-1-
―――キーンと耳を劈くマイクのハウリング音が会場内に響いた。-
- 会場内の視点は中央に居る男の元に集まった。-
マイク男:
「てすてす……てすてす……ごほん!」
マイク男:
「ぇー、みなさまぁお、お集りいただきありがとうございます」
マイク男:
「それでは、これよりニート達による、ニート達のための祭典……」
マイク男:
「”バトルニートロワイヤル”を開催したぃと思います」
- マイク男がそう言い終えると、当然あるべき歓声は上がらなかった-
ニート:
(おいおい、皆盛り上がってやれよ……)
ニート:
(主催者の人可哀想じゃん……まあ、俺はこういうの無理だけどさ)
- マイク男はポケットからしわくちゃの紙を取り出すと、そこに書いてあることを読み始めた-
マイク男:
「えー、それではルールの説明を行いたいと思います」
マイク男:
「まず、今回は前回行われた際のルールと変更点はございません」
マイク男:
「なので、前回参加された方は聞き流してくださって結構です」
ニート:
(へー……これが初めてじゃなかったのか。あんまり見てなかったな)
マイク男:
「今大会においては、こちらが用意した3つの種目に挑戦していただきます」
マイク男:
「それぞれの種目では皆さまの”ニート力”が試されることになるでしょう」
マイク男:
「そして最後の種目で見事勝ち残った1人に、栄えある”ニートキング”の称号を授与いたします」
- マイク男がそう言うと、会場に緊張感が充満するのが分かった-
ニート:
(やはり皆狙っているんだな、”ニートキング”……へへ、腕が鳴るぜ)
マイク男:
「では、最後に前回優勝者の山田さんから、皆さまに一言を頂く予定……でしたが……」
マイク男:
「山田さんは、今日は体調が優れず来られないそうなので、伝言をいただいています」
マイク男:
「”ニートキングになっても、別にいいことないよ” ……以上、山田さんからでした」
マイク男:
「では、早速一回戦を始めます」
マイク男:
「最初の競技は―――」