非日常
今日も朝、携帯のアラームで起きた。いつもと同じサイクルが始まる。そんなことを思いながら顔を洗っているとスマホが鳴った。
「«ピロン»」
なんの通知だろうと思ってスマホを見てみると、うさぎさんからだった。
「おはようございます‼️」
その言葉に一瞬戸惑ってしまう、昨日友達になったばかりの人からいきなりおはようメッセージが来るなんて、そんなの誰だって驚くだろう。
通知はまだまだ続く
「今日こっちは晴れていますがそちらはどうですか?」
「今日の朝ごはんは目玉焼きでした」などと。
僕は思わず口元を解かした。
「ふふっ」
なんだかいつもと全く違う日常を過ごしているような感覚だった。かと言って完全にサイクルが崩れる訳では無い。
8時には家を出なければならない、でなければ学校に遅刻してしまうからだ。
「学校に行ってきます‼️」
とメッセージを送ると
「頑張ってください‼️」
と返ってきた。
いつも通りに学校に行くが、出発した時間が少し遅かったからか、今日は瑞希には会わなかった。
その影響もあってか、一段とうさぎさんとの会話を交わす時間が多くなっていた。そして気づけばスマホの画面ばかりを見ていた。
そして僕は感じてしまった。
「現実には僕を見てくれる人は居ない、だけどネットは違う、うさぎさんみたく僕の理解者がいてくれる、孤独を忘れられていられる」と。
そこからは毎日のようにうさぎさんとのメッセージを続けた。いつしか自分の居場所はこのネットの中なのではないかと、そんな感覚に支配され始めたのはほんの数日間での出来事だった。