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44話 ギルドの管理者

昨日投稿しなかったので早速伏線回収しましたね。まぁ理由は忘れてただけですが。

 またも森に出かけた。草原に行っても良いのだけれど、やはりグリーンボアに関してのあのやらかしが未だに脳裏に焼き付いている。まぁ昨日のことだから別段おかしくない、といえばそうかもしれない。それもあって、またお金をより効率的にためるという為にも森というチョイス。

 特に稼ぐ金額に関しては深く考えて無かったが気力が尽きたら、というとてもざっくりとした制限にしておいた。今現在、時刻は分からないけれど九時前後あたりとみて良いだろう。昼前には一度狩りを終えて買取に出したい所である。ついでに昨日の夜、感情ぐちゃぐちゃの状態で訪れた時に最期何か言われた気がするからそれに関しても聞いておけたらいいな。


 そうして狩りを開始して体感で二時間前後が経っただろうか。昨日一昨日に捕まえた記憶のあるモンスターばかりであった。距離的には大分離れた位置に出現したこともあって数こそそこまで多くは無い。ただまぁこの森のモンスターの売値がそこそこ良い事を加味すればマシだろうか。

 昨日出会ったよく分からないファントムツリーとかいうのに関しては2~3体程捉えたけど。それ以外ではあの細い蛇と熊が一体ずつ程度である。売値は正直覚えていないがまぁ昼までに稼ぐことを考えたらこの位で良しとしようか。


 ギルドを訪ねた。相も変わらず裏口である。何も考えずに裏口の受付に行き、そこにいたおっさんに買取の話をつけていると俺に気づいたのか真っ先にフィレナがやってきた。

「あれ?」

「サクヤ、ちょっと来て」

「え……ん?」

「買取についてちょっとね」

 そんなこと言いながら俺の腕をひっぱると狩りをするとは言えちょっと想像つかない力でもって半ば強制的に、此方の事情お構いなしに連行された。連れていかれた先はギルド内部の一室であった。入る直前に扉に書かれていた文字としては「管理室」というものであったのだが、どういう事か想像がついていない。管理者の部屋……という事で良いのだろうか。

「ご苦労様です、フィレナ」

 中に入ると何というか立派そうな服を着たギルドという概念とは遠い存在の様な、そんな見目をした男性の姿があった。丁寧な口調でフィレナにそういうと今度は此方に話しかけて来る。


「君がサクヤさんですか」

 物腰柔らかな印象を受け付けつつ手の平でもって椅子の方を指し示すと、「一先ず座ってくれ」と言ってきた。彼の言葉に従ってそのまま椅子に腰かける。どうにもフィレナも呼ばれていたらしくそのまま管理室と書いてあったこの部屋にとどまった。

「それでは一先ず自己紹介をさせて頂きましょうか。私はサラシア。このギルドの管理者を任されている者です」

「管理……者?」

「おや、御存じありませんか?」

 そう言うとサラシアと名乗った青年とすら思える見目をした男はペラペラと語りだす。管理者というのは分かりやすく言えばギルドマスターのようなものらしく文字通りギルドの管理者として冒険者からの相談やらあとは必要書類に関しての管理、その他ギルド内で働いている人々の状態などを管理するという、そういった役職の人らしい。基本的には知識さえあれば良い職らしく冒険者然とした見目をしていないのはその為のようだ。文字通りというか管理職という肩書には似つかわしい見た目と立ち振る舞いをしている。


「成程……ええとそれで呼び出された理由って」

「おおっとそうでしたね。いえ、昨日の昼頃からちょっとした報告が幾つかありましたから」

「報告……あっ」

 言われて気付く。昨日、草原でしてしまった失態である。その後フィレナに出会って色々と助けて貰ったりした。その時にそう言えばフィレナからこうして報告されるだろう、みたいなことは言われた記憶があるな。

「ええ、貴方が行った、とそこのフィレナから聞き及びまして。まぁ大凡の事情などは彼女から聞きましたが、一応サクヤさんにもお話を聞いて報告書を纏めなくてはいけませんから」

「ええと……一応あれは悪気があったわけじゃないんですけど。それに草原はしばらく行くつもりはないので……」

「貴方のその立ち振る舞いからしてそうだとは思います……が、ちゃんと説明がないと他の冒険者たちが納得してくれないのですよ」

「そういう物なんですか……」

 冒険者ってもっとこうワイルドというか……怖いもの知らずの集団だと思ったんだけど。ああ、いやでもあの草原は初心者用何だったか。それを考えると怖がったりするものかもしれないけど……。いや、しかしながらそうであるならば、説明を求める集団であるならばもしかして問題ではないか? 基本的に女神が怪しまれないように自然な形で力を示していく必要があるわけだが、もしかしてここで名前付きで公表とかされたら一気に知られてしまうのではないか?


「あの……それってこう、公表とかされるんです……か?」

「……公表と言いますか、ギルドの掲示板に報告書として一枚に纏めて貼り出す形になりますが」

「えっ……」

「何か?」

「いや、あの……出来れば素性は隠したい……かなと」

 俺のお願いを理解するとサラシアは途端にふぅ、とため息をついた。反応からして無理という事なのだろうか。

「念のため言っておきますが、これは別段社会的制裁でも何でもありませんから、名前の公表等は基本的にしておりませんよ」

「そ、そうなんですね」

「ああ、とは言え公開しない書類の方には明記させて頂きますが」

 小さな声で「悪意があったなら別ですけど」とさらっとぶちまけていた。しかも少しばかり低めの声である。

 サラシアは部屋にある机の引き出しからなにやら紙を取り出すとペンでもって何かを書き記している。

 それから色々と俺に対して質問何かを繰り返して、時々頷きながら只管書き連ねていた。端的に言えばそれこそ名前の確認もそうだし、それから事の経緯なんかも聞かれた。神様から魔法のバフを賜った事は流石に言えないが自分の魔力量がとんでもないことに関しては隠しようもないので素直に認めて、ただのミスであることは力強く弁明させてもらった。度々斜め後ろ程で座っているフィレナにも俺の事について聞いていた。

 最終的にその紙は3枚ほどまで書いていたらしい。此方から見た限りでは文字が大きい訳でも紙が小さいわけでもないのにそれくらい書くことがあったというのか。サラシアに対して色々と語りこそしたがそれでもそこまでの量にしたつもりもないのだけれど。


「ふむふむ、概ね把握は出来ました。改めて一枚に纏め終わりましたら再度確認していただきたいので……そうですね、一時間もかかりませんね、この量ならなのでお昼でも食べてからまた来てください」

 そういって解放された。部屋を出る時に取り敢えずとして「失礼します」と告げながら軽く頭を下げて、それから部屋の扉をしめさせてもらった。一緒に部屋を出たフィレナ真っ先に此方に対して話しかけて来る。

「ごめんね、唐突で。昨日の時点で一応サラシアさんに話自体はしたけど、それだけじゃ納得してくれなくてね」

「まぁ特に俺の名前が知られ無さそうならいいんですけど……」

「そう言えば、サクヤってさっき買取に来てたんだっけ?」

「え、ああ」

 そう言えばそうだったな。完全にお願いするよりも先にフィレナが現れて強制連行されたので忘れかけていたけれど……。取り出す前であったので今も尚よく分からない魔法空間でもって仕舞いこんである。

「まぁお詫びにはならないけど私が解体しとくよ。費用も少し引いとくから」

 その提案は断る理由もないので一度ギルドの受付に戻ってから、狩ってきたものを取り出して彼女に託した。買取受付用の紙だけ貰って俺はギルドを出た。今日に関してはまだお金に余裕があるので明日までに出来ていればいいという事で有料の優先買取は断った。


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