秀の修行
入学から3ヶ月が過ぎたのだが、秀とりつは互いに別々のクラスで授業を受けていたが、その内容はかなり過酷なものだった。
「に、人形使いってここまでヤバイものなのか」
秀のクラスは、基本的に実戦。
ダミーの人形に命令を出して互いに戦うのだ。
「なんだ秀!もうバテたのか!」
秀と友人になった正人が秀を煽る。
2人はクラスで1、2を争う程に強くなっていった。
「まだまだ!こんなもんじゃねぇ!!!」
ダミー人形に術を送り、戦わせる。
そして、普段人形使いは自らは戦わないのだが
秀は自らも突っ込んでいく。
「いけ!!」
秀が正人の人形を押さえ込み、自分の人形を正人に向かわせる。
「へっ、やるじゃねぇか!だけど、つめが甘いぞ!」
秀の人形の攻撃はよけられ、正人に押さえ込まれる。
それまで!と先生の合図が響き、練習が終わった。
「2人とも、良くここまで成長したね。それに夜桜君はよく正人に追いついたものだな」
「ありがとうございます!」
先生に褒められ頬を緩める秀。
それを見て正人も笑う。
「さて、そろそろ夜桜君も、自身の人形と連携する事が出来るはずだ。次の授業からその練習をしてみよう」
その言葉を聞いて秀は固まった。
自分の人形を使って戦う。
それはつまり、りつを戦わせるという事なのだ。
「...」
その姿を正人は心配そうに眺めていた。