現生知識で無双生活
学校帰りに、トラックにはねられた猫を動物病院に走って運び込み、そのまま保護することになった。
その猫が元気になった頃、眠って起きたら、目の前に女神様がいた。
「私の使い魔を助けていただきありがとうございます。あなたにぜひお礼をさせてください。あなたは一年限定で異世界に転移してもらい、そこでモテモテ生活をしていただきます」
「ちょっと待ってください。僕なんかが異世界に行っても、生きていけないですよ。あっ、チートスキルとかもらえるんですか?」
「チートスキルなど必要ないですよ。あなたの現代知識で、異世界で無双できます」
「僕は漫画を読んでれば満足の学生で、何の知識も持ってないですよ。マヨネーズの作り方だって知らないです」
「では楽しんできてください」
異世界に飛ばされた僕は、あの女神様は人の話を聞かないタイプだなと呟く。
僕の目の前に、ヨーロッパ風のイメージ通りの異世界が広がる。
町中に転移した僕が何か行動する前に、異世界の兵士が僕を見つけ、やってくる。
「おおっ、その恰好は女神様のお告げ通り、異世界転移者ですね。どうぞ、こちらへ」
兵士は僕を丁重に城へと案内してくれる。
王妃様が、僕を出迎え説明してくれる。
「異世界転移者様。歓迎いたします。まずお聞きしたいのですが、あなたはいつの時代から転移してきたのですか。令和ですか?平成ですか?それとも昭和?」
やけに現代事情に詳しいなと思いながら、僕は細かい日付を答える。
その答えに、その場がざわめく。
「女神様の神託は間違ってなかったのですね。この王国は、あなた様の安全と高級な衣食住を保証します。あらかさまに言うと、王族の私よりも贅沢な生活ができます。お望みならば、お好みの異性を毎日提供します」
「ち、ちょっと待ってください。そこまでのことをしてもらっても、僕にはあなた達に提供できるものなんてないです」
「あなた様には、一日三人ほど質問をさせていただきます。質問する人の順番はすでにこちらで決めさせてもらってます。一番目の質問者はこの私です」
「がっかりされる前に言いますが、僕は何の知識もないです。爆弾の作り方も知らないです」
王妃は一人目の質問者として口を開くが、ためらう。
「ああっ、この質問をするにはあまりにも危険な」
しばらく悩んだ後で、王妃は質問を口に出す。
「ガラスの仮面はどうなりましたか?」
おわり




