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悪魔堕ちの聖女様 〜転生お嬢様が推しの未来を切り拓いて魅せます〜  作者: 鰐之川 犬太郎
Ep.1 お嬢様、異世界転生致しました。

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<蟷暮俣> 漆黒縺ョ繝倥Φ繝ェ繝ウ

わたしを呼ぶ声がした。

わたしはそれを知っている。


それは破滅だ。

地獄をもたらす声だ。


お願い、

どうせ死ぬならもう呼ばないで。
























長い長い、時間を過ごした。

たぶん、だけど。


えーっと、何年かしら。


12年くらいを…えっと…


何回? 分からないわ。

そのくらいの年数を、1万回以上は繰り返したのよ。

よく分かんないわよね、その計算。

知りたくも分かりたくもないけど。


わたし、それを律儀に数えていたのよ。


最初はね。


でも1万回を超えた時、

もう数えるのも無駄だなって思って。


その1万とかいう数字を超えても、終わらないんだもの。


それで、辞めたの。諦めたの。

きっとこれは、終わらないんだって。

だから数えるのも無駄なんだって。


そういうわけだから、正確な数字とかは、分からないわ。



ずっとず〜っと、ほとんど同じ人生が待っているの。


何回、何十回、何百回、何千回、何万回と。

桁が増えたくらいじゃ、もう驚かないわ。



それでね。


わたしは悪役なの。

生まれた時から、死ぬまで、ずっとそう。


誰もに嫌われて、疎まれて、蔑まれて。


それで、最悪な死に方をするのよ。

そりゃもう酷いのよ、言いたくもないくらいに。



…変えようとしなかったか、ですって?


そりゃしたわよ。

わたしだって、御免だもの。


出来ることなら、辛い思いなんてしたくない。

酷いことも起こらないでほしい。

欲張っていいなら死にたくもないけど、

せめて、

死に方くらい変わったらなって。思って。


それはもう頑張ったのよ、わたし。

最初のわたしをほとんど覚えてないくらい。



でもね、変わらなかった。

変わってくれなかったのよ。


ちょこっとくらいは、変わったこともある。


けどね、()()()()()()()()()は変わらなかった。



…ああ、もっと惨くなったことはあったかもね。

サイテーだわ。



だからね、いつからか、諦めてたの。


諦め始めたのは、1万より少し早かったかも。


うん。そうよ。

わたしはずっとこのままなんだって、実感していったのよ。


思ってただけだった。

それが、実感して、ほとんど確信になっていった。



どうしてなのかしらね。

わたし、そんなに酷いことをしたのかしら。


どうして、どうしてさ、

あんな酷い死に方を、

こんな回数しなきゃいけないのよ。



ねえ


誰のせい?


悪魔?


それとも、神様?


どうして女神様は助けてくださらないの?


聖女すらも、私を見捨てるのよ。



みんなが不幸になる。


わたしがいるから、不幸になるの。


だからね、自分のせいだって、分かってるわ。

それでもね、変わってくれないから、

とても、とっても、辛いのよ?


わたしが幸せになりたいんじゃない。

みんなを幸せにしたい、

せめて少しでもマシにしたかった。


そうよ。『マシ』を望んだ程度。


そんなでも、絶対に叶わないのよ。

ハッピーエンドになれとまで、言ってるわけじゃないのに。



この気持ち、誰なら分かるかしら。

分かってくれるかしら。


知ってる。

誰も分かってくれないわ。


わたしが悪いのだもの、仕方がないことよね。



でも、どこが悪いの?


口調?


態度?


仕草?


魔法?


あはは、それともやっぱり


  見 た 目 ?


そればっかりは変えられないもの。

どうしろって言うのよ。



これは、罰かしら。


みんなを不幸にする、わたしへの罰。


みんなのこと、好きなのよ。

だから、恨んじゃいないわ。

仕方のないこと、なのよ。わたしのせいだし。


だからお慕いしていた気持ちは消えなかった。

大切に思う気持ちは消えなかった。

みんなのおかげで、楽しい日々だってあったわ。


分かってほしかった。

知ってほしかった。

…叶わなかったわよ?当然じゃない。


それを後悔したことはない。

そう思うことに、後悔はない。

でも、だから、駄目なのかしらね。


…全部が全部楽しくなかったら、

 好きじゃなかったら、

 こんなに辛くもなかったと思うけど。


わたしにだって、あったのよ。

全部に絶望してしまうくらいの、望みが。


それのせいかしら。

どうなのかしら。


でもちっぽけなはずの望みなのよ。

普通のはずよ。


どうしてわたしには、それすら、

許されないのかしら。



こんなに死んでも許されないのよね。

なんて、重い罰なのかしら。



幸せになりたいとか、願ってない。


わたしはただ、これが終わってほしいだけ。


そう思うのも、願うのも、疲れてきた。


もう慣れてきたの、この地獄に。


涙なんて流れない。


でも暖かいものは暖かいから、

余計に痛い。


でも痛いのも、仕方ないかなって。


慣れはしなくても、諦めはついてきたかもしれないわ。


目が覚めることだけは、慣れないかも。


その度に少しばかりの希望を持ってしまうから、嫌いよ。


人生の繰り返しには慣れたのにね。


急に体が小さくなってても、もう何も思わない。


助かりたいなんて、今更思わない。


助けてとも、思えない。


…痛い。
























ああ、これは終わりの声だわ。


そんな悲しそうに、呼ばないで。

わたしが死んでも、悲しいことなんてないでしょうに。

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