すごいキック
ニート:
「15番の人いませんかーーー!」
ニート:
「おーい、15番の人ーーー!!」
ニート:
「どうやら、居ないみたいですね、司会の人。帰ったんじゃないですか?」
マイク男:
「いや、貴方が15番では?さっき確かに胸のバッジに【15】と……」
-素晴らしき俺の機転が炸裂-
-俺はバッジを胸からもぎ取ると、それをポッケに入れ、率先して【15番】捜しに挑んだ-
-そして、ここに来て俺は、初めて言葉を喋ったのだった-
マイク男:
「あれ、じゃあ因みに貴方は何番ですか。バッジが無いみたいですが」
-鋭い!鋭いぞ!マイク男!ただの司会者にしておくには惜しい-
-どうする!どうする!俺!-
ニート:
「おおっと、付け忘れてた。申し訳ないね」
-俺はポッケからバッジを取り出すと、胸に付けた-
-上下逆さまに-
マイク男:
「お、ええーっと、貴方は【21】ですか?【37】……ちょっと踊るの辞めてもらっていいですか。よく見えないんですが」
ニート:
「すまないがそれは無理だ。俺のDNAに刻まれたヒップホップの魂が叫んで仕方がないのでな。yo!
yo!DESUYO!」
金髪のヤンキー娘::
「そこのお前、それ以上目の前でちょこまかするなら殺すぞ」
ニート
「はい」
-俺は怒鳴られて、すぐに踊りを辞めた-
-何故なら、怖いからである-
マイク男:
「あ、貴方のそれ逆さまじゃないですか。逆にすると、【15】……ですね。ほら、やっぱりあなたが【15】じゃないですか」
ニート:
「いやぁ、ほんとだ。はっはっは。とんだ勘違いを」
マイク男:
「はっはっ。おっちょこちょいな方だ」
金髪のヤンキー娘:
「てめえが間違えてたってことでいいんだよな?」
-いつの間にか、目の前に憤怒の表情を浮かべた少女がいた-
-速い、なんて速い女だ。そしていい匂いがする-
-そんなことを思っていると、側頭部に鋭い痛みが走った-
ニート:
「ふべらっ!」
-言ったことのない台詞を吐いて、俺は横に吹き飛んだ-
-さよなら、世界-