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【本編完結】堕ちた神獣伝~高貴で傲慢なジョゼフィーヌ~  作者: 頼爾@11/29「軍人王女の武器商人」発売
第一章 アタクチはジョゼフィーヌ

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いつもお読みいただきありがとうございます!

「プランびーってみんな派手にやってるわねぇ」


庭や廊下から悲鳴や叫び声が聞こえる。


「にしてもコイツ、この状況で寝てるのね。さすがに図太いわね」


部屋の中に難なく入ったアタクチはベッドの上でいびきをかいている第一オージを見つけた。試しにベッドの上で跳ねてみたが起きる気配がない。

というかこのベッド、いまいちよ。もうちょっとアタクチ好みのふかふかにしなさいよね。アタクチ、こんなベッドなら帰るわよ。


起きないので部屋を見回す。

芋女の部屋と違って第一オージの部屋だからか高価な調度品などは置いてある。

アタクチ、ちょっと面白いことを考え付いたわ。アタクチの家ではできないことよ。


ちょいっと壺を手で引っかける。

ガッチャーン


うーん、良い音よねぇ。あの高そうな壺、多分コットウヒンよ。

我が国ウン年の歴史を割って破片にするこの感覚、ゾクゾクするわぁ。

この高貴なる遊びの感覚分かるかしら? たとえば、そうね。五百年前に作られたステンドグラスを割るような気分よ。五百年の歴史が割れる音って素敵じゃない?

破壊と創造って表裏一体だものねぇ。


あら、アタクチったら壺を割りながら高尚なことを語ってしまったわ。

ほら、ゼノンなんてアタクチの高尚な思考についてこれてないもの。


「っ誰だっ?」


あ、起きた。ヨダレついてんぞ、第一オージ。

あらやだ~、アタクチったら。汚い言葉を使ってしまったわ。こいつにはこのくらいの言葉がお似合いだけど、アタクチが品位を落とす必要性はないわよねぇ?


「ネコ? それとカラスゥ?」


本棚の上にいるアタクチとカラスを見上げて第一オージはポカンとしている。あんた、下僕とのお茶会でアタクチと会ったことあるでしょーが。こんなに美しいアタクチを一目見て忘れるとか、どんだけ鳥頭なのよ。いや、鳥に失礼よね。


そして、第一オージ。油断大敵よ。

アタクチの次の獲物はアレよっ!

軽く助走をつけて軽やかに飛ぶ。そこにはお高そうなカーテン。


バリバリバリッ


途中まで滑り、爪が引っかかって止まったところでカーテンを登る。


「あ、おいっ! やめろ! カーテンがダメになる!」


そんなこと知ってるわよぉ。楽しいわね、これ!

アタクチの屋敷ではできないもの。だって屋敷は美しく維持したいじゃない? だからアタクチはテーペーオー(TPO)ってやつを弁えてるわけ。


カーテンの一番上まで登ったところで、第一オージがカーテンを引っ張って揺らしてくる。

あんた、そんなことしたら……


ビリィッ


あーあ、アタクチがボロボロにしたかったのに~。

破れたカーテンとともに第一オージが尻もちをつく。


ゼノンの姿がないと見回すと、何度かつついた枕を掴んで第一オージの頭上に放り投げていた。

枕の中から羽根が舞う。アタクチほどではないけど、綺麗ね。


「うわっ! げほっごほっ」


第一オージってホコリに弱いのね。咳やくしゃみ、鼻水が止まらないわ。

咳やくしゃみで苦しんでいる間にアタクチとゼノンはインク壺を割り、引き出しを開けて中身を引っ張り出し、本棚の本を落とし、壁の絵画を落とし。


キャー!! テンション上がるわ!! 楽しいわね!!


「ここからもすごい音がするぞ!」

「謹慎中の殿下の部屋か!」

「狙いは殿下かもしれん! そもそも原因あいつだろ?」


あら、テンションがせっかく上がったのになんか来たわね。


「テーペーオー(TPO)って言うジョゼフィーヌ可愛い!」などありましたら、いいねや☆マークでの評価などで応援していただけますと嬉しいです!!

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