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第十七話

最終決戦って感じがして書いてて楽しい。

 朝宮校長は、『第六廊下』の一番奥にいる狂い人に目を向けて、地面を蹴って飛びかかった。右手で狂い人の顔面を狙って振りかざしたが、狂い人は腕で軽く振り払った。

「そんなものか、朝宮日向。」

「まだまだだよ。」

 そう言うと、朝宮校長は両手を前に突き出して、円を作った。すると、口を開いて呟いた。

「『地ノ動』。」

 『地ノ動』、それこそが覚醒した朝宮校長の能力。そして、朝宮校長は手で作った円を、斜めにずらすようにグルンッと一回転させた。瞬間、狂い人は重力で吹き飛ばされたかのように、横の壁にひとりでに吹き飛んだ。ビリビリという音を立てて、壁に埋まりそうな勢いだった。

「地球が……動いている……!?」

「そりゃあ。」

 地ノ動は、対象のみにとっての、世界を回転させる。つまり、今狂い人にとっては、突然地球が一回転したのだ。その反動に耐えきれず、壁に衝突した。

「さぁ……どうする狂い人!!!」



 一方、教頭と凌也は、目で追えないほどの速さで肉弾戦を繰り広げていた。教頭の速いパンチを、『磁石』で、自身の手の平とくっつけて受け止める。だが、あまりに強い力で、簡単に磁力を引き離してしまう。

「この程度か!!杉野凌也!」

 余裕ぶっている教頭の背後を取ろうと、タンッと地面を蹴り上げて背後に回ろうとしたが、足を掴まれて、元の場所に叩きつけるように戻された。

「っ……羅久司!!!少しは魔法でも使ったらどうだ……!!!」

「……ふん、いいだろう。使ってやるよ。」

 そう言うと、ニヤリと笑って、手をかざしてきた。

「『重力(グラビティ)』!!!」



 一方のジシカも、砕斬(くだき)と肉弾戦をしていた。砕斬は、スピードは遅いものの、威力が相当ある。拳でも、ぶつけあったら骨が砕けてしまう。砕斬のみなら、まだどうにかなった。問題は後の二人だ。針月(はりつき)木山(きやま)のコンビネーションは、相当ストレスが溜まるものだった。

 木山の『テレポート』で、砕斬が攻撃をくらいそうになったら、針月と入れ替える。針月は身体に攻撃しても、張り付いてしまって、戦えない。なので、そのたび『写真加工フォト・プロセッシング』の能力で無理矢理引き離すしかない。(第九話参照)

 木山は戦闘向きではなく、針月もあまり戦闘には向いてない。なのに一向に相手にダメージを与えられない。

「…むぅ」

 ピンチである。



「退屈だぜてめぇら!!!」

 クロは三人の教師を相手にしているにも関わらず、余裕そうにそう叫んだ。

 腐負不(ふふふ)は、能力『腐敗』によって、触れた物を腐らせれるが、クロのスピードに全く追いつけず、触れることすら出来ていない。

 麻神(あさしん)は、『アサシン』の能力で、透明化しクロに近づこうとしているが、気配を感じ取られて戦えていない。

 明石は、『格闘(ボクシング)』の能力で一対一(サシ)に持ち込めるが、そんなことをしてしまえば、クロの身体能力で、殺されて終いだ。

「つまんねぇよ…!!」

 クロはニヤリと笑った。



 一方、森先生と戦っていた篤也は、森先生を抱えるようにして、光の速さで、窓を突き破って外に出た。

「っ……!?」

 森先生は困惑した。外は台風の影響で大雨かつ、森先生にとっては有利な森林がある。何故わざわざ自分から不利な所へ行ったのか。

 雨の影響で濡れた草にベチャッと着地した。

「お前……何のつもりだ……!?」

「あんたの有利な所でやってやるよ。かかってきな。」

「何だと……!!!」

 完全に舐められている。そう思って森先生は、森林から、木を無理矢理動かして、篤也にぶつけようとした。

 だが、忘れていた。篤也は『光』の能力で光の速さで走れる。外の開けている場所なら、壁を気にせず戦える。つまり、篤也の方が断然有利なのだ。

 気づいた時には、腹に光の速さでパンチをされて吹き飛ばされていた。

「一年……散々騙してくれたなぁ!!!クソ教師ども!!!」

「ガキがぁぁぁぁ!!!」



 保健室にて朝日奈と戦闘をしていたコブラだったが、完全に追い詰められていた。

 大量に呼んできたキングコブラの大軍も、何故か朝日奈の数メートル近くまで行くと、そこで動きが停止してしまう。そのメカニズムを解こうと、近づこうとしても、朝日奈の持つナイフのようなメスで距離を離されてしまう。

 だんだん壁に追い詰められてきて、先程から攻撃を少しずつ食らっている。このままではまずい、そう思って飛びかかったが、やはりまたメスを向けられた。後ろに下がろうとした瞬間、朝日奈は今まで見た事ないほどの速さで踏み込んできて、メスを横腹に刺された。

「っ……!!」

「全く……関わらなければ良かったものを……!」



 壁にめり込む程の勢いで、吹き飛ばされた狂い人は、この状況を打開する方法をねっていた。結果、一つしかないということに気がついた。

「『闇ノ穴(ブラック・ホール)』!!!」

 狂い人がそう叫んだ瞬間、朝宮校長と狂い人の間に、遮るように黒い渦が天井から出てきた。

 そして、中からは星野中学校の()()()()が現れた。驚いて、両手で作った円を離してしまったことで、狂い人が解放されてしまった。

「この『闇ノ穴(ブラック・ホール)』は、木山の『テレポート』の技術を少し工夫したものだ。さぁ、貴様ら朝宮日向を殺せ!!!」


第十七話 終

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