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第二十四話 『最期の戦』参

ついに次回で最終話です!!!

「お前……一体誰なんだ?」

 ピンチなのは理解した上で聞きたい気持ちを抑えきれなかった。このサン?のような男は現在、曜日ごとにわかれた七つの世界全てを半分ほど支配しているという。そのため、主たちの能力も使われてしまう。

 するとサンのような男は少し考えてから口を開いた。

☾︎言うなれば、貴様らに対して送った使いを全て吸収した姿というのが良いか……ふっ、どうせ暇だ。いいことを教えてやろうか?☽︎

 サンは不気味な笑みを浮かべてそう聞いてきた。全員が困惑して周りを見渡しているが、こちらの返答を聞かずにサンは話し始めた。

☾︎私が送った使いは各曜日の世界に長く居続けた影響でその世界との結び付きが深くなっている。その為、時間が経てば経つ程どんどん曜日の支配は楽になっていく。☽︎

 そうサンが言った瞬間、感情的になった金曜日の主が刀を強く握りしめて、サンに突撃していった。『磁石』の能力を無理やり引きちぎってサンの腹に刀を突き立てようとしたが、サンは地面を蹴りあげるように飛び上がって金曜日の主の視界から消えた。

☾︎身体能力も並大抵のものではない。☽︎

 瞬間、目にも止まらぬスピードで金曜日の主は腹に蹴りを入れられ吹き飛ばされていた。

「大丈夫か!」

「あぁ……」

 早く助けてあげたい、というかサンを今すぐにでも止めたい。だが、何故か金曜日の主以外は磁石の能力で離れられない。ジタバタ暴れるが引き剥がせない、そう思った時、サンは話し始めた。

☾︎磁石でくっつけられていたのは愛野 蒼(あいの そう)……金曜日の主以外だ。金曜日の主はわざと能力の効果を弱めてあった。つまり何が言いたいか分かるか?見せしめだ!!!☽︎

「やらせるか!!!」

 月曜日の主は自身の能力で手のひらからとにかく作れるものを大量に発射した。何も考えずに発射しているからサンに簡単に弾かれてしまう。中に紛れて入っていた氷の槍。氷の槍は空気を切るように勢いをつけてサンに飛んでいって、サンの腕にかすった。

 瞬間、サンの腕からは真っ赤な血が吹き出した。一瞬、見間違いかと思った。今まで全くダメージがなかったのに、何故なのか。すぐに分かった。サンの弱点は『氷』……というか、『水』なのだ。

 そう気がついた瞬間、月曜日の主は手のひらから大量の水をサンに向けて噴射した。だが、サンから一定の距離まで近づくと、水は触れずに蒸発してしまっていた。何が起きた、そう思っていると隣で金曜日の主が話し始めた。

「あれは多分魔力を全身から放出してるんだ。サンの魔力は水を蒸発させるくらいの熱が……」

 金曜日の主はあまりの驚きに言葉が出なくなった。

「じゃあ魔力が無くなるまで……」

「魔力量は僕たちの総量の倍以上ある。魔力を無くすのは絶望的だ。」

 ならば方法はひとつしか残されていない。どうにかして水をぶつける隙を作るしかない。だがまずはこの『磁石』を剥がさなければ……そう思ったが、簡単に能力は解けた。先程の氷の槍が相当ダメージになっていたようだ。

 主は一斉に磁石の繋がりから離れてサンに向かって攻撃しに行った。だが、このままサンの能力で同じ(てつ)を踏む訳にも行かない。

「ある程度距離を取れば磁石の能力は効果がない!距離をとるんだ!」

 全員に向かって叫んで、そう忠告した。すると全員は一定の距離感で広がってサンに突撃していった。

 そんな時、周りの全員から群を抜いて月曜日の主が速く突撃していった。月曜日の主の背からは奈落のように黒い翼が生えている。

 そのまま月曜日の主はグングンスピードを上げていき、目にも止まらないほどになった。そしてそのままサンの顎を蹴り上げた……と思ったが、気がついた時にはサンは全員の視界から消えていた。だが、俺はしっかりと見えていた。

 サンは水曜日の主の能力『侵入』をコピーして月曜日の主の体内に『()()』したのだ。

 それに気がついた水曜日の主は、「動かないでくれ!」と叫びながらサンを追って『侵入』していった。すると他の主たちもだんだん月曜日の主に近づいていった。

「多分今俺の体の中で……水曜日の主?がサンと戦ってる。」

 そう月曜日の主が話している時、『侵入』の能力は解かれ、水曜日の主はサンを引っ張り出してきた。

☾︎余計なことを……!!!☽︎

 サンは怒りで顔を歪まして、水曜日の主の腕を握った。瞬間、【ゴオオオオオオオッ!!!】という轟音と共に水曜日の主の腕は炎に包まれた。

「ぁぁあああぁっ!!!!」

 腕は赤黒い炎に包まれて、灰のような黒い棒に変貌してしまった。いち早く金曜日の主が動いて刀をサンの腕に突き刺して貫通させた。そこに水曜日の主が乗っかるようにしてサンの体を押さえつけた。

「全員で押さえるんだ!!!!」

 もはや全員がパニックな状況でも、主達はサンのことを押さえつけた。サンは暴れて抵抗するが、全員は絶対に離さないという決意を持って、必死に押しつけた。これが最初で最後のチャンス。

☾︎やめろ!こんなことで私を殺せると……☽︎

「バイバイ、神様。」

 月曜日の主は最後に笑いながらそう言うと、水の塊をサンにぶつけた。瞬間、サンの体は血よりも赤い紅蓮の炎に包まれた。

☾︎まだ……私の野望は……☽︎

 サンは死ぬ前に虚しくそう叫んで、体はボロボロと消滅していった。そして、完全に崩れきって消滅するのを確認してから水曜日の主が口を開いた。

「やった……やったのか……?」

 全員は顔を見合わせると、一気に爆発するように喜びを感じた。魔法が世界に普及した。その時から世界は常に狂い人の支配下にあった。その結果、朝宮校長も清水さんも死んでしまった。その長年の呪縛がようやく今開放されたのだ。

 喜びに包まれる中、突然冷静になって思い出した。どうやってこの日曜の世界から脱出するんだ?それに、土曜日の世界は半分支配されていたという。無事でいられるのか?


 そんなことを考えていると、突然太陽がある訳でもないのに、天から一本の光の筋が差してきたのだった……


『最期の戦』参 終

あと一話だけ付き合ってください!お願いします!

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