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このあと、彼らはヴァダリア皇国の首都から離れたところで休憩を取っていた。まもなく、日が昇る。ナギのバックに入っている食料を食べながらその時を待つ。少し高い、丘の天辺と言えるその場所で休憩をしたいと言ったのはナギだ。何でも、太陽が見たいらしい。
「わぁーーー。」
ナギの顔は明るい。子供のようにはしゃぐ。
「ニミウスさんを追っている方々はどこかに行ってしまいましたし、しばらくは安心ですね!!」
「でも、俺らより先のほうにいるってことは罠を張られたりしてるんじゃあ」
…………。
「あっ!!」
ナギはしまったという顔をしている。ニミウスはため息をついた。
「まぁいいよ。それにしても、これにて俺はめでたく犯罪者の仲間入り、か。」
「そうですね。お仲間ですね!!」
昨日一日で、ニミウスがやったことは詰め所の壁を破壊したことだけなのだが間違いなくニミウスのことはナギの《・・・》仲間として認識されてしまっただろう。ナギの明るい笑顔を見ると、首都の中では見たことがなかった裏表のない、笑顔を見ているとなんだかどうでもよくなってきた。
「これから、どうしましょうか?」
「そうだな。とりあえずカロンに行こうか。」
北門から出て、大きな道を行くとカロン王国へと続く橋に出る。そこから、カロンへ行こう、という考えだ。首都を出た後について特に考えていなかったナギはそれをあっさりと承諾した。彼女は見たことのない異国を思い、早く行こうとせかしたが、彼らがその場を離れたのは日が登りきってからのことだった。
「今日も、というか今日だけで二話も更新しちゃったね。」
『ここまできたらさっさと終わらせたかったらしいわよ。短いのは一章の最後は幕間みたいな感じだから、らしいわ。』
「で、次は一章で出てきた人物やらの用語集的なものを作るんだったね。」
『ええ、基本的に一章に出てきたことばかりをのせるらしいわ。』
「それも一月中には書いちゃうつもりらしいよね。」
『むしろ明日には書くつもりのようよ。冬休みの内に終わらせたいんですって。』
「ああ、なるほど。区切りよく終わらせておきたいんだね。紅月はそう言う人間だね。」
『で、二章の開始が未定なのよね。』
「冒頭の方の構想はできてるらしいけどね。」
『それじゃあ、また、次の話の後書きで』




