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26話






「うおっ!!」


起きたらベッドがモフモフだった…。


「なんじゃこれ…。」


右側には金色の綺麗な毛を生やした耳が目の前でピコピコしている。

左側にはリーシャ。上にはシロとクロが並んで寝ている。

風呂にちゃんと入っているし、毛並みも匂いも最高だ。


「なんだ夢か…幸せな夢だ。おやすみなさい…。」


しかし重い。夢なのに重い。夢なのか?


「ん、んう…。あ、タロー様!」


「夢じゃなかったのか…リーシャこれどういう状況?」


リーシャが目を覚ましたようなので聞いてみた。

聞いたところによると、夜中にライエがトイレに行くのを手伝って、部屋に戻る時、ライエが急に鼻をピクピクさせたかと思ったら俺の部屋に向かって行って、ベッドに忍び込んでしまったというのだ。

俺の匂いをたどってここに来たってことか。


「それで、ライエがここにいることは理解した。リーシャは?」


「…ライエちゃん1人にしてしまっては起きたときにタロー様に迷惑がかかるかと思いまして…。」


少し頬を染めながら目を逸らして言う。


「ほうほう。それで?」


「ライエちゃんがあまりにも気持ちよさそうに寝てしまいましたので、私もつられて…。」


「ベッドに潜り込んだと。」


こくんと頷く。


「シロとクロは?」


「私が帰ってこなかったので、様子を見に来てそのまま寝てしまったのだと思います。」


なるほど。シロとクロっぽい。

まぁ俺的にはご褒美のようなもんだからいいか。


「じゃぁ、悪いけどそろそろみんなを起こしてくれるか?」


リーシャの頭を撫でつつお願いする。髪の毛もケモ耳も最高の手触りだ。

シロとクロを起こしてまだ寝ているライエを運んでもらった。今までの生活もあり、よっぽど疲れているのだろう。

パラダイスとおさらばして俺もベッドから出る。いつもより少し早いが心地のいい朝だ。


あのあとリーシャたちは朝食の準備を始めてくれた。これからは料理できる人数をもう少し増やした方がいいかもしれない。


全員が起きて食事を済ませたところでリビングに集まってもらう。


「みんな怪我は治せたし、ご飯も食べれて、風呂も入って、ちゃんと寝れたことと思う。」


みんな真剣に話を聞いてくれている。


「だけど、俺の事やここでの生活、ここで暮らすみんなのことは他言無用でお願いしたい。煩わしいことに巻き込まれたくないし、巻き込みたくないからね。」


「バレてしまっている時はどうしたら?」


「それは仕方ないから、俺に教えてくれればいいよ。」


これだけ派手なことをしていればいつかはバレる時も来るだろう。


「まずはみんなの自己紹介をしてしおうか。」


ロシャス、リーシャ、シロとクロから始まり、みんなも簡単に自己紹介していく。ロシャスたちが奴隷なのにはみんな驚いていたが。


「あとこいつはラスタ。俺がテイムしてるスライムだからよろしくね。」


「【よろしく〜!】」


俺の頭で手を振ってるように体の一部を上に出してぷるぷるしてある。多芸になったもんだ。


「これからは商店で売る予定の商品を作りながら、護衛できるようになってもらいたい。今は人数もそんなに多くないからなるべくみんなが色々できるようになってもらいたいから大変だろうけど焦らず頑張っていこう!」


それからは、グループ分けをしたり、役割を決めながら過ごす。

スキルに関しては問題ないが、熟練ポイントが問題だ。今回新しく入った人数くらいならば、ダンジョン攻略してる間に貯まったポイントでなんとかなるが、これから人数が増えていけばそういうわけにもいかないだろうから、獲得経験値増加のスキルを優先してレベルを上げていくことになるだろう。


女性陣には料理スキルを授けたり、ナタリーの裁縫スキルのレベルを上げたりと、みんなのスキルを整えていく。


「ナタリー、服を作ったりするのに必要な1番いい素材ってなに?」


「うーん、ほとんど手に入らない幻に近いと言われる素材は、シルクモスという魔物の幼虫が蛹になる時に作る繭から作られる生糸ですね。」


「そんなに手に入らない?」


「はい。シルクモスはかなり弱い魔物のようで、数も少ないので捕食されてしまってなかなか見つからないそうです。それでもたまに繭が見つかるのでないことはないといった具合でしょうか。ほとんどは貴族に使われてしまいますが。」


よし、捕まえて繁殖させよう。


「触り心地がいいとか魔法耐性あるとかそういう素材なの?」


「シルクモスの生糸は魔力を込めて加工することで、魔法にも刀や衝撃などにも強くなるので非常に優れた素材です。」


まじか。それに加えて耐性系の魔法付与したりしたら最強の防具じゃないか。

マジックバックもそれで作りたい。


「あとはデーモンスパイダーから取れる糸もシルクモスには劣りますが、優れています。布団に詰めるならコットンフラワーと言われる植物から取れる綿が、上質です。羽毛よりも優れています。羽毛でも高ランクの魔物から取れる羽毛は十分上質ですがね。」


さすがにいろいろなことを知っている。


夕方には、みんなを連れて服や武器などとりあえず必要なものを買って、冒険者ギルドへ行き、登録やクラン設立などを行った。


「うーん。メイの年でも冒険者登録できたのか。」


どうやら登録は10歳からできるようだ。11歳のメイが登録できないわけがない。

しなくてもいいと言ったが登録したかったようだ。


「これからはどのような予定ですか?」


帰宅してご飯を食べてから、ロシャスとお茶を飲みながら会話をする。


「とりあえずみんなのレベルアップをしつつ、販売用の薬や石鹸作りして、地下室の改造もしたいし、それからシルクモスを探してロシャス達の服も仕立てたいかなあ。」


「忙しくなりそうですな。それにしてもえらく懐かれたようで。」


俺の後ろにはライエが立って控えている。


「ライエ、疲れてるだろ?寝たら?」


「いえ、タロー様より先に寝るわけにはいきません。」


なんかすごい恩を感じたようでやることすべてかわりにやってくれようとして、なかなか離れない。


「えぇー、そういうのいらないよー。体力回復してくれた方が役に立つってもんだよ。」


「し、しかし…。」


ライエはふさふさな尻尾を持ったキリッとした美人さんだ。買った当初は見る影もなかったが、風呂に入って尻尾のふさふさ感も復活して髪や尻尾の毛に艶が戻って綺麗な色をしている。

恩を感じるとともにまた捨てられないように必死といった感じだ。

昨日ベッドに忍び込んで来たやつとは思えない。


「じゃあ、ここに来て座って膝枕してあげるから。ジーナの耳が邪魔かもしれないけど。」


ジーナもずっと俺に付いて回るようになってしまった。今は俺の膝の上ですやすやと寝ている。


「そ、そんなこと…。」


「いいからいいからはやくはやく。」


「そ、それでは…失礼します。」


あはは、これは合法膝枕である。

ソファに座り、ちょこんと頭を膝に乗っける。


「よし、それじゃあ話の続きをしよう。まずレベル上げについては、リーシャとシロとクロについて行ってもらって何組かに分かれてパーティー組んでダンジョンで鍛える。薬や石鹸はラスタが体内で作れることがわかってるから、小瓶に分けたり袋に包むのだけは人の手を借りることになる。」


「地下室の改造というのは?」


「薬草とか、必要な植物をそこで育てようかと思って。あとシルクモスを繁殖させたい。」


「そんなこと可能なんですか?」


「うん、多分できる。あとはこれから他の街とかに拠点ができたら部屋を繋いでおきたいし。」


「なるほど。それにしてもあっという間に寝てしまいましたな。」


今ライエは俺の腰に手を回して抱きしめるように寝ている。幸せそうだが非常に緩みきっただらしない顔である。よだれも垂れてる。


「頑張って役に立とうとしてるのはわかるし、気を張ってキリッとしてるつもりなんだろうけど、本来はこういう子なんだろうね。」


「まだ17歳ですし、買ったときの状態になるような環境で長く生活していたら甘えることもできなかったのでしょうな。」


「そんな感じかなあ。」


「とにかく、明日から忙しくなりそうですな。」


「うん、また色々と頼むと思うけどよろしく頼む。」



次の日、リーシャ達3人にそれぞれ3人ずつ別れて4人で1パーティーとしてダンジョンへこもってもらうことにした。

レベルアップの差も確かめたかったから俺はリーシャ、ジェフ、ライエ、ジーナのパーティーに入っている。

シロとクロのグループはロシャスとラスタにサポートを頼んである。


「若旦那。本当にリーシャちゃん達もダンジョン行くんですかい?」


「うん、ジェフよりよっぽど強いから大丈夫。」


ニヒルな笑みを浮かべてジェフに言う。


「まじですかい…。」


「まあ、戦いを見ればわかるよ。」


そう言って、ダンジョンに入る。

ダンジョンにはいると、リーシャは相変わらずの無双ぶりで突き進む。


「ちょいちょい、リーシャさん。」


「はい、なんでしょうか。」


「ジェフたちがついてこれてないし、リーシャが戦うのは最初だけで、ある程度戦ったら後はジェフたちにやらせてあげて。」


「す、すみません。つい…。」


「いやいいよいいよ。午後からはそう言う感じで頼むよ。」


今回はレベルアップを効率よくするためと戦える環境に居た人もいるので30階層からスタートしている。シロとクロのパーティーには10階層から始めてもらった。さすがに農家からいきなり冒険者は厳しいだろう。


「若旦那…リーシャちゃんはいったい…これからは姉御と呼ばせていただきます!」


またジェフの変なスイッチが入った。


「まあ、強いのはわかっただろ?でもみんなもレベルアップして来てるだろうし、強くなれるはずだよ。」


「国最強の騎士でもこんなに強くはないですよ。ロシャスさんも只者ではない雰囲気だし、ほんと旦那の周りはいったいどうなってんですか。」


「ほう、ロシャスの雰囲気でそんなこと感じていたのか。」


「物腰は柔らかくてすごくいい人なんですけど、うちに秘めた歴戦の猛者って感じの印象を受けました。」


「あながち間違えではないかもね。」


適当にはぐらかしておく。そのうちロシャスが自ら話すだろう。

ライエとジーナも初めこそ辛そうだったが、レベルアップに体が慣れてくるに従って少しずつついてこれるようになってきていた。


その後1週間くらいかけて、ダンジョン攻略を繰り返し、俺のいるパーティーは大体のことなら心配なさそうなレベルまで達したので、森で材料集めとシルクモス探しを手伝ってもらうことにした。

シロとクロのグループはスタートが低階層だったこともあるので、もう少しダンジョン攻略を続けてもらうことにしてある。


ちなみに参考までに今回俺の入っているパーティーメンバーとロシャスのステータスを上げる。


名前:タロー

性別:男

年齢:15

種族:人族

職業:商人

レベル:20(30)

HP:1300(55000)

MP:500(55000)

STR:400(14000)

VIT:550(14000)

DEX:500(14000)

AGI:500(14000)

INT:700(14000)

スキル

体術Lv2(Lv10)

剣術Lv2(Lv10)

(短剣術Lv10)

(斧術Lv10)

火魔法Lv1(Lv10)

(水魔法Lv10)

(風魔法Lv10)

(土魔法Lv10)

(雷魔法Lv10)

(光魔法Lv10)

(闇魔法Lv10)

治癒魔法Lv1(Lv10)

(空間魔法Lv10)

(時空魔法Lv10)

生活魔法Lv5(Lv10)

(無詠唱Lv10)

(索敵Lv10)

(鍛治Lv10)

(錬金術Lv10)

(薬師Lv10)

(全耐性Lv10)

鑑定Lv2(Lv10)

(隠蔽Lv10)

(スキルオペレーターLv10)

解体Lv2(Lv10)

(夜目Lv10)

テイマーLv1(Lv10)

加護

(全能神の加護)


名前:ロシャス

性別:男

年齢:57

種族:人族(魔族)

職業:タローの奴隷

レベル:27(68)

HP:1600(20000)

MP:500(25000)

STR:550(8000)

VIT:400(7000)

DEX:450(7000)

AGI:600(7500)

INT:650(8000)

スキル

体術Lv3(Lv10)

細剣術Lv3(Lv10)

短剣術Lv2(Lv10)

(棒術Lv10)

(火魔法 Lv10)

土魔法Lv2(Lv10)

(雷魔法 Lv10)

生活魔法 Lv6(Lv10)

(無詠唱 Lv10)

(薬師Lv10)

(隠蔽Lv10)

(テイマーLv10)

(索敵Lv10)

(全耐性Lv10)

(獲得経験値増加Lv10)

加護



名前:リーシャ

性別:女

年齢:19

種族:獣人

職業:タローの奴隷

レベル:19(58)

HP:1000(16000)

MP:300(15000)

STR:400(6500)

VIT:350(5500)

DEX:400(5500)

AGI:600(7000)

INT:450(7000)

スキル

料理Lv2(Lv10)

体術Lv1(Lv10)

(剣術Lv10)

水魔法Lv1(Lv10)

火魔法Lv1(Lv10)

(土魔法Lv10)

(光魔法Lv10)

(治癒魔法Lv10)

生活魔法Lv2(Lv10)

(無詠唱Lv10)

(索敵Lv10)

(薬師Lv10)

(全耐性Lv10)

(鑑定Lv10)

(隠蔽Lv10)

(獲得経験値増加Lv10)

加護


名前:ジェフ

性別:男

年齢:28

種族:人族

職業:タローの奴隷

レベル:36(55)

HP:2800(12000)

MP:2800(12000)

STR:1000(5000)

VIT:1100(5500)

DEX:1100(5500)

AGI:1000(5000)

INT:1200(5500)

スキル

体術Lv4(Lv10)

剣術Lv4(Lv10)

短剣術Lv3(Lv10)

火魔法Lv1(Lv10)

(雷魔法Lv10)

(治癒魔法Lv10)

(無詠唱Lv10)

(索敵Lv10)

(全耐性Lv10)

(鑑定Lv10)

(隠蔽Lv10)

(獲得経験値増加Lv10)

加護


名前:ライエ

性別:女

年齢:17

種族:獣人

職業:タローの奴隷

レベル:12(50)

HP:1000(13000)

MP:550(10000)

STR:350(5000)

VIT:300(4500)

DEX:350(4500)

AGI:700(5200)

INT:650(5500)

スキル

料理Lv2(Lv10)

(体術Lv10)

剣術Lv2(Lv10)

(槌術Lv10)

水魔法Lv1(Lv10)

(風魔法Lv10)

(雷魔法Lv10)

(治癒魔法Lv10)

生活魔法Lv2(Lv10)

(無詠唱Lv10)

(索敵Lv10)

(全耐性Lv10)

(鑑定Lv10)

(隠蔽Lv10)

(獲得経験値増加Lv10)

加護



名前:ジーナ

性別:女

年齢:12

種族:獣人

職業:タローの奴隷

レベル:10(50)

HP:800(13000)

MP:250(10000)

STR:350(5000)

VIT:250(4500)

DEX:250(4500)

AGI:650(5200)

INT:400(5500)

スキル

料理Lv2(Lv10)

(体術Lv10)

短剣術Lv2(Lv10)

(棒術Lv10)

火魔法Lv1(Lv10)

(土魔法Lv10)

(雷魔法Lv10)

(治癒魔法Lv10)

生活魔法Lv2(Lv10)

(無詠唱Lv10)

(索敵Lv10)

(全耐性Lv10)

(鑑定Lv10)

(隠蔽Lv10)

(獲得経験値増加Lv10)

加護


ロシャスやリーシャは別格だが、このくらいのステータスがあれば勇者やロシャスレベルの魔族がいない限りは大丈夫であろう。それにしてもロシャスやリーシャがやばい。









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