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毎日が記念日



 毎日が記念日。それを信条に今まで生きてきた。

 思い返せば色々ヤッたなあ。あれとか、あれとか、あれもか。

 で、今俺は仮死状態にあるらしい、ベッドの上でメガミサマに謁見中だ。

 使い尽くされたよくある異世界に転生とか転移とかそう言う事ではないらしい。

 薄化粧でほぼ透明だろと言っていいような衣を纏ったドン、キュッ、ドンなメガミサマ。色々話したけどまあ話が合う合う。

 そりゃそうだよな。このメガミサマ、性愛の担当らしいから。

 言葉や仕草のひとつひとつがなんと艶めかしい事か。おれのマグナムはおっきしっぱなしだ。耳たぶを甘噛されながら囁かれ何度も撃った。こんな事はもう無いだろうと頑張った。

 

 気が付くと俺は床の上で息を詰まらせていた。

 酸い液体が口からはみ出している。

 ああ、寝ゲロ。仮死になった原因はこれか。

 溜息を吐くと嫌な匂いがのぼってくる。うがいをし床に散らばったゲロを拭く。

 着替えてから貢ぎに行って良かった。一張羅のスーツで行っていたらただでさえ無いのカネが本当に底をつく所だった。

 でも、結局俺がメガミサマに呼ばれたのは何だったのだろうか、ただの気まぐれかな。

 そこで腹がぐーと鳴いた。

 まてまて腹よ。今この家にあるのは塩とボロボロに折れた乾麺1袋だけだぞ。

 ガスも電気も水道も止まっている。

 最低限寝る場所を、と家賃だけは律儀に払っているがそれ以外はまあアレだ。

 そう考えている間にも腹はきゅるるると鳴いている。

 ああ、俺は仮死から餓死にランクアップするんだな。

 ははは、メガミサマとヤれたし思い残す事はないなあ。

 生暖かい床に身体を投げ出して天井を見る。

 頬を何かが伝う。

 何で、泣いてんだ、俺。

 ずっと、願っていた、最高の女性と、ヤれたんだ。

 もう、死んでもいいって、思ったんだろ。

 なんで、メガミサマは俺を、こんな世界に戻したんだ。

「そのまま、寝ゲロ死で、良かったのに」

 そう呟くと

「死ぬのは、困ります」

 と誰かからの返事があった。

 慌てて涙を拭うと目の前には上から下まで白い美人さんと言った感じの中性的な子が見下ろしていた。

「どこから入った?」

 俺は見上げたままその子に聞いた。

「ママからの手紙」

 その子は質問が無かったかのように淡々と俺の顔へ三つ折りにされた紙を落としてきた。




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