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幻影のユミア  作者: 謎の修正液
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第9話 出発!

 ローナを家へ連れ帰りいよいよ帝都ライオネットへと出発する。


「ユア、忘れ物無い?」

「ああ、問題ないはず……」


 その前に今は家の中でローナと荷物チェックを行っている。


 帝都の物価は高いと有名な為、忘れ物をして買いなおすという無駄が無いように念を入れ確認する。


「よし、荷物は大丈夫そうだ、それに財布の中身も大丈夫だろう」

「本当に?向うでお金足りなくならない?」

「ああ、本当さ 大丈夫!」


 一ヶ月程帝都で生活する為、金銭を少し多めにもっていくことにした。


 一応向こうの寮で生活することになっている為、住居代はいらない。


 しかし食事は出ないため食費と所雑費、交通費をおおよその予測で持っていく。


 勿論足りなくなれば、むこうで日雇いの仕事でも見つけてどうにかするさ。


 働いたことは無いが、どうにかなるでしょ。


「……これだけあれば足りるだろう、よしそろそろ飯にしようか」

「うん、そうしよ~、残り物暖めてくるね!」


 銀貨の詰まった財布を確認し終え昼食を食べることにした。




「ライオネットってどんな場所なの?」


 昼食を取ってる最中にローナは聞いてきた。


 あ、そうかローナも行ったことが無いのか。


 俺と暮らし始めてからローナは遠出したことがない。


 ベニム周辺の村へ遊びにいく程度はしているが日を跨いでの移動はないな。


「そうだな~、物価が高くてここベニムより栄えてるらしい、すまんな俺も本で読んだだけで実際に行ったことがないから詳しいことはわからないな」

「ふ~んそうなんだ、じゃあ冒険だね!」


 ローナはそういうと目を輝かせた。


 冒険……ね?


 何を想像しているのかわからないけど遠出に憧れを抱いているのは良くわかった。


「あれ?そういばローナってベニムから遠くに行ったことがないのか?」


 疑問に思ったので聞いてみた。


「行ったこと無いよ~いつかこの町を出てみたいな~」

「そうか、まあそれじゃ仕方ないな」

「ん?」


 遠出に出ることはあまり良い事ではないと俺は考えてる。


 なぜかって?移動中に盗賊連中に襲われる危険があるからだ。


 まあそれはいいや、そろそろヒーロ校が始まる。


 そのことを少し聞いてみよう。


「そういえばヒーロ校そろそろ始まるんだったな、ちゃんと一人で起きて行けるか?」

「問題ないよ、ユアがいなくても一人で起きれるもん!」


 ローナは無い胸をはりながらいっている。


 ヒーロ校はベニムから少し離れた場所にあるが家からは問題なく通える距離なので問題はないだろう……ただし朝に弱いローナが起きれればだが。


 正直少しだけ不安だがこれ以上余計な不安を抱えたくないので言わないことにした。


 いつもどおりの昼食が終わり予定より少しだけ早いが俺は家を出て行くことにした。


 その前に義父にしっかり挨拶を済ませた。


 まあ、聞いているのかわからない反応だったけど。


「じゃ、そろそろ行ってくるわ」

「うん、わかった玄関まで送るよ」


 玄関の外までローナは送ってくれるようだ。 


「ユア 気をつけて行ってきてね!」

「ああローナこそ、ヒーロ校頑張れよ!あと家のこと頼んだ」


 湿っぽい話もなく俺は家を出て行った。





「さて……これからどうするかな?」


 俺は今ベニムの町外れの馬車乗り場付近にいる。


 当たりに雑草は生えてなく、むき出しの土が広がる上に馬車を引く馬がずらりと並んでいる。

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