悪魔は囁いた
絶望のsongが響いた。
もう既に家を出てから30分は経つ。サイレンが鳴ったということは避難警報ということだ。
つまりGenesisが出てきたということ。しかも今それらしきものを発見したので間違いない。
今さら家には引き返せない。逃げることが最優先だ。そう覚った僕は逃げるべくポケットに入れて置いた携帯電話を取り出し、時間を確認する。
今は9時。入隊式は10時から始まる。
「いや今はそんな事を気にしてる場合じゃない」
周りから悲鳴が湧く中、行動に移そうと努力しようとする。
「今はまだ朝方だ。ロストを食らえば家に当たるかもしれない。そうすれば火災が起きる。でも、誰かあいつを止められないのか」
出てきたGenesisは一体しかいなかった。しかし倒せるのはAPPELの人間だけだ。しかしその倒し方は極秘。
つまり、アカリにはどうしていいのか分からない。
「あいつはどこ行った?」
Genesisを見失ってしまった。確認しようと曲がり角を右に行ったその瞬間。
「キミハニンゲン、、ナノカ?」
「うわぁぁぁ!!」
カタコト言葉で悪魔は囁いた。
見上げると目の前にいるのはそう、『Genesis』
「助けて、、、」
一瞬にして様々な感情が頭に湧いた。
結果何も分からずに呟き続ける。
「嫌だ嫌だ、、死にたくない、、逃げなきゃ」
その間、Genesisは横に首を傾げながら何かを呟いていた。
絶望の予感がした。
しかしその中で姉ちゃんのことを思い出した。
さっき頑張ると約束したばかり。
「そうだ。僕はまだ何も出来ちゃいないんだ。一人前になって姉ちゃんのところに帰らなくちゃいけないんだ」
「考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ。」
そして物陰に潜むために走り出した。
「絶対に生きて帰らなくちゃ。僕が」
岩陰に潜んだその瞬間。前にはGenesisがドンドンと足音を立てながら前に出てきた。
まだ気づいていないと信じながら目を閉じると、
ビュゥゥゥ!!!!
その時物凄い勢いで風が吹いた。
飛ばされそうになりながらも壁に捕まり耐える。
風の勢いが止まった。そして顔を覗かせると
「え、、」
Genesisが倒れていた。
困惑しながらもしっかり見つめるとそこには人が立っていた。
こちらに気づいた様子で、歩いてきた。
黒髪の男性だ。
「大丈夫かい?おっとそのバッチは、、」
胸に付けているバッチのことだ。APEELの新人隊になる者は全員付けなければならない。
「あ、はい、、今日から新人隊に入る者で、、」
そして
「良かったぁ。無事で。君達新人隊の人達には死んでもらっちゃぁ困るからね。僕はシン・アスト。中国人と日本人のダブルなんだ。あぁこんな情報どうでもいいよね。」
「いや、ありがとう、ございます、、」
「そんな、礼する必要ないよ。これが僕達の仕事だからね。君、名前は?」
「カ、ナメ、、!枢アカリです!」
そして彼は頷いた。
「ウンウンいい名前だね。君は僕が気に入った。ちょっと来なさい」
「え?」
これから向かうつもりだったはずが、軍隊の人に直接連れてってもらうことになってしまった。
「まず、君に説明しなくてはならない事が2つある。まず1つ目はこいつのことだ」
辿り着いたのは今倒れたGenesisのところ。
「こいつがGenesis。もう死んでいるから大丈夫だ。巨大なんだが、真ん中にあるコアを砕けば自然にやられる」
少し気になって触ってみたその瞬間
ドクン!!
「痛っ!」
胸が突然痛み出した。
「大丈夫かい!?」
しかしすぐ治まったので
「大丈夫です。ちょっと緊張しすぎたのかもしれません」
「なら良かったよ。心配かけないでくれよ?」
「はい」
「じゃあ2つ目行くよ。今から僕の仲間達のところへ行く」
仲間達?と言われて少し困惑した。
「そんじゃ行くよ」
歩いていてずっと考えていた。なんでこんなにも今日はドタバタするのだろうか。新人隊に入らなくちゃいけないのに運がいいのか悪いのか、、
そして何より気になったのが彼が来ていたそのスーツ。
腰に両方生えた何やらよく分からない物にピチピチのスーツ。
「あの、、それはなんですか、、?」
そして一言間を開けて彼はこう言った。
「ホントは教えちゃいけない機密の物なんだけどね。まあ君ならいいか。これは対Genesis用特殊戦闘スーツ「エイル」。人間の身体機能を上げてくれる物なんだ。まあ一部の人にしか使えないけどね。これは新人隊に入っても使える人は殆どいない、選ばれた物にしか使えないんだ」
「じゃあ貴方は凄い方なんです、か、、」
「もっとシャキシャキして喋りなよー」
彼は微笑しながらも続けた。
「APEEL特殊隊「Little Monsters」。通称 LIMO隊。APEELの精鋭班のこと。そのLIMO隊の副隊長やってるんだ。あ、やべ喋りすぎたな。ごめん、悪い癖なんだよ。」
「いえいえ、僕はなんというか、、いろいろ知れて良かったかもしれません」
そして歩きながら喋り続けていると目の前に大きな戦車が現れた。すると
「おーい!こっちこっち!!」
と、シンさんは叫んだ。そしてその戦車の上から人がでてきた。何やら騒がしそうだ。
「テメーどこ行ってんだよぉ!!バカ野郎!!」
「あー、、ごめんごめん。」
上から人が降りてきた。結構身長が高い。近づくと女性とわかった。 いや、女性と言っても普通の女性じゃない。髪は金髪でポニーテールに結び、サングラスを付けている。背中には銃を掛けている。上は黒いタンクトップの上にジャンパーを着て、下はジーパン。腰にも小型銃が二丁あった。どこかのヤクザのようにも見えてしまう。
それと外国の人のように見える。
普通の女性じゃない。むしろイカつい男性のようにみえる。
「おいおい、このガキはなんだぁ?それとてめーの仕事はここの防衛だろぉ?何勝手に突っ込んでんだよ。」
「だからごめんって言ってるじゃないかぁ。たまたまGenesisが見えたんでね。せっかくだから討伐しようとしたんだ。悪かったよ。」
「ごめんで住むならケーサツはいらねぇんだよ?バーカ!!」
一番ケーサツとか言わなそうな人がまともな事言っているのに驚いてる。いかにもヤンチャな人だからだ。
「あのぉ。僕はどうしたらいいんでしょうか」
「あ、忘れてた、悪い悪い」みたいな雰囲気でシンさんはこちらを向き、僕の背中を押した。
「この子は僕が見つけた子だ。僕が知る限りはGenesisの前から唯一逃げることが出来た子だ。この子は優秀な人間になる」
「はぁ?そんなんで優秀になれるんなら訓練のクソも要らねぇんだよ。とにかくテメーが死ぬと上の奴らがうるせぇんだよ。だから勝手に行動すんなってんだ」
相変わらずまともな事は言える人なんだと思った。なんともギャップが凄いという印象が植え付けられた。
「まあいい早く乗れ。そしてこのガキは一旦上に預ける。そしてお前の始末もなぁ!」
「あぁわかったよ、、仕方ないなぁ、、」
そしてハシゴを渡って戦車の中に入った。1人寝転んでいる男の人を見つけた。それと運転手もいるようだ。
「急展開すぎてどうしたら、、あ、そうだ!入隊式!!」
困った様子でアカリはシンに問いかけた。
「大丈夫だ。上にはしっかり言っとくよ。それと君には新人隊に入れるつもりはない。僕が気に入ったんだ」
「う、ん、分かりました。それとさっきの人は、、」
振り向くと彼女はタバコを吸っていた。だけど密室空間の中なので、しっかり窓を開けて吸っていた。相変わらずギャップが凄い、、
「彼女の名前はレイラ・アストルマーシュ。アメリカ出身だとよ。結構ヤンチャする割には真面目なところあるから可愛げがあるんだよな」
「あぁ!?なんか言ったか!!」
「いやなんにも言ってない言ってない」
少し困りながらも笑いながら続けた。
「彼女も精鋭班の一人なんだ。そして運転手の玄道ワタリとそこに寝転んでいるカスペル・ロングフォー。玄道は日本人、カスペルはブラジルから来たんだ。2人とも男性ね」
「へーなんか凄いメンバーですね」
「いろんな人種がいることか?そりゃあもちろん国連が直接管轄してるわけだし、15年くらい前に世界連合同盟が締結されてから今は地下都市のどの国へ行っても大丈夫なんだ。パスポートとかそういうものも今はいらないしね。おっ、着いたぞ」
窓を開けて前を見るとそこには大きな施設があった。
「僕はこれからここで暮らすのか、、」
喜びを噛み締めながらも少しだけ切なさも残っていた
その中で僕の心は揺れ動き続けていた
初めて『Genesis』を目の前にしたのだから、、
結構キャラが増えましたがもちろんこれからも活躍します。
それと小説の書き方は独風ですが、よろしくお願いします




