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第25話 飲み比べと食べ比べ

ブックマーク、感想、評価ありがとうございます。

遅れたのは、うっかり予約忘れです!



 教皇様の初めてのイカ。

 ということで、俺が商品をセレクションする役を承ったので、教皇様を連れて店内を案内する。

 アイオーンが食べていた乾物は勿論のこと、チンして食べるツマミ系もオススメする。


「アイオーンが食べていたのはここの棚の商品なんだけど、こっちには乾物じゃない温めて食べるツマミ系も有るんだ」


 そう言って案内した先は紙パック飲料が陳列しているところで、冷蔵保存のツマミ系も置いてあるところ。ここの上段にはチーズ系の商品が、その下には生ハムや焼豚、ペッパービーフなどのツマミ系加工肉。

 そしてその下に海産系のツマミスペースがあるのだ。


「ここにあるぶつ切りにされているのがイカで、こっちがタコ。どっちも似た様な形なんだけど、イカの頭が三角に対して、タコの頭は丸いって違いがある。どっちも見た目に違いはあれど美味しい海産物で、俺的オススメなのがこのピリ辛イカ焼きとたこつぶかな」


 他にも塩辛やタコわさもあったけれど、これは海産物に慣れていない人にオススメする商品ではないので今回は除外した。


「ほう。ではそれを頂くとして、この上のは肉だよな?」


 1つずつオススメした商品を手に取った教皇様が指を指す先には、パック詰めされた豚や牛の加工肉達。


「ですね。あっ、これ胡椒使ってるんで教皇様にオススメッス」


 王様や宰相さんが2人揃って爆買いを希望したほど、異世界では高級品である胡椒を使ったペッパービーフ。

 それを教皇様にオススメすると、先の2人と同じ様に食いついた。


「それは誠か! ならば買わねばなるまい!」

「まいどー」


 その他にも教皇様が気になる品を数点買い込んで、皆が待つテーブルへと戻った。

 もちろんルール説明をした上で、胡椒と塩胡椒もお買い上げして頂いた。


「それにしても、随分と買い込みましたね」


 宰相さんが目をパチクリしながら、テーブルに並べられた商品を見て呟いた。

 それもそのはずで、教皇様が買ったのはカップ系のお酒を10本と、おつまみ系8点をお買い上げしたからだ。


「何も儂一人で全部食べるつもりではない。皆でワイワイと食べ比べをしようと思ってな。ほれ、フォークも全員分貰って来たぞ」


 そう言ってフォークの束をテーブルに置くと、真っ先にそれを取ったのはアイオーンで、その次に取ったのがリカルドであった。


「わーい! レイセント太っ腹ー!」

「教皇様。ありがとうございます!」

「何、かまわん。かまわんぞ。ほれ、お前達もフォークを取れ」

「まぁ、レイセントの驕りと言うならば」

「うむ。仕方がない。クラーケンを食すか」


 教皇様にそれぞれがお礼を述べながら、フォークを手に取り取ると、ふと顔を上げたアイオーンと目が合う。


「あれ? 蒼は食べないのー?」


 テーブルに着かない上に、全員と言う割には1本分足りないフォークを見て、アイオーンが疑問に思って声をかけて来たが、残念ながら俺は仕事中だ。


「俺は仕事中だから、休憩中のバックヤード以外の店内での飲食は禁止なの」

「えー! 一緒に食べれないのー? 残念ーー!」

「本当に、まっこと残念だ!」


 教皇様は俺の顔を見て残念そうに言うが、こればかりはしょうがない。

 実は会計の時に、教皇様は俺も一緒にどうだ? とお誘いを頂いたのだが、残念ながら俺は仕事中を理由に断った。


 そしてそれぞれが教皇様にお礼を言いつつ、1人ずつフォークを手に持ったは良いのだが、ここでプチ問題が起こっていた。


「えっと、教皇様。これってどうやって取り出すんですか?」


 そのプチ問題とは、リカルドがフォークの入ったビニールを開けられないことであった。

 さっきからカサカサくしゃくしゃと音がしているなぁと思ってはいたが、その犯人はリカルドだったか。

 いや、失念していた俺も悪かった。


 王様や宰相さんにアイオーンは昼飯もここで食うことがあるので、既にフォークとスプーンの開け方を教えていたのだが、リカルドは基本的にお菓子しか買っていかない上に、そのお菓子の袋を俺が全部開けて渡していたのだから、当然フォークの袋の開け方も知らない。


 そして残念なことに、リカルドが教えを乞うた教皇様にもフォークが入ったビニールの開け方を教えていないので、教皇様はしばらくリカルドと顔を合わせた後、フォークを上下左右裏表の全方位を見ながら思案している。


 当然のことながら、ほかの3人はフォークを既に剥いて教皇様とリカルドのことを待っていた。


「すまん。俺のミスだ。リカルド、そのフォーク貸して」

「はい。お兄ちゃん」

「では、教皇様。取り出し方を説明するので見てて下さい」

「承知」


 リカルドから快く手渡されたフォークを持って、教皇様とリカルドが座っている間に移動すると、フォークが入っている袋のトゲトゲの部分を指差す。


「2人共、ここを見て下さい。ギザギザしてます」

「ギザギザー」

「うむ。確かにギザギザだ」


 2人にギザギザを確認させる。

 ここが肝心だからだ。


「このギザギザの凹んでいるところが中心になる様に、指先でこうやって持って前後にすると、この様にスルーと破れます。そして、ビニールが破けてフォークが取り出せます。はい、リカルド」


 ビニールから取り出したフォークをリカルドに渡して、残ったゴミはスライムに食べさせる。

 このテーブルにいるスライムは教皇様の8-10スライムのメリルで、他のスライムは仲良くお掃除中だ。


「おぉーー! お兄ちゃんありがとう!」


 リカルドは手品でも見たかのようなテンションでお礼を言っている様に感じるが、もしかしたらこれから肉を食べれる喜びかもしれない。


「ふむ。では、儂もやってみるか」


 俺の説明を見ていた教皇様は、真剣な表情となってビニールの先端を持つと慎重に指を前後に動かす。


「おお! 簡単に破けたぞ」

「まぁ、それは比較的破れやすいタイプですからね。それじゃあついでに、ここら辺の開け方も教えますよ」


 無事にフォークを取り出せた教皇様は、俺にフォークを見せつけて嬉しそうにしているので、ついでにテーブルに並べられている物の開け方も一緒に教える。


「では、私もそれを手伝いしますよ」

「そうじゃな。奢ってもらえるのならば、これくらいはしようじゃないか」

「仕方ない。神である僕も手伝おうじゃないか」


 テーブルにある未開封の商品は種類が多いので、教皇様の他にも王様や宰相さん、アイオーンも参加することになった。


「僕も開けるの手伝う!」


 リカルドもお手伝いを希望したので、レンジでチンをする際に少し開封してある物を渡す。


「そうだな。これはチンをする時に少し開けたから、リカルドはここを持ってゆっくり開けてくれ。中身が飛び出さない様に注意するんだぞ」

「はーい!」


 元気に返事をしたリカルドは、真剣な表情でゆっくりと開け始めた。

 それを皮切りに全員でつまみ系を開けるのに取り掛かり、それが済んだら大人組にワンカップの開け方を説明すれば、あとはもう呑んで食べるだけだ。



「うわー! このイカ、ウマーー! それでお酒を……クゥーーー堪らん!」

「おぉ! この焼豚とやらもビールと合うぞ……プハァーー!」

「へぇ。これはコリコリとしていて、面白い食感ですね」

「んふー! んふー!」

「うお! このツマミには胡椒がふんだんに使われているのだな! いやぁ、向こうでこれと同じ物を買うとしたら、儂は早々と破産するのが目に浮かぶわ! そして、この酒だ。ワインや火酒とはまた違った味なのだが、儂は嫌いではないぞ」


 それぞれが感想を言い合いながら楽しくこの時間を過ごしているが、この時間はすぐに終わってしまう。


「あっ……お肉無くなっちゃった」


 次のお肉を食べようと伸ばしたフォークの先に、さっきまであったはずのお肉達が無くなっていることに気が付いたリカルドは、悲しそうな声を出すと同時に名残惜しげにフォークを口の中に入れた。

 まるでフォークに肉の味が付いているのではないかと思わせるほど、もぐもぐとフォークを味わっている様に見える。


「ありゃりゃ。この人数じゃあ無くなるの早いねぇ」


 教皇様が買ったツマミは種類はあるど、俺を除いたこの人数で食べれば1つの商品に対して、2口か3口で食べ終わってしまうほどの量しか無いので、すぐにツマミは無くなってしまう。

 さらに悲しいことに、中身が無くなりゴミとなった物はメリルが早々と綺麗に片付けてしまったため、さっきまであった沢山のツマミ類は跡形も無くなっている。

 最近のスーやムーもそうだが、スライムは仕事が早い。


「あれだけ買ったが、もう無くなってしまったか。しかし、酒はまだ半分は残っている」


 確かに教皇様は、水を飲んでいる様にワンカップを飲んでいたが、それでもテーブルには半分ほど開封されたワンカップ達が置いてある。


「となれば、追加で別のツマミも買ってみるのも一興か!」


 そう言って立ち上がった教皇様は、トイレ掃除をしようとしていた俺の元に真っ直ぐに来て、逃がさないとばかりに両肩に手を置かれた。

 グググっと掴まれた肩に力が入ると同時に、教皇様の圧が酷い!


「蒼! 次のおススメは何だ!」

「えっ? そんなの適当に買えば良いんじゃないか? 人に教わるのも良いけど、アイオーンみたいに探検して自分好みを探すのも楽しいと思うぞ?」

「ムムム。確かにそれも一興ではあるな」


 俺の肩から手を外し、顎に手を当てて思案する教皇様に、俺はさっき言い忘れていたことを教える。


「あと教皇様が買った酒。あれは人肌以上に温めたり、逆にキンキンに冷やしたりするだけで味が変わるから、自分好みを探すのも楽しいかもしれないな。

 それに合わせてツマミも色々と試してみたらどうです?」

「あの酒にはそんな楽しみ方が有ったのか! ……ここは実に奥深い。益々ここに来れて良かったと思うぞ」


 そう言って、ニカっと眩しく笑った教皇様。

 こんなに良い笑顔をしていたのだが、この数十分後には王様と一緒になって店でドンチャン騒ぎを始めた。

 リカルドは早々にアイオーンと共に向こうの世界に返し、俺と宰相さんで散々注意したのに聞き届けてくれなかったので、仕方が無しに俺は最終手段に出た。


「お前らーー! 店でドンチャン騒ぎすんじゃねー! お前ら2人共、今日から1週間出禁だーーーー」


 そう言った瞬間、2人の姿が消えた。

今回のこぼれ話


ア「ねぇねぇ」

蒼「何だ?」

ア「レイセントって、結局幾ら使ったの?」

蒼「あーー。8千……ちょい超えるくらいだったな」

ア「アハッ! それじゃあレイセントがこの中で1番お金使ったって事かな?」

蒼「いや、1番は宰相さんであそこにあったやつ全部買っていった」

ア「あそこって、あの箱詰めのやつ?」

蒼「そう。あの箱詰めのやつ」

ア「ヴォルフってお菓子になると金に糸目付けないんだね」

蒼「宰相さんだから」

ア・蒼「……」(何とも言えぬ顔)


遅くなってすみません。

投稿をうっかり忘れていた上に、スマフォの電池も危うかったので、しっかり充電してからの10時にさせて頂きました。


次回予告

「反省中」

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