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『グランド デポ』再び その2

「はい、すいません」


「……ですから、このようなご時世で」


「はい、私が悪うございました」


「……本当にこのような騒ぎは、もう二度と」


「はい、すみません」


「では、他のお客様にご迷惑が掛からないように……」


「はい、承知しました」



 ……10分後、私はようやく『グランド デポ 東京幕張店』の警備室から解放された。


 どうやら、ATMの前で『運営さん』とブツブツ会話していたのを他のお客さんから通報されたらしい。


 その後、防犯カメラでマークしていたら、ATMの前で雄たけびを上げたところで、警備員に取り押さえ(?)られたのだ。うん、日本の治安はまだまだ大丈夫!!ヤッタネ。あーあ。


 まあ、防犯室であらためてその動画を見せてもらったが、明らかに犯罪者か不審者のどちらかだった。


 幸いにも、競馬で思いもかけない大穴に当たったということを信じていただけたのと、『グランド デポ』のブラックカードを持っていた優良顧客(なかなか審査が厳しいのですよコレ)だったという点で、当局への通報はご勘弁していただいたのだ。やれやれ。人間あんまり調子に乗りすぎると痛い目に合うという戒めだね(ニッコリ


 私は一旦、心を落ち着けるために再びサバンナコーヒーで今度はホイップクリームてんこ盛りの『GDカフェラテ』のクリームマシマシを嗜む。あー、あっめーなーコレ。


 タイムゲージを見る……と、残り時間1時間30分。あっちゃー……まあ、いっかー、明日も来れば。


 というわけで、念のためにサバンナコーヒーでの会計をクレジットで済ませてみると……おおーちゃんと会計出来ました。ヤッタネ(ニッコリ)


 ってことは、アレだ、とりあえず、残高380万円のお買い物ができるというわけだね……ハッハッハー笑いが止まらないわ……と、通報されるのでちょっと自嘲します。


 湧き出る幸福感を何とか抑えて平静を保ちつつ、特大のショッピングカートを転がしながら、それではショッピングへ、レッツラGO!!


 まずは工具コーナーへ……私は何より先に買っておきたかったものがあったのだ。


 確かここら辺に……はいはい、あった、あった。


 じゃあ、待っててくださいね、ベイルさん。



 ……二時間後、宿屋アニーの私の部屋に戻ってくると、パーティーの他のメンバーに声を掛け、私の部屋に集まってもらったのだ。


「おおー、スッゲーなー、またずいぶんと買い込んだな」とエルウッドさん。


「いやー、疑ってたわけじゃないけど、実際に見てみると、ほんとに異世界に行ってたんだねー。こんなきれいに袋詰めされた品物見たこと無い」とカセットコンロの詰め替え用ガスをみながらノエルさんが。


「そんな、いきなり買い物しちゃってお金の方は大丈夫なのかい?」とちょっと心配そうにベイルさんが。


「ところで、このいい匂いって、どこから来てるのですか?」と挽きたてのコーヒーの準備をしている私の方を見てナジームさんが……


 一応、こちらの世界でもコーヒーはあるのだが、現代の日本のような高品質のコーヒーなどどこにもお目にかかれないのだ。それこそ、この国の王様ですら……きっとこのレベルだと。


 コーヒー大好きの私は、さっそく「サバンナコーヒ オリジナルブレンド」を買って、お湯を沸かしてドリップをしていたのだ。


「はい、どうぞ、お飲みください」


 私はグランド デポで購入したメンバー分のマグカップにコーヒーを注ぐ。


 一口飲んだ途端、


「うわっ、なにこれ、香り高ーい」とノエルさん。


「こりゃ、これに比べたら俺達がいつも飲んでるのって泥水かよ」とエルウッドさん。


「うまい、これなら、砂糖やミルクが無くても全然飲める」とベイルさん。


 そして、ナジームさんは何も言わずにただひたすらコーヒーの香りを楽しんでいる。


 もう、その仕草だけでお気持ちが伝わってきます。


 メンバーのみんなが一通りコーヒーを味わってから、「では、みなさん、みなさんにお渡ししたいお土産があります」と私。



「「「「おおおおおー」」」」」と皆からの拍手が聞こえた。 

作品を気に入って下さった方はブックマークをしていただけたら幸いです。

あと、感想も書いてくれたらうれしいなー。

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