表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/26

第十八話

なんか昔より展開のインパクトが無くなっちゃった気が……

「さぁ貴様ら、朝宮日向を殺せ!!!」

 狂い人が、『闇ノ穴(ブラック・ホール)』で集めた教師全員に叫んだ。だが、誰も動こうとしなかった。

 何が起こったのか理解できていない、そんなはずは無い。今までに何度も『闇ノ穴(ブラック・ホール)』は使用している。目の前に朝宮校長がいて、それを「殺せ」と言われている。単純な話だ。

 なのに誰も足を踏み出せなかった。今まで情が入らないように、朝宮校長と全く関わろうとしなかった教師もいた。だが、結果的には全員が一つの思いを分け合うようになってしまった。

 そんな中、森先生が狂い人の方を向いて、叫ぶように言った。

「出来るわけねぇだろ!!!狂い人!!!俺は朝宮校長にてめぇよりよっぽど恩を貰ってる!!!俺は恩を仇で返すことだけは絶対にしねぇ!!!」

 森先生に続くように、全員が「そうだ!!」「当たり前だ!!」と叫び始めた。すると狂い人は不服そうに呟いた。

「残念だ。」

 すると狂い人は朝宮校長に向けて手をかざした。すると、次の瞬間、朝宮校長の頭上に、『魅了の炎』が生まれた。

 瞬間、教師全員は炎を向いて、他の方向を見れなくなった。そして狂い人は一言指示を出した。

「行け。」

 すると、教師全員が朝宮校長の炎に向かっていった。

「っ……!?待て、止まれ!!」

 突然の事態に朝宮校長も驚きを隠せなかった。先程まで「出来ない」と言っていた教師達が、突然目は虚ろになり、こちらに向かって歩いてきている。

 後ろの扉を見ると、気づくと炎の壁で塞がれている。

 パニックで動けなくなった。教師に攻撃する手も考えたが、そんなこと朝宮校長には出来なかった。心を通わせた相手に攻撃など出来なかった。

「来るな……止まれ!!!」

 だが、朝宮校長に全員が突撃して、朝宮校長は踏み潰されるように倒されてしまった。ドタドタという鈍い足音が辺りに鳴り響く。確実に朝宮校長は押しつぶされた。狂い人はそう確信した。

「くっくっく……『ガリレオ』に憧れた女は、ガリレオになれず人の流れに押しつぶされて死んだか……」

 余裕そうに狂い人が言った瞬間、学校全体が、【ゴオオオオオオオオ】という轟音を響かせて揺れ始めた。

「……地震…?」

 瞬間、朝宮校長が突然立ち上がった。有り得ない。あそこまで踏み潰されれば、確実に死んでいるはずだ。なのにまだ生きているというのか。まさか……『再現』…!?

「来ッ……来るなァァァァ!!!」

 狂い人は叫んで抵抗する間もなく、朝宮校長に顔面を強打されて、数メートル吹き飛んだ。

「はぁ……はぁ……」

 そうして狂い人を吹き飛ばした朝宮校長は、立ったままその場で死んだ。


 ガリレオに憧れた女、朝宮日向はガリレオとして死したのだった。


 『魅了の炎』の能力が解かれた教師全員は死んでいる朝宮校長を見ると、思わず涙を流した。だが、狂い人の指示により、『闇ノ穴(ブラック・ホール)』で各々の場所に戻されてしまった。

「くそ……朝宮日向……!!!死せず最後まで……!!!」

 狂い人は壁によりかかって立つのがやっとだった。右腕を抑えながら怒り狂う狂い人こそ、正に『()()人』であった。



「羅久司!!!」

 突然どこかに言った羅久司教頭だったが、例の黒い渦で戻ってきた。どこか怒りを孕んだ表情で、羅久司は睨みつけて言った。

「黙れよガキが……!!!」

 瞬間、先程発動させようとしていた『重力(グラビティ)』を気を取り直してもう一度発動させた。油断していた。正直大したことないと思っていたが、発動した瞬間地面に這いつくばった。重力に逆らって力を入れても、地面がえぐれるのをギリギリ防げる程度だった。

「『磁石』……!!」

 『磁石』の能力で、天井にくっついて解こうと思ったが、磁力をゆうに上回る重力によって、より押し付けられてしまった。

「ガキが……調子に乗りすぎなんだよ……!!!」

 そう言って背中の中心を踏み潰された。口から血が出てきて、全身に痛みが走る。重力に抗いながら、攻撃にも耐えなければならない。

「お前こそ調子に乗るな!」

 誰かが突然そう叫んだ。声の方を向くと、そこには武器を持った事務の先生達が立っていた。

 駄目だ、事務の先生達はただの人間で、ほとんど魔法も戦闘なんかに使えたものではない。だがこの地下駐車場にゾロゾロと多くの先生達が集まっきた。

「羅久司教頭!!私達が相手だ!!!」

 思わず困惑した羅久司は、能力を解除してしまった。瞬間、事務の先生の一人に引っ張られて、出口まで連れていかれた。

「駄目だ!事務の先生達だけには……」

「男が一度言ったんだ!!凌也君!!」

 そのまま扉を閉めて、出口の階段を登っていった。だんだん戦いの音が遠くなっていった。

「凌也君……落ち着いて聞いてくれ……」

「なんですか?」

 何となく嫌な予感は感じつつも聞いた。すると、事務の先生はハッキリと一言答えた。

「朝宮校長が死んだ。」

 信じられない言葉だった。だが、何故かこういう時にこそ、頭の中ではスッと理解できた。だからこそ、一瞬で狂い人に対する怒りが生まれた。

「狂い人……首でも何でも洗って待っていろ……!!今殺しに行ってやる……!!」

 そして、事務の先生を置いて、第六廊下へ走り出したのだった。


第十八話 終

朝宮校長が死んだ時の『再現』っていうのは、狂い人と戦い始めた一番初めの攻撃の再現をしています。一回目は防げた攻撃でしたが、慢心した狂い人は食らっちゃったっていう解釈で大丈夫です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ