時が止まった街のとある部屋で
練習用に書いたショートショートです。サクッとお楽しみください。
ピアノの音が鳴り響く。誰もいない部屋の中にポツンと取り残されたピアノの音が鳴り響く。時が止まったその部屋で、時が止まった街で、時が止まった世界で、ピアノの音が鳴り響く。その中に一人の少女はピアノの前に立っていた。少女はピアノの鍵盤を一つ、人差し指で押す。ポーンと甲高い音が部屋中に、街中に、世界中に、響くわたる。
「ねぇ、あなたは何で音が鳴るの?」
少女はピアノに問いかける。ピアノは何もいわない。ピアノは物であって者ではない。それでも少女は再び問いかける。
「ねぇ、あなたは何で音が鳴るの?」
再びの問いに、ピアノは何も答えない。少女は再び、ピアノの鍵盤を、人差し指で押す。ポーンと甲高い音が再び響き渡る。そして、長年の風化に耐え切れなくなったのか、ピアノは音を立てて、崩れた。
「……崩れちゃった」
少女は、一言だけ言って、部屋を後にする。
練習用の作品ですので思い入れが無いかと言えば、そうではない。
どこか孤独を感じさせるのを描きたいという気持ちもあるし、時の止まった街というのを描きたかったというのもある。
という後付け設定乙な感じですが……それでもやっぱり書き上げたので公開したいと思う気持ちもあったので公開してみた。別に後悔はしていない。う、上手いこと言ったと思ってないんだからねっ!