降りやまない雨
どうやら人魚の事を探すには、ユタと呼ばれる人物を探すしかないようだ。
おかしな事になったと思いはするが、人魚なんておとぎ話のような存在を探すには、まじないとかが必要かも知れなかった。
「ユタは昔は金持ちしか相談できなかったらしいから、そういった年寄りに聞いてみようぜ。」
私は再び頷くと、ふと人魚の事なら漁師に聞いてみるのがいいかも知れないと思い、陽太に打ち明けた。
「なら漁業組合の会長とかが一石二鳥かも、行ってみるか?」
確かに漁業組合の会長なら人魚の事も、ユタの事も何か情報を持っているはず。早速二人で向かうことにした。
組合の建物は、陽太と出会った場所からかなり離れた海沿いにあった。関係者以外立入禁止と書かれていたので、辺りにいた漁師に声をかけた。
雨の中大変そうに作業をしていたが、話を聞いてくれると携帯電話で会長に連絡を取ってくれた。
15分ほど建物の陰で待っていると漁業組合の会長が来てくれて、私達を部屋に案内してくれた。
私は自分の病気と伝承の事を思い切って聞いてみた。
年配の会長は真剣に話を聞いてくれた。
「人魚の話は、漁師達の間でも見た者が沢山いると噂になっているが、直接関わった者といえばもう辞めた、古い漁師が一緒に酒を飲んだとか眉唾な話をしていたな。」
会長はそう言って、その漁師の家を教えてくれた。
「後、ユタの事なら町内会長のところで聞いてみるといい。」
2つの情報を得た私達は建物を後にした。
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