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45話 書類確認

 ギルドを出てから昼飯を終える。またも外食である。というか元の世界で一人暮らししてたわけでもなく普通に自炊の習慣とか無いに等しいので致し方ない。そもそも冒険者であるから料理道具を持ち運んで冒険すると考えると流石に無理があるだろう。

 午後からはこれからの冒険に向けての準備をすることにした。狩りをしても良かったけれど明日またお金は入るし昨日一応夜にも鑑定してお金入っていたのでまぁ今日の所は大丈夫だろう。

 麻袋を一度取り出して袋の紐を軽く緩めて中身を少し覗いて確認する。重さも相当あると思うが何枚あるのか数えるのが面倒だったのでそれだけで終わった。まぁ何万単位である筈だ。しかし何万というお金が既に手にしているとなるとそれは喜ばしい事この上ないが100ケルマ分の硬貨だけを所持していると嵩張って敵わないな。もっとお札の概念とかあってほしいものだけど、紙に関しては発展中のようだから仕方ないか。

 そういう訳でお金の確認になっているのか分からない行為だけ終えて店を探そうか、と思った所で俺は立ち止まる。


「あ、そうか……」

 昼飯終えた後位にギルドに来てくれと伝えられていたことを思い出した。特に買取したいものがないので表からでいいか、とギルドに入って普通の受付からサラシアさんの事を話した。すると「案内の方を頼まれていますので此方に……」と受付の方に言われたのでそのまま後ろをついていった。再び管理室に辿りつくと受付の人がトントン、と扉をノックする。

「サクヤ様を連れてきました」

「有難うございます。お入りください」

 そう言って招かれたので俺は立ち入った。受付の人に関しては案内までが仕事のようであったので管理室内には入らず、そのまま戻ったようだ。

「お手数をおかけして申し訳ございませんね」

 そういうサラシアの左手には紙が見える。見事にあの書き連ねていた三ページ程に及んでいたソレが一枚に丁寧に纏められているようだ。


「それでは早速ですが、ご確認の程を」

 紙を受け取って目を通した。ざっくりと言うと日付と共に草原での件について、と綴られており、一冒険者の不注意であることと、本人、即ち俺が草原には極力立ち入らないとしている旨等が書かれている。見事に俺の名前は記されておらず一冒険者という肩書におさまっていた。これなら流石に大丈夫だろう、と紙をサラシアに返す。

「これなら大丈夫かなと思います」

「そうですか、それは何よりで」

 しかし一時間と経った記憶がないのにこうも丁寧に書き上げられているってこの人相当速筆だよな……。

「それでは頃合いを見て貼り出しておきますので」

「え、すぐじゃなくていいんですか?」

「すぐでも構いませんが……サクヤさんが連れていかれた直後に張り出すと、貴方が目立ちますよ」

「あ……なるほど」

 考えてくれていたらしい。

「そう言う訳です。何か、ご質問など無ければすぐに退室頂いても構いませんが……あ、そうそう」

 サラシアは何か思い出したかのように話を続けて俺に問いかけて来る。

「サクヤさんは草原横の森の方で狩りをなさっているのですよね?」

「え……はい」

 何なんだろう、何かまた問題でもあったんだろうか。いやでもフィレナとも一緒に狩りをしたし……そう思っていると何やらサラシアは口元だけを軽く緩ませて

「いやぁサクヤさんのお陰で中々入らないモンスター何かが売りに出せているのですよ。それのお礼が言いたくてですね」

「なる……ほど」

 特に何も裏は無いとみて良いだろう……流石に。

「もしもまた珍しい物が入ったら此方で解体させてください。珍しければ費用の方も少し安くしておきますから」

「え、本当ですか?」

「ええ、勿論。私どもとしましてもこうして珍しいものを売りに出せるだけでギルドとしての評価は高くなりますからね。取り分けここの地域はやはり草原での狩りが殆どですから……あまり」

 森以外と草原以外に今の所狩りに出かけた事がないだけで、俺が知らない狩場というのが幾つか存在しているのかと思ったけれど、意外とそうでもないのか、と思ったのだが、ただただ単純に草原に冒険者が集まり過ぎている所もあるらしい。勿論、他の狩場も存在こそしてるがそこまで人気が無かったり、そもそも別のギルドの解体所の方が近かったり、という事が起きているのだとか。なので俺のように変な所で狩りをする人間がいないと同じものしか供給できないということになるそうだ。


「近いうちに街を出るつもりではありますけどその為に今資金貯めてるんで……森で狩りは続ける……かなとは」

「そうなのですね、旅でもなさるのですか?」

「まぁそんな所……ですかね」

 そう言うと興味を持ったのだろうか、サラシアから何処に向かうのかを尋ねられた。名前はよく知らないから南の方の港と答えておいた。


「ああ、成程……港町ですか。あそこにもギルドはありますから、何度か仕事で訪れたことならばありますね」

 仕事で、か。ギルドの管理者というのはやはり面倒そうだな。けれども一度訪れた事があるならば色々と聞いてみたいけれど……流石に忙しいか。せめて移動距離というか歩いてどれくらいかは聞いておきたいな。


「あの……」

「どうかしましたか?」

「いえ、港町ってここからどれくらいかかるのかな……と」

「そうですねぇ……港町の地区に入るだけであれば、歩いて四日か五日か、といったところでしょうか」

「やっぱりその位は距離かかるんですね」

 別段舐めていたとかではないけど、サラシアの言葉的に、港町の中心部となると更に一日二日はかかると考えて良いのだろう。結構な距離になるよな。俺の言葉に対して「まぁそれが旅ではないですか」と至極真っ当な返しを貰った。けれども港町レベルで五日かかるってなると、サラシアさんも訪れたんだよな。そうなると片道五日なら往復で十日は確実にギルドを開けてることになるのか?


「しかし港町でその位となると仕事に支障が出たりしないんですか?」

「ああ、我々管理者が仕事として遠出をする場合は特例として転移の魔法を使いますから」

 ん?

 サラシアの言葉に少し引っ掛かった。


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