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悪魔堕ちの聖女様 〜転生お嬢様が推しの未来を切り拓いて魅せます〜  作者: 鰐之川 犬太郎
Ep.1 お嬢様、異世界転生致しました。

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18/81

<第18話> お嬢様、掘り出し物を探します。

私+メイド三人衆は、その日のティータイムを早々に切り上げた。

それは何故か?

そう!私たちはこのお屋敷内から、掘り出し物を発掘する権利を得たからだ。

皆動きやすい服装に整え、三角巾を口に巻いた、完全武装でそれに挑戦する。

待っていてね、未だ見ぬお宝さん!!




ーというわけで、メイドたちの案内を元に、私はめぼしいものがありそうな部屋を探る。

木箱が積み上げられた部屋が近くには多いのだが、そこから大広間の方へ向かうと、家具や調度品がしまわれている部屋があるのだとか。

うーむ、どんな家具を狙うべきか。それすら悩ましい。

…だって自室には、必要最低限の家具しかないからね!!


しばらく歩いていった先で、ジェシーが声を上げる。


「お、お嬢様。こちらのお部屋はいかがでしょうか…?」


その部屋の中を見てみれば、大小様々なソファーが並んでいた。

なるほど、ソファー。


「ナイスよジェシー、少し見てみましょう!」


「は、はい!!」


私たちは先ず、その部屋から探索を始める事にした。



が。

とにかく埃っぽいのだ。

三角巾の簡易マスクがなかったら、今頃むせ込んで探索どころじゃなかっただろう。

さらには破けたもの、カビが生えているものまである。

本当にお宝は眠っているのだろうか…?

そうしているうちに、カミラが声を上げる。


「ここはどうにも、ハズレ部屋のようでございます。家具の管理が行き届いていないものが多く、管理が杜撰なものが多い可能性が高いかと」


それに対して、ジェシーは少し項垂れる。


「そんなぁ…」


「また次を探しましょう。今は一旦掘り出し物よりも、新品に近いものを狙った方がいいのではないかと思うの」


そう意見すると、ローラが手を上げる。


「それなら心当たりがあるかもしれませんわ!少し前に、お2階で使われていた家具をしまったお部屋がございましたのよ」


ふむ、これは有意義な情報かもしれない。


「ではそちらに向かってみましょう、案内は任せるわね」


「はい!お任せ下さいまし!」


ローラは軽やかな足取りで、その部屋へと案内を始める。


そこはかなり大広間に近い位置にあった。

部屋を覗いて見ると…先程よりもずっと埃っぽさが薄い!

これは新品があるかもしれない。

そう思った矢先だった、カミラから注意が飛んだのだ。


「この部屋はいけませんね、他のお部屋から探しましょう」


「カミラ、どうして?」


「お嬢様であればご存知ないでしょうね。ここは基本的に季節で入れ替えを行う家具を、一旦しまっておくお部屋なのでございます。ですので、こちらから持ち出した場合、なんらかのトラブルになることも最悪想定されます」


「そう…ならここは避けたいわね」


「それよりも、ローラ?」


カミラに名前を呼ばれたローラは、ギクリと肩を震わせる。


「お嬢様が知らないのは無理もありません。しかしお屋敷、お部屋の管理をする使用人がお部屋の中を把握していないとは…お恥ずかしいことですよ、以後気を付けなさい」


「はぁい…」


今度はローラまで意気消沈してしまった。


「…誰にだって失敗はあるもの、次に生かしましょう!次よ!」


「それでは…」


カミラが声をかけてくる。


「今度は私がお部屋を選んでみましょうか」


これは年の功パワーで解決できるパターンでは?


「是非お願いするわ」


私は即答していた。



そしてカミラの案内で到着した部屋は、物が雑多に押し込められたような部屋だった。

大小様々な家具があちこちにある。

私たちは今度こそと息巻き、部屋を漁り始める。


「これは…!!」



結果としては、なかなかの収穫だった。

何と言っても、4人がけのダイニングテーブルが発掘されたのだ。

もちろんダイニングチェアもセットで。

自室は物こそないが、広さはそれなりにある。

このテーブルやチェアも容易に収まるサイズ感なので、とても都合が良い。


その他にも、二人掛けソファー、ベッドのサイドテーブル、ベッドランプなどなど。

さらには私は遠慮したのだが、メイド三人衆の強い推しで、天蓋付きベッドまで。

大きいものや埃を被ったものもあるので、運び出しと運び入れは後日ということになった。

これを大収穫と言わずして、何と言おうか。


掘り出し物こそなかったが…



「ヒゥ、ヒグッ…」



一瞬、何かの音が聞こえた気がする。

音というか、啜り泣く声…みたいな。

でもどこか奇妙な音。


私はそこで立ち止まる。

しかしメイドたちは、何も気が付いていない様子だ。


おかしいな、結構ハッキリ聞こえたはずなのだけれど…。


「ちょっと、みんな…?」


そう呼び止めると、三人とも全員不思議そうな顔を浮かべていた。


「ど、どうか致しましたか?お嬢様…」


心配そうな顔までされている。

これでは不安にさせてしまうだけかもしれない。


「その、忘れ物しちゃったから…一度戻ってくるわ。三人は先に部屋に戻って、セバスに報告するための書類をお願いできるかしら?大丈夫、すぐに戻るから!」


そう言い切り、声の聞こえた方向に走っていく。



あの声は、木箱のある部屋の方から聞こえた。

一体誰が、正体は?


木箱が積み上がる部屋のうち一つ、そこから未だに聞こえ続けている。

子供がメソメソと泣くように、その声か音かを響かせている。


部屋に入ってみれば、部屋の奥の木箱の中から、それは聞こえてきていた。

私はその木箱を、慎重に開ける。




木箱の中にあったのは、一輪挿しの花瓶だった。

陶器で出来ている、真っ白で美しいものだ。


しかしその花瓶の周囲には、黒い帯のような光が纏わりついていた。


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