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23話 猪のモンスター

 心なしか黄ばんでいるように見えたがまぁ別に読むことに関して言えば大した問題ではない程度だ。

「……んーとまずはそうだなぁ……」

 とは言えざっくばらんに図鑑を眺めていては時間を只管浪費して終わりそうだな、と思って少し絞って読むことにした。最初の方に目次のページがあってそこでおおまかにどんなのがいるのかを見ていた。

「あ……ボアか」

 ボア、というとやはり昨日狩ったあのヒュージボアとか呼ばれていた巨大な猪の印象が強い。裏口にいた人やら受付のお姉さんらの話では少なくともヒュージボアは本来ならばそれなりに高くつくらしいから猪はいいかもしれない。


「ふむふむ……」


 少なくともこの世界だと猪はメジャーな生物らしい。という事は繁殖力が高いという事か、と思って読んでみているのだけれど、しかし適当にパラパラと読んでいる限りでは子供の時期に関して書かれているように見えない。

「発生……?」

 じっくり読んでみるとどうにもこの世界のモンスターの繁殖は唐突な発生によるものらしい。どんだけ狩りをしても土地条件さえ満たしていれば、時間経過で勝手に発生するということらしい。冒険者の規模とやらが分からないけれどしかしこの街で見かけただけでも結構な数に感じるのでそれを加味して考えるならどんどん生まれてこないと仕事として成り立たないのか。

 数匹見た感じの共通点としてはやはりというべきか空間の存在が大事らしい。簡単に言うとそのモンスターが入り切る隙間のようなものだ。それは大前提としてあとは草木だったり空気の状態だったりが条件として考えられているらしい。しかしそうなると自分の隣に突然モンスターが現れる可能性も十二分にありえるのか、恐怖でしかないな

「ヒュージボアってあれ結構希少種なのか」

 そう言えば買取に出した時も反応良かったもんなぁ……。発生条件が広大な土地に自然、特に木々らしい。特徴として木々に向かって突進しがちらしい。なんだそれ。


 昨日のヒュージボアがもう一度現れてくれたのであればまぁまだ良いのだけれど、この図鑑の記述的に早々見かけるものではないらしいし。他のレアっぽいモンスターも幾つか雑に読んだ感じでは同じようだ。

 端的に言えば出現率が低いモンスター程効果である、とそういうことだ。幸いにも女神から授かった魔法によって強かろうがあまり問題は無いと思うのだけれどしかし見つからなければそもそも意味がない。一発高いものを捕えてそれで暫く生活出来たのであれば何よりだけれどしかしそんなギャンブルみたいなことをする性分ではない。というかするにしても異世界に訪れてから日が浅すぎる。

「よく見かける奴ってなると……グリーンボアってのがあるのか」

 書かれている事としては緑色で草原におり、草が生い茂っている所で隠れているという。色味がよく似ているので遠目からだと確認しづらいが大した戦闘力がないことと足音などで相当に油断でもしていなければ大丈夫だという。何より草がある場所から滅多に離れる事がないため、大きい石の上やら土の上やらにいるだけでほぼほぼ襲われないという。

「これ、サーチ使えば楽に見つかるんじゃないか……?」

 サイズが小さい事もあってあまり高値では売れないらしいのだけれども狩りやすさとコスパの良さで初心者冒険者にとってはおすすめらしい。

「草木のある平原なら現れやすい……ねぇ」

 となるとあれか、昨日狩りをした森の横、人の道をそのまま進んでいった所に確か草原らしい場所があった気がする。とは言え遠目から見ただけであるから何とも言えないが。


 適当にぱらぱらと捲っていくだけでも色々と知れる気がした。それこそ目次の時点でモンスターの数に驚かされた。どうにもこの世界のモンスターとやらは大きく3つに分けられるらしく、俺が昨日であったマンイーター等の植物種、それにヒュージボアのような動物種、それに加えて人に近しい見目をした相似人種という3つがあるのだとか。男子の期待としては人種のモンスターとなれば探すほかないだろうとサキュバスみたいな、所謂淫魔の名前を探したのだけれど、少なくともこの図鑑には記載がなかった。相似人種として名前があったのは、巨人、小人、ゴーストウィッチとか。名前の時点で何となく確かに人だな、と思える名前が多かった。じっくりと読んではいないから正誤判断としてはしきれていないのだけれど基本的には人の見た目をしているだけで人間と意思疎通ができたりはしないようだ。まぁ意思疎通が出来たとて狩られる運命なのだとしたら別に関係は無いのか。


 今が何時なのかは分からないけれど、しかし結構経った気がする。生憎としてこの店にはガラス張り等と言う概念は一切なく、扉も全てが木製で、朝に来たのだけれど常に明かりがついていた。それ故に特にこの店では時間が分かりづらい。更に言えばこの店に時計も存在していないから完全に体内時計での判断にはなる。

「うーんまぁそろそろ……今度は草原に行ってみるかなぁ……」


 おばあさんに一言だけお礼の様なものを告げて店を後にした。本当はじっくり読んでいられたら良かったのだけれど、まぁ生活のこともあるし、仕方ない。そう割り切って草原がある方向、昨日向かった森の付近まで歩いた。

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