-3-
-そうこうしている間に、全員の名前が呼ばれた-
-番号が書かれた黄色いバッジが全員に配られる-
-皆、言われた通り、胸のあたりに付けた-
ニート:
(数えてみたが、全員で35人か。なかなか多いな)
ニート:
(……やはり問題はあのデカい奴だな)
-赤チームの【2番】の大男は、胡坐をかいて座っている-
--全員ニートなので、彼には怖がって近寄ろうしない-
ニート:
(あれ、このままじゃこっちのチーム一人足りないぞ)
ニート:
(これじゃ、こっちが不利すぎるじゃないか。ただでさえデカい奴が向こうのチームなのに)
ニート:
(そういえば何人か呼ばれたのに集まって来なかったな……)
ニート:
(ニートはこれだから……)
マイク男:
「さあ!それでは、第一種目を開始したいと思いま……」
???:
「ふぁー、良く寝たぁ」
-倉庫の隅に全員の視線が集まった-
-そこには金髪のヤンキー娘が万歳姿で座っていた-
-背筋を伸ばしている。どうやら寝起きらしい-
金髪のヤンキー娘:
「あれ、もう始まってんの?」
-彼女の誰に問うでもない質問に誰も応えることはなかった-
-何故なら、彼らは全員ニートだからである-
マイク男:
「いやー、そんなところに居られましたか。全く気付いておりませんでした。お嬢さんは因みに何番ですか?」
金髪のヤンキー娘:
「あん?何番?」
マイク男:
「事前にメールでお知らせしたと思うのですが……」
金髪のヤンキー娘:
「ああ、ちょっと待って」
-金髪のヤンキー娘はスマホを弄りだす-
-数秒ほどして、彼女はどうやらメールを見つけたみたいだ-
金髪のヤンキー娘:
「15番」
マイク男:
「へ?15番?お間違いないですか?」
金髪のヤンキー娘:
「あん?疑うってのかよ。ここにそう書いてあるだろうが。ぶち殺すぞ」
-ヤンキー娘の怒号に、会場中が委縮する-
-何故なら、彼らは全員ニートだからである-
マイク男:
「あ、いやしかし15番の方はここに……」
-マイク男が、不安そうに俺を見る-
ニート:
(し、しまったぁ。俺15番じゃなかったのか……ど、どうしよう)
-俺に、最初のピンチが訪れた-