第一章 7話 4人の冒険者達
セリフ見にくいかと思い
一行開けてみました。
今までも話も時間がある時に直しときます。
この熊のような男はギルドを取り仕切るギルドマスターだ。
「ギルドマスターすみません。お騒がせしました」
「ん?エリドか、お前が騒ぎの中心にいるなんてよっぽどだな」
ギルドマスターのような存在が俺の存在を認知していることに少し驚いた。
「とりあえず…おい、お前とお前、セッタを警ら隊のところに持ってって牢屋にぶち込んどけ。なんか言われたらギルドマスターに言われたって言っとけ」
ギルドマスターは適当に選び、指示を出す。
「え?話を聞かないんですか?」
「まぁ、ちょっといろいろあってな。なによりエリドが何かするとは思えないからな」
「そ、そうですか…ありがとうございます…」
「でも話は聞くからな」
「は、はい!」
何故か異様に信頼されている。
特にギルドマスターと関わったことがないため、信頼される理由が思いつかない。
他にも、俺をパーティーに誘った男と俺をみたと証言した男、ほかに俺を庇ってくれた男の子のパーティーが呼ばれて奥の部屋に入って聴取が行われた。
結果として俺は無罪となった。
俺をはめようとした男たちはセッタにお金を渡されて協力しただけのようだ。
それでも共犯者として何かしら罰則は行われるとのことだ。
そして、セッタが牢屋にぶち込まれた理由がここ最近換金するための素材が盗まれる事件が多発していたらしく、そのどれもがセッタが関わっていたようだ。
ダンジョンに入る前に声をかけたりなどしてどれぐらいの強さか見極め、自分より弱そうなら盗んでいたのだろう。
どこまでも愚かなやつだ。
一番怖かったのは受付のお姉さんだった。
何度も断っているのに何度もナンパをされてしつこかったらしく、用意周到に俺を陥れようとしていたねちっこさが気持ち悪くて見ていたと言っていた。
あれは疑惑の目ではなく、単純に蔑んでいただけのようだ。
俺が膝蹴りでセッタを倒した時、そのまま馬乗りになって死ぬまで殴ってくれればもっと精々しましたと言われたときはなにもコメントできず、苦笑いしかできなかった。
ギルドマスターが何故俺のことを知っていたのかと信頼してくれたのか聞こうと思ったが後始末に忙しいから早く帰れと言われとりつく島もなかった。
「はぁ〜疲れた〜」
「疑いが晴れてよかったですね!」
男の子が笑顔で声をかけてくれた。
「庇っていただき本当に助かりました」
「いえいえ、どちらにしろギルドマスターがなんとかしてたかもしれないので無駄なことしちゃったかもしれませんね…」
「そんなことありません、あそこではっきりと言ってくれたことで俺もスッキリできたのでよかったです」
「ハハ、エリドさんの膝蹴り容赦なかったですもんね!」
「あ、そういえばまだ名前を聞いていませんでしたね、教えていただいてもいいですか?」
「自己紹介がまだでしたね!僕の名前はエルザです! そして目つきの悪い赤毛がアンナで、メガネをかけているのがルナ、隣の身長が高いのがマイルです!」
エルザは元気よく仲間を紹介した後、後ろから勢い良く拳骨をくらった。
「目つきが悪いってなによ! もっとマシな紹介あったでしょ!」
「い、痛いよアンナ。殴らなくたっていいじゃないか…」
「目つきが悪いなんて言われたら怒るに決まってるでしょ! 女の子に言うもんじゃないでしょ!」
「そ、そうだけどパッとみの第一印象を伝えるのが早いかなって…」
エルザそれは全くもって言い訳になっていない。
なんなら火に油をそそいでるぞ。
見事にもう1発拳骨をくらっていた。
「それは私の第一印象が目つきが悪いってことでしょ!なに?!私は目つきが悪い性悪女って言いたいの?!」
「そ、そんなこといってないよ…」
「もういい加減にしましょうよぉ〜」
目の前で喧嘩?を始めた2人を間延びするような声でルナがとめた。
「はじめましてぇ〜ではないですねぇ〜、私の名前はルナといいますぅ〜」
「俺の名前はエリドと言います。助けていただきありがとうございます」
「いえいえ〜私は怖くて見ているだけしかできませんでしたぁ〜」
なんだか話している俺までふわふわしてくる。
「どうも、俺の名前はマイルといいます」
「どうも、エリドといいます」
「とりあえずこれを返すよ」
そう言ってマイルはパンパンになっている袋を渡してきた。
マイルはきっと律儀な性格なんだろう。
「いえ、それは俺が捨てるつもりでいたものです。あなたたちの物です。」
「それじゃあ私達が施しもらっているみたいで嫌だわ! 返すわよ!」
「ん〜そうですか…ではこうしましょう。この後俺が奢ると言うことでご飯でもどうでしょうか。余った分は俺がもらうので」
「いいんですか?!ぜひエリドさんとお話ししたいと思っていたのでそれでお願いします!」
「ちょっとエルザ!」
「いいじゃんアンナ、アンナも素材取ってエリドさんを追いかけているときどうやったらあの動きができるか気になっていたじゃないか」
「そ、そうだけど…」
「じゃあ、俺は宿屋に晩御飯いらないことを伝えてくるので、1時間後にもう一度ギルド前に集合ということでいいですか?」
「はい!楽しみにしときます!」
それから俺はマイルに貰った素材を換金してから宿屋に向かった。
ギルドの騒動はカルアさんにも届いていたらしく説明したら盛大に笑っていた。
若いときはそう言うこともあると励まされた。
「お待たせしました」
「いえ!僕たちも今きたところです!」
「それでは行きましょう」
1年ぐらいおれはこの町で暮らしているが節約していたためほとんどお店に行ったことがない。
しかし、どこがいいかなど話は聞いたことがあるため、少し値は張るがたくさん食べれて美味しいお店にきた。
「お、美味しいです!」
「それはよかったよ。俺もくるのは初めてだから安心したよ」
「そうなんですかぁ〜、エリドさんはもっと稼いでいるのかと思っていましたぁ〜」
「そんなことないよルナ、俺は毎日節約しながら日々過ごしているよ」
「ではこんなお店にきてもよろしかったのですか?」
「はい、僕なりのお礼のつもりですので気にせず食べてください」
「ねぇ、あんたなんでそんなに強いのにウトルダンジョンなんかでホーンラビットと戦っていたのよ」
まぁ聞いてくるよね。
気になってたって言ってたし。
そこまで隠しているわけではないんだけれども
説明すると長くなるからなぁ。
どうしたものか…
「ねぇ!聞いてる?!そんなに言いにくいことなら別にいいわよ!」
意外にもアンナはそこまで追求してこなかった。
発言や行動は気が強く乱暴なイメージがあったが実は優しい性格なんだろうか。
「いえ、言いにくいわけじゃないんですよ。ただちょっと説明が長くなるのでどうしたものかと思っていただけですよ。アンナさんって実は優しく気遣い上手なんですね」
「そ、そそそ、そんなことないわよ!」
アンナは顔を真っ赤にして否定してきた。
うん、これはツンデレ系だな。
「アンナ動揺がすごいよ!全然隠せてないよ!」
あぁーそれをツンデレにいうと…
ガツンッ!!
勢いよく拳骨コースとなった。