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ラストサマー 降りやまない雨  作者: 永山満樹
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降りやまない雨

 私の名前は詩織。

 突然体調を崩し、そんな私を待っていたのは

いつ心臓が止まってもおかしくないことと

治療法がないという現実


 最後かもしれない夏を南の島で過ごすことにした。


 密かに考えていたのは、どんな病にも効くという

人魚の血の伝承の事だ。


 人魚なんて怪しいものにでもすがりたいと思う

気持ちと、綺麗な場所で最後を迎えたいという

思いがあったからだ。


 身寄りの無い私は病院の先生を説得して

最後かもしれない夏を過ごす為、都会を離れ南の島へ旅立った。


 飛行機はあいにくの空模様で、島に着く頃には

スコールのような豪雨だった。


 特に知り合いもいない私を迎えに来る人もおらず

空港のロビーから降りやまない雨を眺めながら

今後の予定をぼんやりと考えていた。


 どこから得た知識か思い出す事が出来ないが

人魚の血はどんな病も治し、その肉は不老不死の

肉体を与えるという。


 そんな伝承がこの南の島にあるという。


 人魚というからにはやはり海へ向かうしかないと

考え、身軽な格好で来た私は空港内で傘を買う事にした。外の雨が降り止みそうもなかったから。


 人魚の伝承があるという場所へバスで向かうことにした。


 1時間ほどバスに揺られたが、外の雨はまだ降り止みそうもなかった。


 バスを降りた場所は普通の観光地だった。

 海までは歩いてすぐらしかったので、そのまま

向かうことにした。


 率直にいうと土地勘も知人もいない、行き当たりばったりの旅だった。


 海へたどり着いた私を出迎えたのは、砂浜に設置された人魚のオブジェだった。おとぎ話の様に髪は長く

貝殻で胸を抑え、下半身は魚という女性の人魚だった。


 そっと触ってみると、雨のせいか思ったより冷たかった。


 

 

 



 


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