表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/300

54話 結界魔法

 女神との念話が途絶えた。別段女神を疑うつもりも無かったしサラシアからも日数等は聞いていた。けれども何というか目的地が全く見える気がしないし地図が頭に入っているからといってナビゲートシステムみたく具体的に道のりのどのあたりか、を把握できている訳ではなくて、何というか不安になるのだ。まぁ女神に従ってそのまま進む他ないか。


 旅再開である。テティスから教えられた通りに面白いくらいにモンスターに出くわさない。試しにサーチの魔法を発動させてみたのだけれど360度見渡しても光らしいものが映らなかった。

「この魔法の範囲が分からないんだよな……いや……でも」

 森で狩りをしている時の感覚から考えると、この魔法で見れる範囲は結構ある筈だ。それを考えると結界に関しても結構な範囲で効果を発揮しているって事だろうか。まぁモンスターが出ないという事に関しては別段問題ないだろう。お金に関してはそこそこあるし、食料も十分に確保したつもりだから、モンスターを狩って何かをしなくては、みたいな自体にはならないと思うし。


「しかし長いな……街ももう見えないよな」

 後ろを見るが見えるのは草木と道と空、それだけである。女神との念話も切れた今、只管に歩いて目的地に向かう他行う事は何もない状態だ。


 その後冒険者にこそ出くわしたが同じようにすれ違う程度であってまたモンスターに関しても見事に出会わなかった。出会った冒険者に関しても殆ど軽い挨拶程度で終わっている。まぁ男ばかりだとは思っていたけれど、女性のみで構成されたパーティーというのも見かけて、ちょっと面白いなとは思った。


 辺りが暗くなって夜を告げる。草木が風で揺れる音とそれから目の前で灯る火の音しか聞こえない。

「さてと……夜ご飯は……」

 収納の魔法でしまってある物を取り出す。基本的には小麦メインの料理が多いらしくて持ち運びとか日持ちとかってなるとパンが主流のようだ。今日の夜もパンである。水が無限に飲めるからまぁ喉の渇きに関してはそこまで問題は無いかな。

 まぁちょっと固いし味も薄めのパンではあるから、飽きという所では問題が起こっているが……。

 それこそモンスターを解体して肉にして……とかできたら話が変わったかもしれないが、技術もなければモンスターの影もない。それでもって長旅となると困ったことに風呂という物が無いので、何というか不安になるな。いやまぁこっちの世界に来てから毎日風呂に入っていたわけではないんだけれども。今まで面倒だと思っていたことが、出来ないとなると旧に懐かしくなったり、逆に体感したくなったりするから不思議でしょうがないな。


「そう言えば結界を張れるんだっけかな」

 そもそも結界って創作の世界だったらよく聞くワードではあるけれど具体的にどういった物なんだろうか……。やっぱりイメージとしてはシールドみたいなものでいいんだよな?


「結界かぁ……うーん」

 手の平に力を集中させてみる。結界としてあまり具体的なイメージが無いけれども一先ずはシールドとして考えてみた。自分を中心にまるで天球のような形のものを思い描いて、イメージが固まったら手に集中させた魔力を手を開くことによって辺りに分散させる。これがそのまま結界になるイメージである。


「シールド、オープン!!」


 叫ぶや否や、ぶわっと自らの右手を中心に風が吹いたかのような感覚に襲われる。辺りの草原や木々が僅かに揺れて同時に空気が微かに光ったように見えた。夜という事もあってその微かだった光がくっきりと見えた。

「……?」

 けれどもその一瞬の出来事のあとは俺自身にさしたる変化が見られない気がする。もっとこう視認できるバリアみたいな壁が見えるのかな、とか夜だから光ったりして目立つのかな、とか考えていたのだけれども何もない。何もないがゆえに本当に成功したのかもよく分からない。手を目いっぱい広げてみるが特に何か空気の壁にあたるみたいな感覚も無いし当然音だって無い。少なくともアニメやらマンガやらで見た結界とかそういった類のものはまぁ当たり前といえばそうかもしれないが光ってたりあとは具体的にバリアっぽい書き方をされていたんだよな。いやまぁフィクションと現実とを一緒くたにするなと言われたらそれまでであるが……。


「失敗なのか……?」

 頭の中で思い描いたイメージが宜しくなかったのだろうか? 少なくとも女神自身は行使が可能らしくまたただの人間であっても僅かに結界の魔法が使える者は存在しているという話の筈だから、俺がその魔法を使えないという可能性は多分ないはずだ。その可能性が事実だとしたら多分女神の魔法に欠陥があったと言う他無いか。

 試したはいいものの、元々この辺りはモンスターが出にくいらしいし本当に貼れているのかにしても効果がちゃんと存在するのかにしても確認が出来ないな。


 しかしながらよく考えてみるとここいら一帯に存在するらしい結界、というのも今の所視認出来ていない。つまりは結界というものはこの世界では視認が出来ない魔法という推測が出来る。適当に魔法を発動……したつもりのアレから少しだけ移動をしてみたが特に何か引っかかってる感覚はないので、結界という概念に関してはモンスターを寄せ付けなものではあるがこう、物理的に視認できないシールドを展開しているみたいなごり押し紛いの魔法ではないらしい。

「まぁ……俺の魔法関係なしに襲われないし今の所はこれでいい……かな」

 考える事を放棄して俺は寝た。今日という日その時点で終えたのだ。さて今は道のりのどの辺りだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ