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第十九話

もうすぐ二十話ということで二十回腕立て伏せしてください。僕も今してます。

 クロは、腐負不と麻神、そして明石を相手にしていたものの、相当追い詰めていた。三対一でも埋められない実力の差。当然だ。何故ならクロには狂い人の力のおよそ半分の力を持っている。

「ったく……つまんねぇなぁ。」

 そんな愚痴を吐いていると、後ろから事務の教師達が武器を持って走ってきた。

「なんか人数少なくないか!?」

「半分は羅久司教頭の方に行ったらしい!」

「あの悪役顔も敵か!?」

「いや、あれはクロだから味方だ!」

 そんなことを口々に叫びながら事務の教師は集まった。

「お前ら何の用だ?」

「クロさん、俺たちは援護に来たんです!……あれ、でも何もないですね。」

 クロの相手をしていた三人の敵は、今では倒れて戦える状態では無い。風前の灯火というのが適任だろう。

 そんな時、クロはあることを思い出した。

「おい、てめぇら。後こいつらは縄とかでグルグルに縛っとけ。俺は用事を思い出した。」

「え!?ちょっとクロさん!?」

 そう言うとクロは、どこかに向かって走り出した。クロは、狂い人が朝宮校長と第六廊下で戦っていることを知っていた。そう、第六廊下にいち早く向かったのだ。だが、目的は狂い人ではない。


 第六廊下に着くと、扉をぶち壊すようにこじ開けた。だが、目の前には想像だにしなかった光景が広がっていた。

 狂い人が傷を負い、目の前には朝宮校長が死んでいる。

「おいおい、なんの冗談だよ……!!!」

「貴様……クロか。」

 狂い人はそう言うと手から炎を噴射した。瞬間、第六廊下が火に包まれて、クロの肉体が焼き切れそうになった。だが、クロはその程度では全く死なない。平気なクロは狂い人に向かって叫んだ。

「俺を殺したきゃ呼べよ!!!『シロ』をよぉ!!!」

「いいだろう。」

 冷静にそう言うと、狂い人は右目を外し、義眼をつけた。これで両目が義眼となった。そして、右目を掌に乗せて前に突き出すと、白色の煙を出して『シロ』が召喚された。全身黒の服で構成されているクロとは対照的に、シロは結婚式のように全身が白色服装で包まれている。

「私を目覚めさせたのは……貴様か。クロ。」

「久しぶりじゃねぇか……シロ!!」

 そう言うと瞬く間に二人の拳はぶつかっていた。周りの壁がミシミシと音を立てて壊れそうになる。あまりの力に壁が耐えきれなさそうだ。

 その事に気がついたシロは、クロを掴んで、『闇ノ穴(ブラック・ホール)』を発動させた。そして屋上に出ると、もう一度クロと向き合った。

「狂い人の道具までお手の物かよ。」

「全て使いこなせて一流だ。」



 一方、森先生と戦う篤也は、追い詰められていた。森先生は攻撃をくらいつつも、森を移動させて、草原を木で埋め尽くす程に木を建ててしまったのだ。

 視界が悪いと、篤也は加速できない。なので、光の速さは出せず、せいぜい「動きが速い人」程度の実力しか出せないのだ。

「外で戦うのを選んだのは間違いだったんじゃねぇかぁ!?篤也ァ!!」

「まだまだこれからだよ……!!!」



 先程追い詰められていたジシカは、今も尚ピンチだった。砕斬の攻撃をかわしつつ、針月に攻撃をする。あまりにも無理があった。それに、針月に攻撃しようとした瞬間、木山がテレポートで砕斬と位置を変える。その度攻撃を避けるのも、だんだん寸前になってきた。

「むぅ…」

 仮に砕斬に攻撃できても、あまりの防御力に拳が痛くなって終わりだ。そんなことを考えていた瞬間、針月が突然視界から消えた。そう思ったら、足が針月によって地面に張り付いてしまっていた。まずい、そう思う間もなく、腹を砕斬に殴られた。

 「バキバキバキ……」と、あばら骨が折れる音がした。

「飛智ジシカ、哀れ!!」

 砕斬の叫び声を最後に、ジシカは気を失った。



 横腹をメスで刺されたコブラは、動けなくなりその場でうずくまっていた。腹の感覚が最早なくなっている。口から絶え間なく出てくる血で呼吸が安定しない。正直舐めていた。朝日奈は保健室の教師。非力だと思っていたのが間違いだった。おそらくこの学校の教師の中で一、二を争うほどの実力者……コブラは絶望していた。



 一方、校舎を走り回っていた凌也は、人の流れに押しつぶされそうになりながらも、廊下を走っていた。ここは三階、狂い人がいるのは四階『第六廊下』だ。

 瞬間、何故か体が重くなった。いや、違う。体が軽くなったのだ。何故か少し浮いている。え、ドラえもん?

 そのまま、浮いていき、天井に体がついた。まだまだ浮く。一瞬、ガクンッと地面に落ちかけたが、瞬間天井を突き破って四階に行った。

「っ……!?」

「貴様……杉野凌也!?」

 そしてたどり着いたのは四階『第六廊下』だった。何が起こったのか。おそらく『磁石』の魔法が何かと発動したのだ。まさか……そう、反応したのは朝宮校長だ。朝宮校長の記憶の気体を吸ったので、朝宮校長との繋がりが濃くなっていた。

「貴様……何しにきた……!!」

「敵討ち……いや、復讐だ。」


第十九話 終

最後の復讐っていうのは、朝宮校長と凌也の繋がりが濃くなったので、敵討ちっていう他人事じゃなくて、復讐になったっていうことです。

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