冬晴れに
冬晴れの空には何もない。
少しずつ、広がっているその空に、
暮らしの影などかからない。
昔からある、水彩画のようで。
君の夢や未来は、どう転んでも、
これから始まるのだと伝えたい。
果てしない可能性を考えるだけで、
楽しい空になる。絵になる。
目先の現実が辛くても、
この空の気持ちで話そう。
自分で道を切り開いてゆく、
心の明日へのきっかけにして。
冬晴れの空には何もない。
もしも、空に何かあるのなら、
ママの空の中に愛らしい君がいて、
君の空の中にまだ見ぬ絵があって。
それはつまり、君のママも、
その絵をいっしょに見つけたくて、
ときどき、眠そうな目をこすって、
冬晴れの空に、顔を上げて。