あの時の彼女
キリをよくしようとしたら短くなります
逆に2話繋げようとしたら長すぎます(´・ω・`)
もっと内容を濃くすればいい話ですがなかなか難しいです(--;)
これからは2000字基準を意識して書きたいと思います!
「長瀬佳乃だよ。よろしくね」
長瀬佳乃…いい名前だ。でも、今は頭に入ってこない。
だって彼女は…長瀬は『あの時』の・・・
時は10日ほど遡る。
今日は入学者説明会の日。
合格した人達が入学式前に説明を受けに来る日だ。
その日、俺は朝から具合が悪かった。
前から大事な日の前によく体調を崩していたが、まさかこの日に来るとは…
(今日を休むわけにはいかない…お母さんに体調がバレないように、なんとか登校しなきゃな)
そう決意し、1階のリビングへ向かった。
下ではお母さんが朝食の準備を終えテレビを見ている。
俺はとても食欲がなかった。
なので「時間が無い」と言い訳をし、ラップをして昼ごはんに残しておく。
とりあえずはこれで1つ関門を突破した。
あと残ってる関門は登校のみ。
家を出ればあとは電車なのでお母さんは干渉しない。
俺は悪化しないうちに着替えを済ませ、バッグを持ち、お母さんに勘づかれないように足早に家を出る。
そこからは順調だった。駅までの道も、電車の中も、学校までの道も、何事もなく進むことが出来た。
だが、校門まで来た時、急に体が重くなるのを感じた。
だるい、頭が痛い、目眩がする・・・
さっきまで治まっていた症状がこれまで以上に出てくる。
でもここまで来たら進むしかない。
今は9時。時間がないと嘘をついてきたので開始の10時までかなり余裕がある。
しかもたった一時間半説明を聞くだけ。
なるべくプラスなことを考えて玄関まで歩く。
(よし、なんとか玄関に入れた)
これで全ての関門突破だ!
そう思ったのもつかの間、俺は今日イチの体調不良に襲われる。
立つのも精一杯で、尻をつき廊下に座り込む。
そんな時、少し離れた所から足音が聞こえてきた。
それはこちらに近づき、目の前で止まった。
顔を上げると、そこには1人の女の子が立っている。
「大丈夫?」
彼女は膝をまげ、座っている俺と視線の高さを同じにして話しかけた。
その時に初めて彼女の顔を見る。
可愛い…身長は150あるかないかだろうか。
聖奈が美人系と可愛い系を5対5くらいだとするなら、彼女は可愛さ全振りである。
俺は一瞬だけその可愛さに見惚れ、心配をかけまいと強がって応える。
「ああ、大丈夫。それよりなんでこんな時間にいるんだ?」
「実は時間間違えててね。早く着いちゃった」
ドジっ子というか少し天然だろうか。
だが、そこも見た目通りで可愛い。
「そうか。ところで、保健室どこか知らない?時間まで休んでたいんだけど」
「うん、知ってるよ。ついて行くから一緒行こ。立てる?」
そう言われ、立ってみる。
正直なところ、壁によりかかっているので精一杯だ。
そんな雰囲気に気づいたのか、彼女は頭を俺の脇の下に通し、肩を貸す体勢になる。
「いいよ。移ったら大変だし、なんとか1人で歩くから」
そうは言ったが、『無理でしょ。私は大丈夫』の一点張りでなかなか離れない。
仕方が無いので厚意に甘えることにする。
ただ、緊張がやばい…
胸はないが、それでも女の子と密着するのは俺にはレベルが高すぎる。
ただ、歩き始めたら体調の悪さでそんなこと直ぐに忘れた。
そして、あっという間に保健室に着いた。
「ありがとう。このお礼はいつか必ずするから。君ももうそろそろ戻らないと」
そう言うと、『じゃあ戻るね。また今度!』
といって戻って行った。
その後、俺は38度を超える高熱があったことを知り、すぐにお母さんに迎えに来てもらい、家で安静した。
現在
その時の彼女…長瀬が目の前にいる。
元気な日に見てもやっぱり可愛い。
そんな子からの自己紹介。
普通ならここは自己紹介で返すのが常識だろうが、その前に言うことがあるだろう。
もしあの時の体調不良者が俺だと気づかなくてもいい。
ただ、俺はとても感謝している。
だからこそ伝える言葉
「あの時は、助けてくれて本当にありがとう」
俺ははっきりそう言った。
すると、長瀬はそう言われるのを見透かしていたように
「どういたしまして」
と、そう言った
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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