表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔堕ちの聖女様 〜転生お嬢様が推しの未来を切り拓いて魅せます〜  作者: 鰐之川 犬太郎
Ep.1 お嬢様、異世界転生致しました。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/81

<第43話> お嬢様、"茶会"と書いて"合戦"と読みます。

話を一通り聞き終えた所で。

バトラーはセバスに廊下へ連行されて行き、扉越しに話し声が聞こえてくる。

たぶん叱られでもしているのだろう。

彼の居ない部屋の中は、すっかり静かになった。


さて… お茶会の支度を始めねばなるまい。

情報提供元・お叱りを受けているバトラーの為にも。ウンウン。




王族は異能を持つ。

最低でも、"天啓を聴く"という一つを持ち合わせている。

ともなれば、その話が上がるのも遠くはないだろう。


ロベリア様がノワゼットと婚約されるのは、『聖女再来』の天啓に起因する。

代々王家と聖女は、婚姻を結ぶ慣わしがあるという。

まどプリ本編では、ヒロイン:エレナがその聖女だとされ、物語が進行していた。

しかしそれは、魔導学院の高等部に彼女が入学してから。

それ以前は、聖女を輩出した歴史のあるクロートー公爵家の(見た目的にあり得ない)令嬢と婚約を結んでいた。


聖女が新たに見つかれば、歴史上でも数あった様に、『お国の為だ』と婚約破棄すれば良いだけ。

万が一、億が一にでも、ロベリア様が聖女ならばそれはそれで良し… という訳だ。


その婚約は割と早い時期だった記憶がある。

幼馴染で初恋、そしてその念願が叶い…。

それが7歳頃だっただろうか、今から2年有るか無いか。

今となっては、それにどの様な感情を向けたら良いやら。


そもそも何故、天啓で誰だか判別が付いていないのか。

少なくとも、神殿側ではそれを観るんでしょう?

見た目で直ぐ分かると思うんだけれど…

この世界では不名誉な名前、"災厄の悪魔"と呼ばれるくらいなんだから。

それでいてお可愛らしく、美しいロベリア様。

ヒロインのエレナだって、稀有な光属性の適性持ち。

そう簡単に居る様な外見でもない。


本当に天啓を観るのなら、聖女を間違えようがないでしょう!?


まぁこの考えは、憶測に過ぎないか。

一体全体どんな形で観ているのか、聴いているのかも分からないのだし、そこはこれ以上考えても仕方がなさそうだというか。



…王族は、他にも異能を持つ事が多いのだったか。

ノワゼットやローレンスも、それに該当するのだろうか?


女神:ニマの寵愛を最もその身に受ける血族。

寵愛とも加護とも呼ばれる、異能。


異能自体をあまり多くは知らないし、彼らにそんな設定があった記憶もない。

あったとして、続編まで隠されていた設定の可能性がある。

それでは今の私には、いよいよ以って知る術がないのだけれどね。


まっ、まさか嘘判別機みたいな…!?

そんな異能を持っていたら、何を考えているかあっという間にバレてしまう!!


……いや。流石に無いか。

それだったら、堂々と質問をして、返答させるだけで良い。

あんなに私の変化に注目し、ましてや詰め寄る必要性は、全くと言って良い程無い。

であれば全然違う?

そもそも異能を持っていないという可能性もあるか。

ただでさえここは、魔法のファンタジー世界。

現代日本を生きた私にとっては、未知数なものが大半だ。


うーむむ。悩んでも答えは出ない。

バトラーも王子殿下の異能は知らないと言っていたし、この件もこれ以上は期待出来なそう、か。



肘を付き、指を組み、顎に当てて考える。

今の私は、さながら作戦本部の最高幹部。

お茶会出撃に向けて、対王子様決戦作戦を講じねばならないのだ。


ロベリア様もとい私の未来がかかっている。

王族とのお茶会…

否。これはもはや、"お茶会" と書いて "合戦" と読むものだ。

ロベリア様の命運がかかっている。

慎重に事を運ばねばならない。



…ポーズだけそれっぽくしても駄目みたい。

見事に案は浮かばない。悲しきかな。



もしかして、「これぞまさに名案!!」

 みたいな作戦を考えようとしているのが間違ってる?

よくよく考えてみれば、弱点を握ったわけでもないのに、そんな効果が抜群な作戦が思い浮かぶ訳もないか。

ちょっと高望みしていたかもしれない。


やっぱり、地道に人間関係を構築するしかないのかな。

ノワゼットにとって今の私は不自然でも、来年には自然かもしれないし。

ローレンスは…どうだろう。

まずは普通に話せる様になると良いのだけれど。


そもそも、前世から()()()()()()()すら難しかった私には、難題が過ぎるとも思うのだが。

小さい頃からお稽古で忙しくて、幼馴染なんて居なかった。

学校に行っても、胸を張って「友達だ」と言えるような仲の人も居ない。

婚約者様も浮気というかなんというか、あのまま結婚していてもどうだったか。

挙句、両親からも見て見ぬフリをされていた訳だし。

 …ビックリするほど人間関係が虚無に近い。


いや私も最初は「前世の経験活かしてってやつ!?」とか思ったこともある。

しかし人間関係は…

先述の通り、壊滅的であった。


せめてゲームの知識が、記憶が欠けていなければなぁとも思う。

所々不鮮明で、活かせそうなものが無いのだ。

私からまどプリ最新続編のみならず、プレイした記憶まで取り上げるとは…

神様が居るならちょっと恨めしい。

この世界の女神:ニマ様の仕業ではないことだけ祈っておこう。一応。



友達…幼馴染……

どうやってその関係を構築するべきなのだろう。

私が知る限りでは、そうだなぁ、


私の内面を好きだという告白は嬉しかったなぁ。


…そっか。そうだったなぁ。

断るしかなかったけど、嘘かもしれないけど、嬉しかったんだっけ。

自分の存在が認められた、ここに居ていいんだって言われた気がして。


なら。ノワゼットとローレンスの内面を、為人(ひととなり)を、まずは知りたい。

ほとんど何も知らないままで、こんなに警戒するのも失礼だったかな。

まずは彼がどんな人なのか、それを知ってからでも遅くはないかも。


そうだよ。知ろう、相手のことも。

ちょっと前に出来た目標は、『この世界のことを知る』こと。

であれば、この世界に生きる人達のことも、もっと知っているべきだ。

彼らの日常も、非日常も、いろいろなことを知ろう。


そうすればきっと、もう少し世界が拓けて見えるかもしれない。

きっとそこに、希望だってある。まだまだ始まったばかり。

一気にじゃなくて少しずつ、切り拓いていこう。




そうこう考えていると、扉が3度コンと鳴く。


「どうぞ、入って」


「失礼致します。お嬢様、只今戻りまして御座います」


「お帰りなさい、3人とも」


メイド三人衆が休憩から戻った様だ。

バトラーとの話で差し支えが出る可能性も考えて、午後のティータイムは彼女達に「自室外で休憩を」と伝えていた。


「えっと、お菓子、ありがとうございました…!」


「本日も美味でしたわ!お陰様で、いい休息になりましたもの」


「それは何よりだわ、これからもよろしくお願いね?」


「「「はい」」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ