17話
朝、ロシャスとなんとか放心状態から回復した3人がキッチンで朝食の支度をしていた。
久々に自分のステータスも含めて、みんなのステータスを確認しておくか。
名前:リーシャ
性別:女
年齢:19
種族:獣人族
職業:タローの奴隷
レベル:13
HP:1000
MP:300
STR:400
VIT:350
DEX:400
AGI:600
INT:450
スキル
料理Lv2(Lv10)
体術Lv1(Lv10)
(剣術Lv10)
水魔法Lv1(Lv10)
火魔法Lv1(Lv10)
(土魔法Lv10)
(光魔法Lv10)
(治癒魔法Lv10)
生活魔法Lv2(Lv10)
(無詠唱Lv10)
(索敵Lv10)
(薬師Lv10)
(全耐性Lv10)
(鑑定Lv10)
(隠蔽Lv10)
(獲得経験値増加Lv10)
加護
名前:シロ
性別:女
年齢:13
種族:獣人族
職業:タローの奴隷
レベル:10
HP:900
MP:250
STR:350
VIT:300
DEX:370
AGI:650
INT:350
スキル
料理Lv2(Lv10)
(体術Lv10)
(剣術Lv10)
火魔法Lv1(Lv10)
風魔法Lv1(Lv10)
(雷魔法Lv10)
(治癒魔法Lv10)
生活魔法Lv2(Lv10)
(無詠唱Lv10)
(索敵Lv10)
(薬師Lv10)
(全耐性Lv10)
(鑑定Lv10)
(隠蔽Lv10)
(獲得経験値増加Lv10)
加護
名前:クロ
性別:女
年齢:13
種族:獣人族
職業:タローの奴隷
レベル:10
HP:900
MP:250
STR:370
VIT:300
DEX:350
AGI:650
INT:350
スキル
料理Lv2(Lv10)
(体術Lv10)
(剣術Lv10)
水魔法Lv1(Lv10)
土魔法Lv1(Lv10)
(雷魔法Lv10)
(治癒魔法Lv10)
生活魔法Lv2(Lv10)
(無詠唱Lv10)
(索敵Lv10)
(薬師Lv10)
(全耐性Lv10)
(鑑定Lv10)
(隠蔽Lv10)
(獲得経験値増加Lv10)
加護
名前:ロシャス
性別:男
年齢:57
種族:人族(魔族)
職業:奴隷
レベル:27(58)
HP:1600(5000)
MP:500(8500)
STR:550(2300)
VIT:400(2000)
DEX:450(2200)
AGI:600(2250)
INT:650(2300)
スキル
体術Lv3(Lv10)
細剣術Lv3(Lv10)
短剣術Lv2(Lv10)
(棒術Lv10)
(火魔法 Lv10)
土魔法Lv2(Lv10)
(雷魔法 Lv10)
生活魔法 Lv6(Lv10)
(無詠唱 Lv10)
(薬師Lv10)
(隠蔽Lv10)
(テイマーLv10)
(索敵Lv10)
(全耐性Lv10)
(獲得経験値増加Lv10)
加護
名前:タロー
性別:男
年齢:15
種族:人族
職業:商人
レベル:20(26)
HP:1300(45000)
MP:500(45000)
STR:400(12000)
VIT:550(12000)
DEX:500(12000)
AGI:500(12000)
INT:700(12000)
スキル
体術Lv2(Lv10)
剣術Lv2(Lv10)
(短剣術Lv10)
(斧術Lv10)
火魔法Lv1(Lv10)
(水魔法Lv10)
(風魔法Lv10)
(土魔法Lv10)
(雷魔法Lv10)
(光魔法Lv10)
(闇魔法Lv10)
治癒魔法Lv1(Lv10)
(空間魔法Lv10)
(時空魔法Lv10)
生活魔法Lv5(Lv10)
(無詠唱Lv10)
(索敵Lv10)
(鍛治Lv10)
(錬金術Lv10)
(薬師Lv10)
(全耐性Lv10)
鑑定Lv2(Lv10)
(隠蔽Lv10)
(スキルオペレーターLv10)
解体Lv2(Lv10)
(夜目Lv10)
(テイマーLv10)
加護
(全能神の加護)
ロシャスはもともとレベルが高いので、低い魔物しか相手にしてこなかった王都までの旅ではレベルが上がっていなかった。しかしこれからはだいぶ上がりやすくなるだろう。
俺は相変わらずのペースで上がっている。王都までの道のりだけでこの上がり方はかなり早い気がするし、ステータスの上がり方も異常な気がする。あまり深くは考えないが。
あとスキルも必要そうなものだけレベル上げて、いらないものはスキルのオーブをひとつ作ってある。いらないもの熟練度ポイントにしておいた。
それぞれ隠蔽もさせておいたし、鍛えていけばかなりのハイスペックになることだろう。
テイマーもロシャスから拝借したので、魔物のテイムしたい。テイマーとかかっこいい。
「おはよう」
「おはようございます。食事にしましょうか」
「うん、食べよう」
準備が終わったところでみんなで食事にする。
先ほどステータスを確認していて、俺の職業が見習い商人から商人になっていることに気づいた。いつの間に商人になったのだろう。ギルドに登録したら商人として認められるとかそのような感じなのか?
「今日の朝食もすごく美味しいよ」
やはり、料理スキルの力は偉大だ。
心なしかリーシャたち3人の顔が暗い気がする。
「3人はなんかあったの?」
ロシャスに小声で聞いてみる。
「タロー様が奴隷に対して色々と与え過ぎるので困惑してるのではないですか?」
なんと。オレのせいかもしれないのか。困った。そんなに深く考えなかったとはいえ、行動が浅はかすぎたのかもしれない。
あれ、でもちょっと待てよ……?
「ねえ、ロシャスはなんともないじゃないか」
「私はほとんど奴隷として教育されてもないですし、タロー様は特別だと思っていますので」
いい笑顔でいいやがる。ロシャスにはかないそうにない。
そう考えると、ロシャスが特別で3人が普通の反応なのか。でもこの方針は変える気ないし、なんとか立ち直ってもらおう。
食事を終えて席を立つとき3人を呼んだ。
「リーシャ、シロ、クロ。こっち来て」
こっちへ来た3人をまとめて抱きしめる。
「俺は3人のことを奴隷として扱う気はない。3人とも家族だと思っているよ。だから俺が君たちにしてあげることに対して恩で報いようとか、期待に応えなくちゃとかそんなことは考えなくていい。俺がしたくてしていることなんだから。それが重荷になるのであれば奴隷を解放して自由に生きたらいい。それを止めるつもりは俺にはないし、解放もいつでもしてあげる」
その時、かすかに3人から泣き声が聞こえてきた。
やべーよ、泣かしちまったよ。どこがだめだった? なんかまずいこと言った? あ、奴隷解放? 捨てられるとか? やべーどうしよ。
「と、とにかく。君たちは周りから見たら奴隷だけど自由なんだ。もっとやりたいことを言って、のびのびとやりたいことしてくれて構わない。俺は君たちが好きだから君たちを思って色々やってあげたくなる。だからそれに対して何か返そうとかそういうのはいらないんだ。もし、君たちに恋人や家族、親友のような存在がいれば自然と無理のない範囲で色々としてあげるだろ? 特別なことではなく、料理したり、なにかを手伝ったり、旅行に行けばお土産買っていってあげようかと考えたり。別に俺を慕えとかそういうわけでもないよ? ただ、俺の君たちへの思いを俺ができることでしただけなんだ。でもリーシャたちは今でも料理をしてくれたり掃除をしてくれたりしてくれるじゃないか。人間関係ってそういう風に成り立っているんじゃないかな。なにか下心や打算がある優しさや施しもたくさんあるかもしれないが、真にその人を思ってできることでその人にしてあげようとする気持ちこそが何にも代え難い人と人との絆だと思うんだ」
うんうん、ちょっと説教臭くなってしまったが、簡単に言えば、俺の考えはだいたいこんな感じではないだろうか。自分でも言ってて混乱してる感はあるが。
「だから明るく笑っていてくれ生きてくれ。それだけが望みだ」
「……私はこんなによくしてもらったことがなくて、どうすればいいかわからなくて……」
リーシャが泣きながら話す。
なるほど、今まで与えられたことのない物に困惑してるって感じか。ロシャスの言った通りだな。
「ごめんごめん。でもあまり深く考えないで。これからも健康で明るく笑って一緒に生活できれば俺には十分だから」
抱きしめていた手を離しその場を立ち去る。
我ながら大胆なことをしてしまった。
くそ恥ずかしい。
いきなりなんてことをしてしまったんだ。
自分の行動が信じられない。
「ロシャス、鍛冶屋行ってくるから洗い物と昼の弁当の準備と、出掛ける準備、4人でお願い」
「はい、かしこまりました。それとひとつよろしいでしょうか?」
「ん? なに?」
「私は家族と思ってもらえていないのですか?」
ニヤッと笑っている。
こいつからかってやがる! くそう!
「思ってるよ、おじいちゃん」
すれ違いざまにそれだけいって鍛冶屋へ向かう。
少しでも言い返さないと。負けっぱなしは悔しいぜ!
ロシャスとすれ違うとき、ニヤリとしてた顔からフッと安堵した笑顔になっていた。
まあ、よく考えればロシャスは家族に裏切られ逃げてきたわけだから心のどこかで不安があったのかもしれない。俺は裏切ることは絶対にしないと、1人心の中で誓い、鍛冶屋へ向け歩き始めた。
鍛冶屋で適当な武器をいくつか買って、家に戻ると準備が整った4人が玄関の前で待っていた。
リーシャと、シロ、クロも先ほどよりいい顔になっている気がする。
「ごめん、待たせたかな?行こうか」
「はい、それでは参りましょう」
「ちょ、ちょっと待って! 森まで歩くのめんどくさいからこのまま行くよ」
「このままいく?」
ロシャスの疑問はもっともだが、説明するより実践した方が早いだろうと思い、ゲートを唱える。
目の前に現れた黒い渦に警戒をしている4人だが、俺は構わず中へと入る。
しかし、4人がなかなか通ってこないので、上半身だけ家の庭へ戻して声をかける。
「はやくはやく。こっち来て」
「こ、これは……?」
「いいからいいから、安全だから。来ればわかるよ!」
手招きすると、恐る恐るといった感じでロシャスが向かって来た。その後ろに続くようにリーシャたちも歩いてくる。
無事にゲートを通過し、森へ降り立った4人は唖然としていた。
「これが昨日突然現れた理由だよ」
「まさか、転移する魔法まで使えるとは……」
さすがのロシャスも驚いている。
「便利だよねえ。わかってると思うけど、昨日のことも含めて内緒でよろしく」
「こんなこと世に知られれば大変なことになってしまうでしょう。タロー様も情報が漏れてしまわぬようお気をつけください」
おっと。俺の方が心配されてしまった。
「それじゃあ、森の奥へ向かって進んで行こう」
しばらくの間は3人に魔物を観察だけしてもらい、倒すのはロシャスに担当してもらう。パーティーを組んでいるので経験値が入り、レベルとステータスは上昇している。その間、武器を振って自分に合いそうなものを選んでもらったりしながら進んでいった。
ステータスもある程度上がったところで3人にも魔物を倒してもらう。
最初は苦労していたが、次第にステータスの上昇した体にもなれスライムの泉(仮)に着く頃にはその辺りに出る魔物では相手にならないレベルへと成長していた。
2018.9.30 編集