か…)
脳にダメージが入っている少年はまともな考えが出来ず、思おうとしても文字が浮かんでこない。
(あぁ…ニュースでも小説でもゲームでも、
死ってこんな重いものなのだな…
体が重くて寒気がするって…本当なんだな…
あぁ…ケモ耳バンザイケモ耳バンザイ…)
「あぁ…あは…はははは…」
何故か最後の思考だけ正常に考えられたのかはわからない。
ーー祐奈打 非雨 13歳 死亡ーー
その後。その場にいた通学者、通勤者が
突然目に余る光景を見て大騒ぎ。すぐに
警察騒ぎとなった。少年を轢いてそのまま
逃げ去ったワゴン車の中には誰もいなかったというのが、後日証明された。