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94話 この後の予定

「……とまぁ知識を元に理屈を捏ねるとこうなりますかね。万が一の可能性まで考え出したらキリがない事は承知の上ですがしかしこの理屈が全て、という訳ではありません」

「いえ、個人って気にはすごく参考になりましたよ」

 ちらりと管理室内にある窓から外の様子を見た。気づかなかったが結構な時間が経過しているようで随分と長く話していたのだなと気付かされる。時計が無いから具体的な時間は分からないけれどもしかし空の様子だけで一目瞭然だ。

 本当はセルモクラシアについて色々と話を聞くつもりでいたがマザーホエールだけで此処まで時間を取られることになるとは……。しかし女神の言っていたヘスティアーの仕業というソレがより可能性として高くなったと考えるならば益はあっただろう。それこそ今現在、自然な形で南側の話が浮上している事を考えるならばセルモクラシアの話にも誘導がし易いだろう。元々その為にこうして話を始めた部分もあるのだし。


「南側……というとセルモクラシアが怪しいという事ですか?」

「今のは推論に過ぎませんが、その続きを言うのであれば南側にある町が怪しいという事にはなります。ですからセルモクラシアもその内の一つという事にはなりますかね」

 あくまでサラシアは国などを断定することはしなかった。同時にヴローシィの国の中ではないという明言もしていない。

 自らの発言によって俺の思考が左右されることを危惧しているのだろうか。


「それに私の推論には動機が欠けていますから理屈としては本来不適当と言わざるを得ません。マザーホエールの件を起こした張本人が何処の誰であれ港町を狙った行為というのは理解しかねます」

 動機という事であれば女神たちの領土拡大という思考が水面下で働いているのだけれども女神の存在自体一部の者しか知り得ない事らしいし、その上で領土云々の話なんて女神たち自身も口にはしない事だそうだから、流石に動機を知っていないというのは至極当然と言える。けれども彼ならば推論一つで動機付けも成否は兎も角導けても可笑しくないと思うんだけどな。

 港町ならばやはりイドロヴィアの人々である。となれば彼等に対して好意的でない人間は意外と見つかりそうなものだが。


「ガレオス達イドロヴィアを良く思わない人間であれば容易に見つかるでしょうが、彼らに対する行為としては規模が極端すぎます」

 よく考えたらそうか。ガレオス達を良く思わないとしても港町全て破壊しかねない事をするのは十二分というか……やりすぎだもんな……。だからこそこんな規模の行いをする輩の動機が分からないって事か。

「それなら、セルモクラシアについては何か知りませんか?」

「セルモクラシアですか? 一応ある程度の知識は有しておりますが……流石にまだ南の国である、と断定は出来ていませんよ?」

 俺の問いかけに冷静に答えるサラシア。

「いえ……動機が分からないというのであれば現地調査をと考えたのですけど……」

 苦しい切り口ではあるけれど、変に俺の素性というかを怪しまれるよりかは良いか。


「現地調査……ですか。確かに一つの手としては有用かも知れませんが、サクヤさんが行う事ではありませんでしょう? それこそ、我々ギルド側の人間が行って然るべきものです」

「いえ……あくまで個人的に気になる部分はありますから……。それに何時かはヴローシィ以外の国にも訪れるつもりでいましたし……」

「ふむ。そういう事でしたら私程度の知識でよければお教えいたしますよ」

 どうにか、長い道のりこそ辿ったが軌道修正を経てセルモクラシアの話を聞くことが出来そうだな。

 サラシアは手に持っていた地図を元の場所に戻しながら此方に振り返って言う。


「しかし……今からですと結構な時間が掛かりますが、サクヤさんの方は大丈夫なのですか? 明日の昼にでも時間を改めて頂いて貰っても構いませんが……」

 そうだった、先程窓から空の様子を見た限りじゃ夕方とかそのくらいだったっけか。サラシアは何事に関しても詳しく話してくれるのでより一層時間が掛かりそうな気がする。今からだと本当に夜遅くなっても可笑しくない。幸いというのか今の所時間に関しては余裕があるので日を改めた方が良いかな。それに港町のギルドの方でモンスターの解体を頼んだから明日の朝に取りに行きたいし。何よりロイに会うつもりだったのだけれども今のところまだ会っていないという気掛かりみたいなものもある。


「そんなに時間がかかるものなのです……か?」

 一応聞いた。

「そうですね、程度にもよりますが長く話そうと思えば日単位で可能ですよ」

 その発言をさも当たり前のような表情で宣うので冗談でも何でもないと理解できてしまう。多分短く話して貰っても知らず知らずのうちに長くなっていそうだし……お暇するのが正しいか。

「日単位……という事でしたら日を改めた方が賢明に思えてきました……サラシアさんは何時頃なら大丈夫、とかあるんですか?」

「言っていただければその時間に合わせて仕事の調整は幾らでも可能ですよ」

 流石、仕事人間。ガレオスみたく誰かに殆どやってもらっているって訳ではなくて自分でこなしているのにここまで自由がきくのがちょっと怖いまである。


 一先ず今日はこの辺りでギルドを後にさせて頂いた。ロイの店に挨拶しにいくとするかな。

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