佳乃へのお礼
今回は少し長め(と言っても3000字弱)です!
これを機にこれからの作品もこれくらいの字数にできればなと…
更新ペースが大幅に遅れないように少しずつ増やしていきます!
日曜日の日の出前の5時40分。既に俺は起床し、出発の準備に取り掛かっていた。
昨日ちょうどよく疲れていたおかげでぐっすり眠りにつくことができ、気持ちよく目覚めることが出来た。
こんな早い時間に起きたのには理由がある。
土曜日の昼までのでは9時に駅集合だったが、その日の夜に『もう少し早めに行きたい』と言われ、1時間早い8時集合に変わったのだ。
服装は昨日のものとあまり変わらない。俺はオシャレがよく分からないので、母が自分の服を買いに行くついでに俺のものも買ってくる。
その結果同じような見た目の服が多くなり、こういう風になってしまった。
ご飯は軽く食べ、7時半に家を出れるように支度する。
7時50分。俺が駅に着くとほぼ同時に佳乃が到着した。
「おはよう」
「怜くんおはよう。早かったね」
「そっちこそ。それに服かわいいね、似合ってる」
そういった途端、佳乃の顔が紅潮する。
でもその通りだから仕方がない。
おとなしい彼女にあった服装にすっぴんに近いナチュラルメイク。これは誰でも見惚れてしまうだろう。
「とりあえず、切符買って待とうか」
佳乃の顔がやっと元に戻る。
1番時間が近かったのは54分。今は52分なのでそれほど待たずに行けそうだ。
往復切符を買い、歩道橋で向こう側の待機所に向かう。
座ろうとした所で電車が来た。
出発して数分後、1個目の駅に到着する…
(ん、到着?なんでこの駅に着くんだ?)
そう思いスマホで時刻表を確認する。
(しまった。この電車各駅停車だ)
俺達が本当に乗ろうとしていたのは快速だったのだが、時間を早めたせいで間違えてしまった。
各駅停車と快速では到着時間に30分ほどの差がある。
「佳乃。この電車各駅停車みたいなんだ。少し時間かかるから寝てていいぞ」
「わかった。早起きして眠たかったから寝る。体借りるね」
体?と思うと同時、左腕に佳乃の頭が乗る。
そして数分後には夢の世界に行った。
(寝顔も可愛いな。左前にいたのになんで気づかなかったんだろう。それはそうと俺も眠くなってきた。時間あるし少し寝ようかな)
そして俺もすぐに夢の世界へ行く。
1時間後、俺は目覚めた。
電車内には人が増え、座れる場所はあと少しとなっている。
横を見ると、佳乃はまだ眠っている。
「佳乃起きろ。もうすぐ着くぞ」
体を軽く揺するとすぐに起きた。
「ん、おはよう」
「おはよう。て、この挨拶今日2回目だよ」
「そっか。じゃあありがと」
「どうも。ほら、もう着くよ」
電車が停止し、降りて駅の外に出る。
10数分歩くと目的地のショッピングモールが見えた。
ここはかなり大きなショッピングモールで、服屋、靴屋などのファッション系やフードコートはもちろん、ペットショップ、駄菓子屋、スーパー、本屋、ゲーセン、シネマ、美容院など様々な施設がある。
さらに横には野球ドームがあり、プロの試合が行われる。
俺もよく野球観戦や買い物に来ていたので、この施設はほとんど覚えている。
今は10時すぎ。少し店を回ればちょうどよく昼ごはんの時間になるが、12時に来るようなら席は空いていない。
前に来た時も、その前も、11時から3時くらいまでは昼ごはんを食べる客で混み続ける。
しかしここにはフードコートの有名店に隠れた美味しい店が数箇所にある。
ショッピングモールの端の方にあるため、気づかない人が多い。
「軽く買い物をしてから昼ごはんにしようか」
「うん。私の行きたかったとこに行きたいんだけど、いい?」
「もちろんいいよ。じゃあ行こうか」
2時間後
「そろそろ昼にしようか」
12時を回ったところで俺はそう提案する。
「そうだね。お腹すいちゃった。でもどこで食べるの?フードコート空いてなかったよ?」
「大丈夫。端っこの方に数箇所空いてるとこがあるから。外に行くように進めばあるよ」
そして数分歩き、モダンな雰囲気の店に着いた。
「ほらここ」
「ほんとだ…。気づかなかった」
大体の入口には入ってすぐの所に有名店がある。
大抵の人はそっちの道に行くのでもう1つの道に気づかない。
中は外と比べて少し暗い。木の色もダークな感じなのがさらに雰囲気を醸し出している。
「いい店だね。なんか心が落ちつくよ」
佳乃はとても気に入ったらしい。席に着いてすぐリラックスしている。
「そうだね。とりあえず注文するもの決めようか」
オーダー表を取り、開く。1ページ目からパスタ類が多いことからすると、この店の推しはパスタなのだろう。
2人とも決まり、呼び出しボタンを押す。
ファミレスみたいにピンポーンとならず、レジの奥から店員さんがハンディを持って現れた。
その辺もこの店の雰囲気に合っていてとても良い。
「ご注文をお伺いいたします」
「ジンジャーエールを2つと、ナポリタンを1つ、そしてカルボナーラを1つお願いします」
さっき決めた注文を伝えると、もう一度確認してから奥に戻っていった。
そして1分が経つかどうかの時、ジンジャーエールが運ばれてきたのだが、それを見て俺は驚いた。
「これすごいな。こういうことでは普通なのかもしれないけど…」
出されたジンジャーエールには小さめの氷の上にレモンとミントが乗っていて、俺の住む町では見ないようなものだった。
「確かに。とてもおしゃれだね。なんか『都会』って感じ」
佳乃も初めて見たようで、驚き、見惚れている。
そんなことをしているうちに、メインの料理が来た。
「美味しそうだな。早く食べよう」
と、フォークとスプーンをさらに伸ばして食べようとした時、佳乃に止められた。
「せっかくなら写真撮らない?思い出として」
「いいよ。写真OKって書いてあるし、撮ろうか。でもどうやって撮る?」
「そっか、向かいだと入らないもんね。じゃあ怜くんこっちに座ってよ」
そう誘われたのは佳乃の隣。佳乃側は長いソファーになっており、二人席でも複数人が座れる余裕がある。
(ここで断るのは違うよな…)
俺は勇気を出し佳乃の横に座る。
「よし、じゃあ撮るね。はいチーズ」
パシャッ…とはならない。音とフラッシュは禁止されているからだ。
「後でLINEに送っておくよ」
「あぁ、ありがとう。じゃあ次こそは食べようか」
「そうだね。いただきます」
写真を撮った後は楽しく話しながら食事をした。
その時の佳乃の顔や言動は暗めの学校の時と違い、オフの、リアルの彼女だった。
「学校でもこのくらい笑顔でいたらもっとモテるだろうにな…」
俺は聞こえないようにそう呟く。
佳乃へのお礼のこのお出かけはまだ半分も経っていない。
ここまで、ちゃんと佳乃にお礼を出来ているんだろうか・・・
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
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