始まりはいつも突然で
気分で何となく、興味が湧いたら適当に書く。そんなよくある量産型未満の作品第2作目です。一応話の感じでは1話みたいですが、2作目だからね2になってますよー。
1作目のプロローグみたいなのから読んでいただけると嬉しいです〜では!異世界の一歩目をどうぞお進みください。
頭が重いような感覚とともに、意識がゆっくりと水底から浮上していくかの様な感覚を感じながらゆっくりと目を覚ま…覚ま…ねぇ覚めて!お願いだから覚めて!!
「っほぁぁああああ!!」
我ながらもっと大人しい悲鳴は出なかったのかと思える絶叫と共に起き上がる。
「……本当に転生してんのか…」
「まさかの本当に転生したのか、、、待てよ?俺は赤ん坊からのスタートを願った筈なんだが、
どう見ても2、いや3歳くらいなんだがどうなってんだ」
俺の美人なマッマからの授乳を妨げたのは何処のどいつだ?消し炭にしてやりてぇんだg
「お、起きたか坊主」
声の主の方を見ると白衣を着た髭を生やした銀髪の男がいた。
「えっと、お医者様ですか?俺は一体…?」
「意識ははっきりしてるようだな。おっとすまん、その通り俺は医者だ、でお前がここに居る訳は覚えてねぇみてぇだな。あ、坊主名前は覚えてるか?」
『名前…?霊鉄皐月…は前世か、こっちのは知らない…やべぇ!名前が思い出せないとこんなに不安なもんなのかよ!!』
「…その感じだと覚えてねぇみてぇだな?」
「はい…」
「そうか、実は俺もお前の名前は知らねぇんだ」
『おい、こいつ今なんて言った?知らないっつったのか?!』
驚きで思考が固まっている俺を待たずに医師は説明を始める
「遅れたが俺はバート、ただのバートだ。まずお前が此処に居る理由だが、簡単に言えば魔物に家族と一緒に襲われて、たまたま近くで野営訓練をしていた騎士団の奴らに助けられたってとこだ」
「察しはつくだろうが重傷だった”お前は"ここに運ばれ約半年寝たまんまだった、名前がわからんのも多分極度のストレスかトラウマ、もしくは出血が酷かったからその後遺症ってとこだろう」
『俺は前世も相当不幸だったらしい…というのは覚えてる、それは向こうの神に嫌われていたかららしいんだが、俺はこの世界でも神に嫌われてたのか』
下らない事を考えていると1つ気になったことを口にする。
「俺は家族と一緒に魔物に襲われたのに運ばれたのは俺だけなのはなんでしょうか?」
医師はほんの一瞬顔を曇らせかけたがそれまで通り説明を始める。
「お前の家族、両親とお前という構成らしいんだが両親は騎士団の目の前で喰われたと聞いた。
お前は奇跡的に助かったからここへ来れたのはお前さんだけって事だ」
「そう…ですか…」
『顔も声も知らない両親らしい人が死んだだけなのに、ここまで…心は痛むものなのか……』
「で、そんな状態のお前さんに聞くのもなんなんだが…」
「その、お前さんが運ばれてきて少し経った頃ににとある占い師が来てお前さんを見るなり
妙な事を言い始めてよ」
また、少し詰まるバートにその先の説明を求めるように俺は口を開いた。
「な、なんて言ってたんですか?」
「まぁ、その…なんだお前さんが”記憶持ち”だとかなんとかって言っててな、なぁんか気になったから少し知り合いと調べて見たんだが、記憶持ちとはどうも前世の記憶を持つ者を指すらしい」
「はぁ、それで俺がその記憶持ちかどうかが知りたいと?」
「まぁな、とは言ってももう予想はついてるんだが、俺は持ってると見てるんだ。理由としては
妙に落ち着いている、目覚めたばかりでもっと錯乱ならなんなりするレベルの怪我だったからな
2つめは着眼点だ、ここに来た説明の時のあの言い方じゃ並のガキは気付かんしな。」
「そんで最後というか最初というか、名前を聞いた時ただ分からないって顔じゃなかったからな
これだけハマればそうだと思って一応聞きたい」
「お前は何者だ」
「長々と説明ご苦労さん、答えはYesだ、もっと落ち着いた生活を送りたかんだがなぁ…初っ端からこれとは…」
「そうか、説明に一生懸命で忘れかけてたが本当に聞きたいのはお前の名前とお前が何者か、この2つだ、答えられるか?」
少し気遣うような声に俺は問題ないと返し説明する。
「ほう、レイテツサツキって言うのが名前か、ただの不幸人間と言われてももっとないのか?」
「こっちに転生する時に記憶と引き換えに力を貰ったからなぁ前世は全く覚えてないんだ」
「あっ、近くに神に祈りを捧げるような場所ってあるの?」
こっちに来てちゃんと目覚めた報告しなきゃなぁと考えていると
「あぁ、うちの裏口からでればすぐ教会がある、そこに行けばいいんじゃねぇか?」
「そうか、ありがとう」
「あっ、祈り終わったらもう一度戻ってこい、お前さんを紹介しに行くとこがあるからな」
「了解、すぐ戻る」
それだけ言って教会へ向かう。
「ここが教会かな?なんか、向こうのより神々しさが違うなぁ」
そんな事を呟きながら子供には少し重たい扉を開ける
「ん?坊やお祈りしに来たのかい?」
と、優しげな雰囲気の老人が話しかけてくる
「あ、うん、いい事があったから神様にお礼を言いにね!」
『ヤベェ!子供みたいに話すのって超恥ずかしいんだが!!!!」
「そうかい、しっかりと感謝を伝えておいで」
それだけを言ってその老婆は教会から出て行った。
「さてと」
『主神様、私の声が聞こえたならどうか御言葉をお聞かせくだs…」
「起きたか坊主!!」
なんかそれ少し前に聞いたなぁと思っているほんの一瞬で少し前に来たあの真っ白な空間に転移していた。
「あんたって…本当に神様だったんだな」
「ガハハハハ!開口一番にそれとは驚いたなぁ!」
「寝起きは最悪だっただろうが、それはどうしようもなかった運命だっからな勘弁してくれよ!」
「相変わらず主神さんは元気な喋り方で…」
「そうか?いや、そうだろう!」
『ドヤ顔をさせたかった訳ではなくちょっとした嫌味的な何かだったんだが…』
「そろそろ気になってるであろうお前の力についての説明をするぞ!」
思っていたより重要な話に本日何度目かの驚きを感じていると
「まずは皐月、お前には主神の加護、生を司る女神の加護、死を司る女神の加護が与えられた。
主神、つまり俺だな、俺の加護は基本的に戦闘面、お前の生き抜くというのに必要な力が総合的に神に近いレベルまで上がるような加護だ。」
『え、ただのチートじゃない?それ』
「次に2人の女神の加護だが、まず生の方は動物であるとか聖獣に好かれやすいだとか生き物に干渉できる力を手に入れると言ったかんじだな。次に死の方なんだが、これは相手を触れずに殺すだとかそんな力はない、だが、死の概念に干渉できる力を手に入れるというものだ。」
「まぁ死の概念つーのは、生物の死だけでなく終わりがあるもの、かつお前さんがある程度そいつに対して理解しているものに対してなら全てに干渉できる。」
「つまり、無機物も条件が揃えば即座に破壊、もしくは延命ができる。後は本人の捉え方次第で能力の発動する幅が広がるから頭は柔らかく持った方がいいな!」
「なんとなくだけどとんでも無いことは分かったよ…ただ、なんで女神様から加護を受けてるんだ?俺はあった事すらないぞ?」
「お前さんに記憶が無いだけで実はお前が5歳の頃に会っていてな、その時に気に入られて加護を授けたとかなんとか言ってたなぁ」
「まぁ、いずれ会うだろうしその時に本人達に詳しい事は聞いてくれ」
「そうか、そろそろ向こうに戻る時間だ、最後に、力を悪い方に使い込んでいっているのが分かったら躊躇なく消すからな、覚えておくように!じゃあな!」
意識が水の底から浮かび上がるような感覚の中
「わかってる」
それだけをしっかりと返し教会で瞼を開ける。
「さて、バートのとこに戻らなきゃな」
元来た道を戻り診療所へ戻ると、バートと見知らぬ男が何やら話していた。
「ん?おう戻ったか坊主。さっき紹介すると言ってた件なんだが、こいつから話を聞いてくれ」
するとバートの隣、随分と鍛えられている黒髪の男が口を開く。
「突然すまないね、僕はグランという者だ。一応君を助けに行った騎士団のまとめ役をしている」
「そうでしたか!ありがとうございます、僕は霊鉄皐月と言います。それで自分に何か?」
内心金払えとか言われたらどうしようかと考えていると。
「早速なんだがある程度君のことはバートから聞かせてもらっている。君が'記憶持ち"である事も含めて。聞いたところだと君はそれなりにしっかりと礼儀を知っているようだし、これから二度とあんな事が無いとも限らない。だから君は新兵に混じって訓練を受けてみないか?」
『なんだ?この世界の住人は話をすっ飛ばすのが多くないか?』
「大変ありがたいお話ですが、何故急に新兵に混じり訓練という事を騎士団の方から聞くことになるのでしょうか…?」
「理由の一つは人員不足だな、あわよくばそのまま君が入団し、戦果を挙げてくれないかなと思っている。後は自分がこの目で見て判断した、君は素質があると。」
「いや、でも子供が新兵に混じり訓練するのは他の訓練兵や上の方が良く思わないのでは…?」
「そこは問題ない、君がそこで良い結果を出せばいいのだからな、という訳で明日から兵舎で生活し、訓練を受けてもらう。期間はそうだな…4年程でいいか、君はおよそ8歳辺りと見受ける、なら成人手前まで訓練すれば良いだろう」
「こっちの成人っていくつなんでしょうか?」
「15で成人扱いだな、故に基礎をつくり身体をつくり、後の技術は12になって冒険者として積むのも良いだろう」
『俺は平穏な人生を送りたいだけなのに…』
案の定地獄の様な訓練の日々が始まるのだが、それはまた別のお話。
今回も適当で訳わかんない妄想塗れの内容ですが、誰かが楽しんでくれれば嬉しみですわ。
さて、次回投稿は当分ないでしょう、だってやる気ないんだもん!
また次回作あがってたなら是非見てくれると嬉しいわ〜
ではでは!