表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/300

87話 狩りをしても一人

 その後は狩りをした。釣りか狩りかで悩んだのだけれども森に一度入ってから殆ど何もせずに出ていってしまったから、折角だしってことで森である。何がいるのかすらロクに知らない状態だったが何とかなるものだな。

 魚がよく獲れるというかメインの港町という事でレアリティ的な面で買取価格は不安だが……。狩ったモンスターとしては何処にでもいるなぁという印象を受けてしまいそうになる猪系統とか熊とかが獲得出来た。多分前狩っていた奴とは違う種族だろうな何となく色味とかが違うし。祝杯とやらが何時まで続いているのかは分からないけれども、流石にすぐさまギルドに行くっていうのは何か忍びないというか後ろめたい何とも言えない感覚があるからな。取り敢えず空が暗くなる前には戻りたいがもう少しくらいは狩りするか。

 森ってことで日差しの方向に関してはちょっと鈍くはなるが、それでも日差し自体が入ってくるから夜になるかどうかくらいは判断出来るだろう。


 森だと人が異様に少ないから伸び伸びと出来て有難い限りだな。

 魔法に関しては木々の問題もあるからある程度抑えながら……っていう風にはなるけど。

 けれども多少ミスしても何とかなるから気分的には楽だ。


「よしよし右だな」

 サーチの魔法で見える光は右側。俺の場合は近づいてそのままタイマン戦闘に持ち込んだ方が楽だという事が判明したのでフィレナがやってみせたような遠隔からスナイプなんて真似はしていない。というかやっても出来ないという事実を今までの狩りで何となく理解した。魔力がどれだけあってもコントロールが出来なくては意味がないという事だ。どれだけ切れ味の鋭い刀を持っていようとも切りつける技術が無ければ鈍と同義であるように。


「刀……か」

 唐突に呟いた。特に深い意味を持った言葉ではないのだけれども男子たるものというべきかそういったモノにも憧れた時期というものは存在する。この世界に刃の概念自体は存在するがしかし剣しか存在しない。けれども逆に剣が存在するなら刀も制作する事は可能そうだよなぁ……。

 ま、刀鍛冶の知り合いもいないしこんなことを呟いたところで刀が空から降ってくる訳でもないしな。今までもそうだったが魔法でもって実際の武器を作るのは法律とかは無かったとしても個人的にはしたくない。魔法の世界とは言え魔法で何でもかんでも作ってしまっては製作技術をもった人々が泣くというものだ。


「いや今はそんな事考えてる場合じゃないよな」

 取り敢えず右に向かってダッシュする。モンスターが何かは分からないが俺が真っ直ぐ進んでいるつもりでも適当なタイミングで左右に光りがぶれるから動物系モンスターか。近づいても別段光のサイズに変化がないのが困ったところである。お陰で途中からは勘で距離感を測らなければならない。


「この辺かな……?」

 一度止まって耳をすます。足音が僅かに聞こえる気がした。それが前方からであることを確認してから今一度、今度はゆっくりとした足取りで一歩ずつ進んでいく。光の動きは未だに停止しない。

「!」

 ちらっと何かが見えた。すぐさま身を屈めて草木の隙間から何がいるのかを確認する。あれは……熊かな? サイズとしては先程狩ったものと比べると一回り小さいがしかし先程のものとは色味が違うのでそもそもあれが通常サイズの別種かな。知らない種の場合にダメージ計算を見誤ると一気に不利になりうるので基本的にはワンパンで片をつけるようにしている。ってことで取り敢えず一撃で出来る限り沈めてしまおう。

「アクアボール!」

 水の玉を右手に作ってそれを熊の全身が見えた途端に顔面目掛けて投げつけた。顔面ならまぁいいかなってくらいの感覚による攻撃である。水の玉は頭部にクリーンヒットして頭全てを覆う程度の爆風が起こる。

「……うん」

 爆風が止むとそこには件の熊が頭部が消し飛んだ状態で横たわっていた。

「何だかな……」

 これが個人的には効率的だということ自体は理解しているのだけれどもしかしグロテスクだし可哀想に思えてしまうんだよな。あの斬撃魔法が使えたら何より何だけれどもあの魔法、やっぱり制御が難しいのだ。アクアボールとかは深い事考えなくても済むんだけどな。なんなら慣れの影響か分からないが多分ワープする奴の方が楽だ。小さめのモンスターなら気絶させて……とかそういった手段をとれるが熊相手だとどうしても必要以上に身構えてしまう。


「ごめんなさいっ」

 死体状態の熊に対して言葉を投げかけてから頭の消えた熊をしまい込んでいく。この状況でも特に吐いたりしない辺りに女神の魔法の恩恵を感じる。

 しまってからもう一度狩りに出た。まだ時間があるからこうして狩りを続けているわけだけれどももう少し何か出来たら良いんだけどなぁとか考えてしまう。こう……このあまりある時間というものをもっと有意義に使いたいのだが、生憎として元の世界での趣味がここで出来るかと言われたらまぁノーである。生憎としてゲームとかその辺の趣味しかなかったし。


「あ……そうだな」

 マザーホエールが討伐されたことで多分だけれど魚の状況も改善されるはずだろう。つまりは小さい魚がまた獲れるようになる……だろうから、多分だけれど釣りが出来るようになるんじゃないか? 別段元の世界での趣味ってわけじゃあないんだけれども、折角この街にいるんだし一度くらいはちゃんと経験しておきたい。

「一度町に戻っても良いかもな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ