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悪魔堕ちの聖女様 〜転生お嬢様が推しの未来を切り拓いて魅せます〜  作者: 鰐之川 犬太郎
Ep.1 お嬢様、異世界転生致しました。

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<詳細不明> 幕間、某所にて。

王都の中心から暫し離れた立地。

そこに真白く荘厳な造りをした、神聖な建造物がある。


ここはニマ=ティオシス王国、その最も尊ばれる場所。




その最奥、やや広い一室でのこと。


「のぉ、ラム坊」


「なんだい、ニューちゃん」



色素を失った様な白髪の少女と、道化師姿の仮面の少年が言葉を交わしていた。



「分かっておろうな、今回の件」


「ああ、分かっているともさ。ニューちゃんの考えなら、なんでもボクにはお見通しなんだぜ?」


「…よう笑っておられるものじゃ」


「そりゃあ、そういうものだからね?」


「今ばかりは貴様が羨ましい事この上ないわぃ」


「アハハ、褒め言葉として受け取っておくよ!」


「お気楽な身分で、憎たらしいまであるのじゃ」


「そうしたのはニューちゃんだがらね、ボクを恨むのは筋違いって知ってる?」


「分かっておるから、殊更に頭が痛いんじゃが…」


「そいつは大変だ!治癒魔法が必要かい?」


「要らぬわ!貴様の所為じゃというのに、分かって言っておるな!?」


「さてね〜?」



体躯に見合わぬ大机で頭を抱える少女。

仮面の少年は、机に腰掛け笑うのみ。



「…はぁ。この時間は、いつまで続くのじゃろうな。ワシはそろそろお暇が欲しいというのにのぉ」


「そうなんだぁ〜お忙しくておかわいそう〜」


「思ってもない事を言うものではないわぃ」


「エヘヘ、バレちゃったかぁ」


「バレぬわけがないのも知っとるじゃろ、面白がりおってからに」


「一体何のことやら?」


「……ほんに、いつまで貴様の様なマヌケと居らねばならんのじゃ」


「うんうん、ニューちゃんってお馬鹿だもんね。分かんないよねえ」


「ワシの脳みそはマヌケと違って、ちゃ〜んと詰まっておるわぃな」


「なら分かってるでしょ〜?」


「…まぁの。終わるまでは終わらぬじゃろうな」



少女は突っ伏していた顔をヌッと上げる。

少年の態度は…依然変わりない。



「しかし、思っておったのとは違うのじゃ。彼の方のお考えは未だ分からんわぃ」


「でもこの方が面白いだろ?」


「…それも、そうかもしれんが」


「なんだよニューちゃん、ハンコウキってやつ?」


「年中反抗期の貴様が何を言うのじゃ、新手のギャグかの?」


「はぁ〜?センスねえなぁそれ」


「貴様に言われると余計に腹が立つのぉ?不思議じゃな?」


「あ!分かったぜ、コウネンキだ!」


「誰が更年期障害のババアじゃ!!まだまだ若くてピチピチじゃわ!!!」



少女はゼェゼェと息を荒げながら叫ぶ。

少年は楽しそうにケラケラと笑う。



「ワシは…ワシはこれでも、憂いておるのじゃよ」


「憂う?何をさ?おもしれーことしかないじゃんね?」


「ワシとした事が、マヌケに言うても無駄じゃったわぃ」


「あーめっちゃ分かるぅ〜その気持ちぃ〜」


「…この国の在り方、今後じゃよ」


「そんなん、何千年と変わってこなかったぜ?」


「変化はいつ訪れるか分からぬ。それが良い結果か、悪い結果かも知らぬのじゃ」


「そんなんいつものことだぜ?気にしてたらあっという間に老耄おいぼれさ」


「そうかもしれ…今ワシの事を老耄と言いおったな?」


「だからぁ、それも考えすぎだぜ?ニャハハ」



少女は何となしに、窓の外を見やる。

少年は飽きたのか、手遊びを始める。



「ワシは常々思っておるよ、これで良いものかと」


「良いに決まってんじゃん?お国もな〜んも問題ないんだしさ」


「最良とは、思えんのじゃ」


「そこまでする意味あんの?」


「…それもそうじゃな。ワシはただ己のお務めを果たすのみじゃったわ」


「あまり気負うもんじゃないぜ?」


「マヌケにしては良い事を言うのじゃ」


「そろそろ撤回しろよ、そのマヌケっての」


「嫌じゃ、このアホンダラ」


「ハイハイ知ってたよ、言ってみただけさ」



少女は席を立ち、その身に纏う衣服を整える。

少年もそれを見て、机から腰を下ろす。



「まぁ今までもこれからも、長い付き合いになるんじゃ。アホだけは言わんでおいてやっても構わんかのぉ」


「ま、お手柔らかに頼むよ」


「これもお務め、仕方があるまいな」


「お務めじゃなくても手加減してほしいぜ?」


「嫌じゃな」


「あーうん知ってた」



部屋の扉が、幾度かノックされる。



「良い、入れ」


「はい、失礼致します」



入室した白服の男は、床に片膝を付く。



()()()()、天啓を観たと言う者が」


「分かっておる。アトロポス公爵家の長男、アーロンじゃろう」


「はっ。仰る通りに御座います」


「直ぐに通せ」


「仰せのままに」


「ラム坊、王宮へ直ちに伝達じゃ」


「は〜いよ。そんじゃ、ボクはここで失礼するぜ」


()()におかれましても、御務めご苦労様で御座います」


「ハイハイ、キミもお疲れさん〜っと」




やがて部屋の中に残ったのは、少女ただ一人。

誰に宛てるでもなく、小さく呟く。



 「…あの御子は、覚えておるかのぉ」


 「何故にワシは、気掛かりなのじゃろうな」


その瞳は、眩く七色に輝いていた。


 「直に夜明け、じゃと良いが」

本日更新の次話より、Ep.2に突入致します。

是非評価やコメント、ブックマークをしてお待ち下さい。

作者が喜びます。

引き続き最新話の更新は、カクヨムとなっております。

さらに先の展開が気になる方は、そちらもご注目下さい。

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