覚悟を決めるまで
書くネタが無くなりつつあります。
と言うよりもう無くなってます(--;)
というわけで(?)今回もお楽しみください!
「ぷはぁ!風呂も気持ちよかったし最高だなー!」
風呂上がりの1杯を飲みながら俺は幸せを感じる。
俺が飲んでいるのはコーヒー牛乳。普通のコーヒーは飲めないがなぜかこれは飲める。
「いやぁ、ほんとに気持ちいいな。ジェットバスも、露天風呂も、サウナも、電気風呂まであるとはな」
リフレッシュ効果としてはとてもよく、移動の疲れが完全に取れた。
この風呂なら明日のハードな運動の疲れも取れるかもしれない。
「これからどうする?みんなより先に戻るか?」
俺と優斗は1番に風呂に入り1番に出てきた。
「そうだな。戻ろうか」
ここにいても何もすることがないので、他の人には悪いが先に戻ることにした。
「あ!怜ー!」
浴場の入口にいた聖奈に呼び止められる。
「聖奈か。どうした?」
「自由時間にみんなで突撃しに来るから!遊び道具準備して待っててね」
「分かった。待ってるよ」
宿泊施設は玄関から二手に道が別れていて、右が女子、左が男子の通路になっている。
自由時間の間は先生たちは会議を行うので誰一人としてこっちに来ない。
俺と優斗は部屋に戻り、みんなが帰ってくる前にあらかた片付けを済ます。
落ちてるゴミを拾い、散らばっているプリントを並べ終え、布団を綺麗に敷いている時にほかのルームメイトが帰ってきた。
「おっ。片付けてくれてたのか。ありがとな」
翔が律儀に感謝を述べる。
「聖奈たちが来るらしいからな。何で遊ぶか考えてくれないか?」
「聖奈たちが来る」。その言葉に翔以外の7人が盛り上がる。
「遊びか。トランプとかUNOとか人狼でいいよな」
「ああ、それでいいと思う。じゃあ最後の片付けを手伝ってくれ」
みんなのやる気のおかげか、片付けはそこまで時間がかからなかった。
終わってみんなで話をし始めて数分、コンコンとノックする音が聞こえる。
「どうぞー」
翔がそう言うと、聖奈を先頭に8人の女子が入ってくる。その一番後ろには佳乃の姿もある。
「失礼しまーす。へー。意外に綺麗にしてるんだね」
他の女子たちも聖奈の言葉に同意し、頷く。
「片付けたのはさっきだけどな。で、何して遊ぶんだ?」
「んー。それこっちでも考えたんだけどさー。やっぱりまずは枕投げじゃない?」
枕投げか。楽しそうだが、全員無事でいれるかな。
「するのはいいけど、どうやってするんだ?」
「ベッド越しで2チーム組もうよ。男子は寝る場所にいて、それぞれの場所に1人ずつ女子を配置するの」
結果、聖奈の意見が採用され、各場所に男子がついた。
ちなみに真ん中の2人はそれぞれ1段目に入った。
「よし、みんなついたね。それじゃ女子を配置していくよ」
そう言って1人ずつ場所についていく。
「おじゃまします」
俺の横は佳乃になった。この派手なメンバーだと地味に感じるけど、やっぱり美少女なんだよな。
「で、こっちは私」
俺の横のベッド・・・翔の場所に聖奈がついた。
枕は男子分の10個。多分1段目の人はえげつない攻撃を受けるだろう。
その点2段目は安心。正面からだけを注意すればいい。
「よーい、スタート!!」
翔の合図で枕投げがスタートした。
「ぶふぉ!」
開始早々互いの1段目が総攻撃を受ける。
男子が壁になって受け、女子が半分を2段目に渡す。
互いにそれを繰り返し続けて数分、1段目の男子は消耗しきっていた。
「1段目と2段目代わろうか」
翔が気を利かせて提案する。
それが通り、俺と佳乃は下に移動する。
「下かぁ。大丈夫かな」
「大丈夫、大丈夫。絶対に守るから」
その言葉に佳乃が赤面する。
それを見た俺が恥ずかしいセリフを言ったことに気づき、思わず顔を逸らす。
後半戦も同じ展開になる。
が、前半の消耗で上の力がない。
俺は枕を盾にしていたが、それを外し攻撃に参加する。
上と同時に投げることで、相手にダメージがはいる。
目的はパワーダウン。顔や胴体ではなく腕だけを狙う。
見事、相手が降参し、俺は佳乃を守るといるミッションをクリアしつつ勝利を収めた。
ゲームは変わってババ抜き。
大人数なので2つのトランプを混ぜ、ババ1枚の計105枚でスタートした。
既に終盤戦になっているが、それでも1セット分ほど残っている。
まだ時間がかかると思った俺は、少し熱を覚ましに外に出た。
玄関を出たすぐ先の石段に座り、俺は空を見る。
山ということもあり星たちが綺麗に輝いている。
「怜くん」
呼ばれて振り返ると、佳乃がいた。
「佳乃も熱を覚ましに来たのか?」
「まぁ、そんなところ。隣いい?」
俺は静かに頷く。
「楽しいな。宿泊研修」
「うん。こんなに楽しいのも怜くんと出会えたおかげだよ」
「それを言うならこっちこそだよ。あの時助けてくれたから仲良くなれた」
昔を振り返りつつ、少し小っ恥ずかしさを覚える。
「それでも私は感謝してるよ。ありがとう」
しばし無言が続く。
数十秒が経っただろうかという時
「私は、怜くんが好きです。買い物に行った時に意識し始めて、それからどんどん好きになりました」
その口から紡がれるその告白。
佳乃の体は震えていて、とても緊張しているのが分かる。
「よければ、私とつ」
「ちょっと待った!」
絶対に止めてはいけないタイミングで俺は止めた。
女の方から言わせていいのか。俺から言うべきじゃないのか。
そんな感情が邪魔し、佳乃の言葉を遮った。
だから
「それから先は俺から言いたい。覚悟が決まったら必ず言うから待ってて欲しい」
これは佳乃を信頼しての言葉。
相手によってはこれで見放される。
あんなことをしておいて信じれるかは分からないが、それでも佳乃を信じようと思った。
それに対し佳乃は
「分かった。待ってるね」
清々しい笑顔で応えた。
その顔には不満が見られず、逆に満足しているように見受けられる。
「あまり遅いと心配されるから戻ろう。もう終わってると思うから」
佳乃が変わらない笑顔のまま言う。
その笑顔に俺は安心したのと同時に心を痛める。
早く覚悟を決めなければいけない。
だから心に誓う。
明日、告白しよう。と
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