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黄昏時、俺は生きた  作者: 田中ソラ
第一章 出現
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第十二話 親友の生

「は!?」


 掛かってきた人はまさかの。


「もしもし?」


「衣月!」


「うおっ。ビビッた……」


 親友の鏡衣月(かがみいづき)からだった。


「お前、今までどこにいたんだよ!」


「あー。地下街に逃げ込んでそのまま意識失っててさ……SNSで冷夏ちゃんのこと見つけてもしかしたら水谷生きてるかもーみたいな感じで連絡してみた」


「なるほどな。ってことはまだ町にいるのか?」


「そうそう。水谷は移動してる感じ?」


「あぁ。現在位置を送るよ」


「ありがと。俺も一応送る」


「おう」


 俺は一度電話を切った。




「大声だったけど、誰だったの?」


「親友からだった。今まで意識を失ってたんだって」


「そうなんだ。合流する?」


「そのつもり」


「分かった」


「話は一旦終わりで頼む」


「よし。僕は春ちゃんの世話に戻るよ。皇ちゃん呼んでくるね」


「あー」


 別に入れ替わらなくてもいいけど、まあいいや。


「河野、鏡くんと連絡取れたんだ」


「あぁ。冷夏のSNSを見たんだとよ」


「そうなんだ。合流できそう?」


「ちょっと待ってな。現在位置が届いたわ」


 俺は冷夏と一緒に画面を覗き込んだ。


「これ、ほとんど学校の位置だよ。ここから合流するには……二日はかかりそう」


「だな」


 衣月の状況は結構絶望的だった。


 だがアイツなら大丈夫だ。


 俺はアイツと親友だからな、信じてやらないと。


「鏡くんならきっと大丈夫だよ!」


「アイツならな」


 再び着信音が鳴り響く。



「もしもし」


「結構離れてるな。今からそっち向かってもいい?」


「今は駄目だ!!」


「え?」


「お前に良い情報だ。あの突然出てきた物体はアルファという言う」


「アルファ?」


「そうだ。アルファは日が昇ってから沈むまでの時間しか活動できない。だから日が昇ってる時間は地下に隠れろ」


「ちょーっと待ってくれ。情報が多いぞ」


「あ、そうだったな。ゆっくり理解してくれ」


「………なんとなく理解できた」


「よし。俺達は日が沈むまでマンホールの中で時間を過ごしてた」


「マンホール? マジか……」


「死ぬよりはましだろ。後で送るけどホームセンターで必要な物を拝借した」


「拝借って」


「生きて、町に戻れればお金は払うさ」


「なるほどな。了解した!」


「おう。できれば途中や家に寄れるなら寄って食料とか必要なもの調達してこいよ」


「おう!」


「ここで待ってるからさ」


「あぁ」


「それと生存者の人が作ったチャットアプリの部屋にも招待しとく」


「分かった。それと一日に一回、合流できるまで生存確認に連絡をするよ」


「……おう」


 一日に一回の生存確認のための連絡。


 親父のことを思い出す。


 衣月、死なないでくれ。


「水谷」


「ん?」


「俺、生きてお前に会うって約束する」


「え」


「絶対に約束守るから。俺とお前は“親友同士”だろ? 信じてくれ」


「ははっ。必ずだぞ」


「おうよ! 任せとけ!」


 目の前にいたならハイタッチしていたであろう。


 衣月。お前のことはずっと信じてるからお前が嘘付かないってことも勿論信じてるよ。





「鏡くん。絶対に合流できるよね」


「当たり前だ」


「そういえばさ、鏡くん私のSNS見つけて河野に連絡したって言ってたけど私と一緒にいるって知ってるかな?」


「そういえば言うの忘れてたな。大丈夫だろ」


「えー」


「ま、冷夏と一緒に行動ってなっても嫌がりはしねぇよ。有名人だしな、冷夏」


「有名人ってどういう意味!?」


「さぁなー」


「ちょっと!?」


 容姿も整ってて勉強もできる文武両道な冷夏。


 男子の中ではすげぇモテてな。だから女子が好きなアイツは絶対に知ってるし、絶対に喜ぶ。


 気持ち悪いと思うけど我慢してくれよな。


「ねぇ」


「何だ?」


「私達が入った地下水路への入口ってさ、アルファが入ってこないように物で塞いだんじゃなかったっけ?」


「……あ」


 これこそ完全に忘れていた。


 もしかしたら入口の前にまだアルファがいるもしれない。


「まずい。他の入口を探すしかねぇな」


 俺は近場の地下水路への入口を検索した。


「どう?」


「まず検索に引っかからないな。残念だけど」


「そんな……」


「俺、入口探してくるよ」


「え?」


「五キロぐらい歩いたら必ずあるはずだ。見つけて帰ってくるので早くて二時間だな」


「……」


「こっちには生見さんもいるし大丈夫だって。あったら電話してこっちに歩いてきてもらうようにするでどうだ?」


「それならいいよ。入口見つけても外に出るのは日が沈んでからね!」


「分かった。よし」


 俺はリュックの中身を少し置いた。


「これで過ごしてくれ。足りないと思うけど俺には多いからな」


「ありがと」


 俺はリュックを背負い直した。


「水谷くんどこか行くのか?」


「あぁ。別の入口を探してくる。生見さん、春と冷夏のこと頼んだ」


「任せて」


「お兄ちゃん?」


「ゆっくりしてろよ」


 俺は春の頭を一回撫で、入口を探すために歩いた。

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