秘密の場所
・2日に1回投稿
・1日前に予約
今はこれが出来ていて、これが現時点での理想のペースです!
将来的には毎日or週5くらいまで上げたいですが、語彙力のなさでなかなか言葉が見つかりません(´;ω;`)
「ふわぁぁ〜」
部屋に朝日が差し込み、その光で気持ちよく目覚める。
今日は開校記念登山当日。
いつものように朝ごはんを食べ、すでに昨日準備していた道具が入っているパンパンのバッグを取り、念の為中を確認する。
バッグの中にはペンケース、メモ帳、弁当、水筒、体操服、そして中の半分を占めるお菓子や遊び道具が入っている。
今日は授業がないので上2つは使わないが、何かあった時のためといつも持ち歩いている。
ーーー
「おはよー」
教室に入るとなぜかもう来ていた優斗から声がかけられる。
いつもより早めに着いたので今は7時20分。
優斗は普段、遅刻ギリギリか早くても5分前にしか来ない。楽しみが故なのか…
「おはよう。早いな、そんな楽しみだったのか?」
「そりゃそうだろ!実質1日自由だぞ?しかも平日だから人が少ない。本当の自由だ!」
いつもの目じゃない…。生き生きしすぎている。
これは要注意しておかないとな。
「あまりはしゃぎすぎるなよ。俺もボールとか持ってきたからあっちいったら遊ぼうぜ」
ボールやトランプなどの遊び道具だが、バッグに入る分ならOKと言われている。もちろん、無くしたら自己責任で。
今日はみんなの登校時間が早いような気がする。いや、あからさまに早い。
いつもは遅刻ギリギリが3人くらいいるが、20分前に全員来ている。
気持ちはよくわかるが。
ーーー
「よーし!出発するぞー」
開校記念式典が終わり、全員が体操服に着替え終わったところで、黒山先生が並ぶように指示する。
1組から10分おきに出発し、4組校門を出たのは10時半。
山の麓までは10分足らずで行けて、そこから上の広場まで30分以上かかる。
前3クラスが先に着くので、場所を取るのに苦労しそうだ。
麓に到着し、ここからは班ごとにフリーになる。
「よし!先に行くぜ!」
優斗は1人先に走る。
「私も一応ついて行く!2人はゆっくり来ていいからね!」
それに続き聖奈も一緒に登っていく。
その時に佳乃に目配せをしているようだったが、気のせいだろう。
「行っちゃったね」
佳乃は静かにそう呟く。
「だね。先行って場所とってくれるだろうから無理しない程度に急ごうか。佳乃、平気で行けそう?」
「うーん…正直自信ないかな。運動はあまりしないし、体力もないから…」
確かに運動のイメージはない。学校ではいつも本読んでたり聖奈と話したりしてるし、部活もしていない。
「じゃあ俺がバッグ持つよ。力と体力には少し自信があるから」
「いや、さすがに申し訳ないよ。周りの目もあるし…」
「そうだよな。恥ずかしいもんな」
失敗した。やっぱり俺は優しくするのがが下手くそだな…
その約20分後、再びチャンスが訪れる。
7割をすぎた頃、ここからはさらに角度のある坂になっている。木で覆われているため日陰になってはいるが、きついのには変わりない。
ほとんどの生徒が急いで上に向かい、最初に比べて周りの人もまばらになっている。
「ここからまた更にきつくなるから、やっぱ俺がバッグ持つよ」
「え、でも…」
すぐに断りきれないほど佳乃は疲れている。ここは押すのが正解なのか…?
「いいから、少しくらいカッコつけさせてよ」
「じゃ…お願いします」
半ば強引だが、なんとか成功した。
「やっぱり優しいよね。怜くんって」
バッグを持って数分後、唐突に佳乃が呟いた。
「そうか?」
「うん。いつも、みんなに優しい」
「そんなことないさ。うん、ほんとにそんなことない」
俺の「優しさ」はただ押し付けているだけ。相手が求めていないことを与えて自己満足をしているだけ。
本物の「優しさ」なんてものは俺には出来ない。
そこからは、特に会話もなくゴールまで歩いた。
「おそーい!何分かかってんの?」
上に着くと、聖奈と優斗が待ちくたびれ表情でいた。
「2人が早すぎるんだろ。って、場所取ってないのか?」
「あっ、忘れてた…。どうしよ、もうそこら中埋まってる」
聖奈が焦る。それに感化され優斗も同じく焦っている。
だが、これも想定内。俺はある場所を知っている。ただ
「なぁ、1箇所いい所があるんだよ。日陰で景色がいいところなんだけど、そこに行くか?その代わり、周りに人いないから少し寂しいかもしれないけれど」
「仕方がないか…。そこに行こう!」
優斗が決断を下し、俺の案内で穴場へ向かう。
数分後、着いたのは展望台だ。
「ここって展望台だよね?ここで食べるの?」
佳乃が疑問を抱く。
「違うよ。ここに下に行く道があるだろ?その少し進んだところ」
展望台の横には見にくいが下に続く道がある。
そしてその先を進むと、俺たちの住む町と海まで見渡せる場所がある。
「すげぇな。ほんとに景色がいい。町が一望できる…」
その美しい景色に優斗が見とれている。
と思いきや、後ろにいる聖奈と佳乃も無言で見つめている。
「とりあえず飯を食おうよ」
俺の言葉でやっと止まっていた時が流れる。
その場所で食べるご飯は最高だった。
周りに人がいないのに、それを感じないくらい盛り上がった。
いつもと同じ味なのに特別な何かを感じた。
そして、間違いなくこれまでで1番楽しくご飯を食べた。
「この秘密の場所は学校で俺たちしか知らない。だからこそまた来よう!もちろん、この4人で!」
優斗のその言葉に、全員が笑顔で頷いた。
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