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異世界とぼくらのまち  作者: エツが征く
3/3

第3話 蕎麦屋へ・・・・行こう(現在編集中)

七神町、T地区56-7番町、V駅から降りて徒歩で8分、右にパチンコ屋、左にコインランドリー。そこで洗濯をしようとする奴は何も知らない人やらマヌケか、後はいつまでも働きもせずに口に煙草を咥えながら右手をそっとひねり、何時までも々々も銀の玉に神経を注いでいるクズしかいない。その真ん中に細長い玄関口がある、地面にはタバコや泥とかこびりついとるが心配はいらない。毎日ブラシで洗っている。


       筆記用具が入ったリュックを持った。

 「ここじゃなんですからと」男は休憩所の所まで歩き出した、ここの道の駅には24時間いられる休憩所がある。引き戸を開け中に入ると長い通路がある、風が一切入らない仕組みのこの建物は、なんでもこの時間帯なら朝の8時位までは誰一人も来ないらしい。

 男たちは近くにあったベンチに腰を下ろし、撮影準備を始めた。受ける側の漢も緊張しているのか、額に汗を垂らしている。

 「それじゃあ、こっちが質問しますので、それに、答えれ頂ければ大丈夫です。」

「わかりました。」

「では、準備しますのでちょっと待ってください。」

 記者は、リュックの中に入っているカメラをベンチに置き、男の顔を移さないように位置調整する。

「カメラ回しますね、」


 近年、日本全国で各地で頻繁に発生するトラック運転手による交通事故が発生。しかもその主な被害者はまだ20ともいかない学生が大半だった。岩手では女子中学生が、新潟では男子高校生3人、東京では小さな商店街で7人もの重軽傷を(その中で死亡したのは女子高校生3人)とさらに最悪なことに青森では工事作業中の4トンユニックが中学校の教室を頭から突っ込むと言う悲惨な事故が発生。

 その事故は不可解な状況であった。まずぶつかった教室「3年3組」は学校の3階にあり、しかも周りは住宅密集地でとても高速で走れる距離ではない、仮に走ったとしても道路、及び近所の家・電信柱に全くの一切被害がなく、事故周辺にはタイヤ痕の「タ」の字もなかった。

 当のぶつかった教室は被害が甚大にもかかわらず被害者の血痕、及び死体すらなかった。被害者の30人の学生は依然行方不明、依然警察が調査を続けている。

 そもそも、なぜ記者はこんな雪が多い田舎町にきたか?それは、この町、七神町がトラックの交通事故がワースト1位と言う不名誉な名誉を掲げられ、記者はこれを機に、数年前から地道に調査していた。

 そして今日、先週破産した運送会社に以前働いていたという男と直接取材できるチャンスが来たのだった。

 男は、名前、顔を一斉ださない、声は加工する、という条件で取材の受けた。



※ここから先は個人の上記の条件の下で取材させて頂きますので、音声は加工しております。しかし、小説ではそれができないのでちょっと文体を変更して物語を進めさせてもらいます。なにとぞご理解よろしくお願いいたします。※



「カメラ回りました。改めてよろしくお願い致します。」

「ハイっしゅ☆彡よろしゅくおねがいいたしまっしゅ(●へ●)」


どうしてこの会社を選んだのか?


「そうっシュね、もともとパパが運送会社の社長だったので、その背中をずぅ~っと見てきたのでミーもいつかはパパの様に後を継いで頑張ろう☆と思ったんでシュがね(▲ム▲)高校を卒業してからシュぐに(直ぐに)会社で頑張って~~そうでシュね、もう12年ぐらいでシュかね、親父から「俺が死んだら会社を畳んでお前も違う道をすすめ、絶対だぞ!」


「絶対だぞ?」


「でシュ、「絶対」って言ってまシュた。その1週間後に、パパが突然心筋梗塞で無くったの(-‐)今考えて見ればパパが言ったことは間違っていなかったと思いまシュ」


「それで、その後も運送会社の就職を探していたんですか?」


「ハイでシュ、やっぱ今更違う道って言ってもでシュね、不安だったんでシュよ。一様、パパの遺言道理になんとか会社を半年ぐらいで畳んだんでシュ☆その後、ほかのシュ事(仕事)とかも考えたっシュけども、どうも合わなくて。それでなんとなく職安で探して、探し終わった後、いつも言ってる飲み屋さんで偶然、運送会社の社長と意気投合して、それが入社したきっかけでシュ☆」


――会社の様子はどうでしたか?社風とか


「シャ!?社風でシュか?(草)‥‥社風は入社したての頃は普通っちゃぁ普通でシュね、内容も基本下請けだったものでシュから、家電設置やら食材の配達とか、除雪機の助手ってのもやっていたでシュ。

 仲間も結構いい奴らばかりっシュし、そんなに異常ってことでもなかったでシュ。シュかし(しかし)、ちょうど2年目になったばかりの頃に協力関係だった運送会社が玉突き事故をしたと聞いた時に・・・そこから・・・・・」


――少しずつ事故が増え始めた。


「・・・・・」男は顎を軽く震えていた、記者も僅かな表情の変化を察したが質問を続けた。


「その事故の被害者は確か、30代の女性でした。事故を起こした町、ここですよね?」


「・・・シュ、でシュ、女性だったんでシュか、(沈黙)タバコ吸っても?」


――かまいませんが、カメラ止めましょうか?


「いえ、シュぐに吸いまシュわ」 男はそう言って胸ポケットから煙草に火をつけた。外からは車は通りすぎる音は聞こえるが二人の間には静寂な間が広がっていた。休憩所の灯りには煙がゆらゆらと立ち込める、男は後悔の念を持ったのか、左手で首を掻きながら話を続けた。


 「正直、初めてシュ、初耳でシュが、ミーがそれを聞いた時は、会社のライングループで後輩の書き込みで知りまシュた。「ザックリ説明してくれ」と言ったら「友達が事故を起こした会社にいた」見たいっシュだショーでシュ。なんでもそれ以前から事故を起こしてたらしく、その時は社長自らが被害者に直接会って何とかやってたみたいでシュけど今回の場合はニュースにも取り上げられたらしく、さらに今までの事も完全にバレちゃって、半年後にその会社も潰れちゃいました。ってシュいません(笑)全然ザックリじゃないでシュね(^^)☆」



「いえ、自分は大丈夫です」記者はそう言って男を宥めた。男の腰は少しぐらつき、いささか落ち着きがなくなっていた。まるで暗雲が包み込まれたように喋るのを戸惑っている、それを気づいていたがそのまま話を聞く、「そんなにマズイことなのか?」記者は疑問に感じた。

 言っていることはそんなに大した世間話にしか思えない内容なのに?少し重いが、


「シュいません。その会社がつぶれた後、何人かは家に来たんでシュがね・・・・ボクも含めて皆で色々話しかけたんでシュでど、顔がね~(><)全員がね~、鬱っぽいですよ。眼にくまがすごくてね、妙に近寄りがたい空気があるんですよ」



――何人ぐらいでした?



「え?あ、4人でした。配送中の時も、お客さんの前でも妙にブツブツ呪文は言ってるわ体はフラフラ、なんか全員鬱っぽい表情でちょっと怪しかったんでシュよ、んで帰りの時も運転任シェたんシュが、貧乏ゆすりが異常にすごくてアクセルがまともに踏んでいなくてトラックがガッタガタ、危うく死にかけたでシュ。そんなことが一週間以上も続いて仲間も困惑シュまシュてねー、社長に相談シュたんでシュ、仕方がないと言えば仕方がないんでシュが(==)全員クビにになりました。それでも妙なことが続きまシュた。今度は仲間も段々とおかしくなって、「夜中に運転すると変な白い靄が出た」と言い始めたんでシュ。」



――え?



「しかもそれ、全員が同じことを言ってるんでシュ、何回もずっと。(沈黙)そんなことが暫く続いた後、後輩が高速道路で10トンダンプと接触事故が起きまシュてね、まだ22でシュ(><)正面衝突だそうです。衝撃で内臓破裂起こして、今も病院で入院してるでシュ。見舞いに行った時も「女が運転を邪魔をした。」と呟いていて、まともに話しにもならないでシュ。」



――その後、あなたも()()と?



「・・・・・実は」男は話し方が更にしどろもどろになってきた。信じられる話じゃない、妄想だと疑われる、こんな早朝に読んできた内容がこれかと、自虐するかのようにした唇を噛む。

 「ああ、ちょっと一旦、休みませんか?」

「ええ、かまいませんけど。」

 嫌な予感がした。「このまま怪談話になって結局「怖いんだぞ~」的な流れを話してちゃんちゃん♡って・・・・あいつ、急に奇妙になりやがった。まだ話してから30分も経ってないのに脂汗すげぇなぁ、う~ん、でもああいう奴は逆に突っ込んだらマジ切れしそうだし、はぁ~」

 老け込んだ気持ちの中で記者は休憩所の外に出た、男は自分の気持ちが整理出来てないのかもじもじしながら髪を掻きむしっていた。

 

 しんしん  しんしん


 小雪が降る。薄い氷がフロントガラスの表面にびっしりと張り付き、左手に缶コーヒーを持ち、もう片方の指で小雪を救い上げる。「こんな所に来て『また』これか」と。うっすらと白くなってる道路にはタヌキの死骸が横たわっている。ぐびっ、缶を一気に飲み干す。

 「さて、」

 口の中からコーヒーの香りが煙としてもれだす。冷えて赤くなった両耳をくしゃくしゃに揉みだし、男の所に向かう前に自動販売機に向かうのだった。



 一方、タヌキの死骸はと言うと、まだ曳かれたてなのか体温が温かい。その隣には子タヌキがじっと横に座っていた。しかし、視線は親タヌキでは無く、記者の方にじっと見つめていた。

 美しい褐色の女性の手が子タヌキの頭を撫でながら。

 

 










 


 




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