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花の散歩道

なんか…違う。

思い通りに言葉が出てこない…。


って感じになりながら書きました(´・ω・`)


「ふー。腹いっぱい!」


優斗がその場で立ち、背伸びをする。

俺たちも続いて立ち上がり、この場所を後にし、元の広場へ向かう。


「まだこんなに人いるのか。あの場所で食べてよかったな」


広場には先程より多くの人がシートを広げて陣地を取っている。


「みんなお菓子タイム見たいだな!あ、おーい!」


優斗が知り合いを見つけたようで、遠くの団体へ向かって走っていく。

班で自由行動という話だが、ルールはこっちで決めていい。

そこで決めたルールは、ただ一つ【指定の時間に集合する】だ。個人個人自由にしていいから4時に広場集合。

それを絶対条件にし、他は自由になった。

ルールを決めたのが聖奈というのが引っかかるが、なるべく気にしないことをした。


「集合時間までまだ時間あるよね。私も遊んでこようかな!」


聖奈まで他のグループの方へ行ってしまう。

自分も遊びたいがためのルールだったようだ。


「2人とも行っちゃったね。私たちはどうする?」


その言葉で気がつく。佳乃と2人きり。

この間好意を持っていると声に出して言ったことで、余計に意識してしまっている。


(早く気持ちを決めないと。そのために佳乃をもっと知りたい)


そこである提案をする。


「ここと逆の公園に散歩に行かないか?」


「いいよ。でも、あっちの公園って?」


後から聞いたが、佳乃はここに来るのは園児以来だそうで、ほとんど覚えてないらしい。


公園には鯉に餌をやれる池、草スキーを滑れる場所、花に囲まれた散歩道、そして少し小さい芝生広場がある。




「着いた。ここだよ」


到着したのは池の前。池の真ん中を通る橋を渡ると花の散歩道があり、その奥に広場がある。


「綺麗な池…鯉もたくさん」


佳乃は池の美しさに釘付けになっている。

その姿もまた新しく、みんなの前では見せない顔だった。


「あの、もうそろそろ橋渡らない?」


「あっ、ごめん。そうだね。先に進も」


今のは男の対応としてどうなのだろうか…。

相手の邪魔をした点ではマイナスになるかもしれないが、ここで時間を使いすぎてもいけない。




「わぁ…!」


花の散歩道に到着する。

暖かくなってきたこの時期、ここの花は綺麗に咲く。花が種類ごとにまとまっていて、佳乃も言葉を失って見とれている。


「この道、1キロくらい続いてるんだけど、最後まで歩く?」


「歩いてみたい。行こ」


一直線…という訳ではなく、ジグザグな道が1キロ続く。ただ、途中で花が変わるので飽きはしない。




「あのさ、怜くんは付き合ってる人いる?」


散歩道に入ってから無言が続いていた中、いきなり発された爆弾質問に驚く。


「いないよ。というか、まだ人と付き合ったことがない」


動揺を隠し、何とか平常心で答える。


「そうなんだ…。好きな人もいない?」


「いや、いるよ…。それより佳乃はどうなんだ?その見た目と性格だからモテたんだろ?付き合ったりとかは…」


これ以上質問されるとボロが出そうなので逆質問する。


「一応、告白はされたことあるよ」


その顔は暗い。


「付き合わなかったのか?」


「うん。その人、学校で一番人気の男子だったんだけど、なんか違ったんだよね。好きっていう気持ちが全く感じれなかったの。他に目的があるみたいな」


「なるほどな。だけどその判断は正解だと思うぞ」


恐らくそいつの目的は「実績」だ。この美少女と付き合うという実績が欲しいだけ。


「そうかな。でも、怜くんが言うなら信じるよ」


「ありがとう。でも、過信はダメだよ」


「怜くんなら大丈夫。あの優しさは本物だよ」


信じてくれるのは嬉しいが、いつか過信は辞めさせないとな。


俺が悩んでいると、佳乃が立ち止まってバッグを漁っている。

探し物が見つかったようで、嬉しそうに取り出す。


「ここなら人の目ないからつけていいよね!」


取り出されたのは、プレゼントしたネックレスだった。


「持ってきたのか?」


「うん。というかいつも持ってるよ」


会話しながらネックレスをつける佳乃。その顔は笑顔に満ちている。


「そうなのか…。なんか恥ずかしいな」


自分のプレゼントしたものをいつでも持ってくれるというのはとても嬉しいが、恥ずかしさもあった。


「さ、先に進もう。もうすぐゴールだから」


赤くなってにやついていた顔をなんとか直し、一応隠しながら前に立って歩く。




「やっと着いたな…って、3時40分!?」


スマホの時計を見て俺は驚く。

ここまでゆっくりしすぎたため、思った以上に時間を使っていたらしい。

ここからみんなのいる広場まで10分以上かかる。

今から戻らないと間に合わない。


「ごめん!今から戻らないと時間がやばい…」


それを聞いた佳乃は特に焦ったり残念がることなく


「大丈夫。楽しかったし、それに…」


と、笑顔でそう言い



「この先はまた一緒に来た時に見ようね」



と、言葉を続けた。

優しさに満ちた声に天使のような表情。

俺はその表情に見惚れる。


「あとさ、この散歩道をバックに写真撮ろう」


佳乃の声で我に返る。


「いいよ。俺のスマホで撮って後で送るね」


俺はスマホのカメラを開き、インカメにする。

が、手の長さの問題で、密着しないと2人とも入れない状況になった。


「ごめん、もう少しこっちに寄って」


「う、うん」


佳乃が恥ずかしそうな顔をする。

俺も同じくらい恥ずかしいが、ここは男を見せる時。

堂々としなければならない。


「撮るよ」


時間をかけていてもアレなので、俺は密着してすぐにシャッターを押す。



「いい写真だな」


撮った写真を2人で見返している時、つい声に出てしまう。


「だね。後ろの花も綺麗に写ってる」




「あっ、集合時間!ほんとに間に合わなくなるよ!」


「そうだな。あっちに戻ろうか」




広場へ向かうまでの道でも、佳乃はさっき撮った写真を眺める。


「前向いとかないと危ないぞ」


「じゃあ、手をつないでて。変なとこに行かないように」


その手はこっちの気持ち関係なく握ってきた。


(柔らかい…。手を握ってるだけなのに心が暖かくなる)


恋人になれば、こんなことをいつもできるのだろうか。




俺は早い鼓動を抑えらないまま、広場まで歩いた。






最後まで読んでいただきありがとうございます!!

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