第二十二話 『最期の戦』
一応設定まとめときます。
①曜日ごとに世界が別れてる。この世界は土曜日。
②日曜日を支配する神である『サン』が他の曜日を自分のものにしようとする。
③主(主人公)を殺せばその曜日が手に入るので、曜日ごとの主を殺そうとする。この曜日の主は杉野凌也。
④ラスボスである狂い人を倒したら、突然日曜日の世界に飛ばされて、そこにサンと曜日ごとの主が集まっていた。
っていう感じです。なんかメタいというかなんというか……
この時が来るのは分かっていた。狂い人に話を聞いてから絶対にこうなるとは予測していた。
瞬間の出来事だった。サンの体から炎の弾が月曜日の主に向かって発射された。あまりのスピード、まるで新幹線のようだった。月曜日の主は手から魔力の波動を発射して、寸前で避けることが出来たが、危機一髪であった。それに加え、あのやり方だと二度目の追撃に対応できない。なぜならあの方法は魔力を大量に消費するからだ。二回目は不可能だ。
案の定、月曜日の主に向かって二発目の追撃が発射された。先程よりも一回りほど大きく、炎ではなく最早マグマの弾だった。気づいた時には体が動いていた。
『磁石』の魔法でマグマの弾の軌道をサンに向けた。猛スピードでサンに突撃した。
「これくらいやればダメージがあるだろ。」
そんなことを呟いていたが、サンは何ともなさそうにマグマの弾を吸収してしまった。
☾︎その程度か……☽︎
「っ……何か来るぞ!!!」
水曜日の主がそう叫んで間もなく、サンの全身からは大量のマグマの弾が発射された。磁石の魔法で触れてきそうな弾を全て受け流す。ダメージは何も無いが、これだけ巨大な物を動かすとなると、魔力の消耗が激しい。
ようやく終わったが、魔力はもう底を尽きている。どうにか時間を稼ぎたいと思った時、金曜日の主がサンに攻撃しにいった。スラッと長く綺麗な刀を持っている。だが全くと言っていいほど、魔力を感じない。もしかするとただの一般人なのかもしれない。大丈夫なのかと思ったが、その心配は杞憂に終わった。金曜日の主が刀をひと振りすると、サンの腕を一刀両断するように真っ二つに斬った。
「ぅおおおっ!!」っと全員が思わず叫んだ。だが、サンはそれをものともしないように再生すると、金曜日の主を叩き潰そうとした。だがそこに割り込んだ火曜日の主がサンの右腕を燃やして動きを止めた。するとサンは不服そうに腕をはらって炎をとった。
☾︎火力が足らん……☽︎
サンがそう言うと、視界が突然真っ赤に染まった。違う、燃やされている。あまりの熱さに感覚が麻痺していた。燃やされていると気づいて突然全身に痛みが走った。
どうにか逃れたいが、『磁石』の魔法ではどうにもできない。そう思った瞬間、炎が赤色から青色に変わった。そして痛みは無くなり、どんどん傷が再生されていった。
「俺の魔法で炎を『再生の炎』に変えました!!時間はかかるけど、確実に治癒できます!!」
辺りを見渡すと、木曜日の主がそう言っていた。するとサンは不服そうに一言だけ言った。
☾︎小賢しい……!!☽︎
「倒してみろよ、サン!!!」
火曜日の主がそう言うと共に、全員がサンに突撃していった。世界をかけた戦いはもう既に始まっている。
『最期の戦』 完
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