レヴルス
不定期更新申し訳ありません…
「そうか!君はレイジって言うのか!」
「そッスよ!」
「…それにしてもレイジか…」
とソウタはちょっと苦笑いする。
「レイジって名前がどうかしたんスか?」
するとソウタは頭を掻いてアハハと笑って
「いやぁ、俺の上司が…つっても後輩なんだけどね。(経験的にも年齢的にも)そいつが君と同じレイジって言うんだよ。俺はちと苦手でさ」
「そうなんスか。そっちのレイジさんにも会ってみたいッスねぇ」
とレイジが笑いながら言うと
「俺は今すぐにでも会わせるつもりだがな」
とこちらも笑いながら言う
「ハハハ…はい?」
とレイジは硬直する。
「な…なんでッスか!?そんないきなり…」
「しょうがないだろ?君がカゲゴロシだって可能性があるんだから」
ソウタは困った顔をする。
「そういえば…カゲゴロシってなんなんスか?」
と、レイジは今まで抱えていた疑問をぶつける。
「カゲゴロシっていうのは俺みたいにシュバルツを倒せる奴の事で…あ、シュバルツってのはさっきの怪物のことな。で俺はカゲゴロシで構成された組織レヴルスってのに入ってんだよ」
「他にもあんな事できる人いるんスか」
ソウタの話によると彼の所属しているのはレヴルス日本第二支部で他の支部から来た人や、本部の経由無しで最初からこの支部に所属している人もいるらしい。
「まぁでもうちの支部は皆若いからねぇ。最初からいる奴は俺と支部長の斑鳩レイジだけだ…つっても4人だけだし、俺らもまだ三年目なんだよね」
そしてもう一つ
「シュバルツ…でしたっけ?アイツら一体何なんスか?」
「アイツらは人を喰らうバケモンさ」
「人を…ッスか…?」
そこでレイジは怯えたように返す。
「そうだ。アイツらは人を食うんだ」
「じゃあなんで今まで見つかんなかったんスか?」
「それはお前もわかるだろ?」
そう言われレイジは考える。
「う~む…あ、そっか!人間に化けてたんッスね!」
「ご名答!人間に擬態するから見つかんないだよね」
とここでとある疑問がレイジの脳裏に浮かぶ。
「それじゃあ…レヴルスの人達ってどうやって見つけるんッスか?」
人間に擬態するなら簡単には見つからないはずだ。だがあのときは、一見普通の少女をシュバルツと見抜いていた。
「過去一ヶ月以内の行方不明者がだいたいシュバルツだったりする。シュバルツは喰った人間に化けるからな。まぁ、普通に見つかった人だった時とかもあるが…違いを見分けるとしたら喋るか否かだね。奴らは夜行性で食べることしか考えないからそこら辺で見分けがつく。」
なるほど、とレイジは相づちをうつ。
「他にも聞きたいことがあると思うがそれはアイツから聞こうか。さてここがレヴルス日本第2支部だ」
「たっだいま帰りました~!」
とソウタ
「お帰り。シュバルツは――――その前にそこの子について説明してくれないか?」
返事を返し、同時に質問をしたのは少年だった。見覚えのある制服に、歳はレイジと同じか少し上のようだった。
「彼は虚舟に巻き込まれた人間だよ。カゲゴロシかもしれないから連れてきた」
ソウタがそこまで言うと少年はため息をつき、
「そういうのはまず僕に連絡してからにしてくれ!報告が遅れて本部の怒りを買うのは僕なんだぞ!今度から気をつけろよな!」
「わ、悪ぃ」
少年は再びため息をつくと今度はレイジの方を向いた。
「いきなりごめんね…うちの部下がしっかりしなかったせいで…」
「いや良いんスよ?」
「そう言ってもらうと助かるよ。僕の名前は斑鳩レイジ。ここの支部長で、日向学園高等部3年の17歳だ。よろしく!」
「俺は紀谷レイジッス!日向学園高等部1年ッス。よろしくお願いするッス!」
すると斑鳩はニッと笑って
「君もレイジっていうのか!奇遇だね」
と言った。
「ところでソウタ…カゲゴロシかもしれないってどういう事だ?」
斑鳩はソウタに聞いた。
「本人がシュバルツの事もカゲゴロシの事も知らないからな。今はまだ断定するには早いと思ったんだよ」
それを聞いて斑鳩は「そんな事があるのか……?」と呟いた後に
「よし!わかった、紀谷くん…少し調べることがあるからついてきてくれるかな?」
そう言って斑鳩はレイジを施設の奥に連れていった。
一人残されたソウタはレイジがなぜカゲゴロシを知らなかったのかを考えるのだったがその答えは出ることはなかった。
レ「同じ高校だったんスね」
斑「みたいだね」