それぞれのクラスへ
「さぁて、今日は新しく生徒が入ってくる。仲良くするように!入ってきなさい」
「失礼します」
先生に呼ばれ、教室のドアをくぐる。
中を見てみると普通の教室...という訳もなく
後の方には、イカツイ人形が並んでいた。
「はじめまして。今日からこの教室で授業を受けることになった、『夜桜 秀信』です。よろしく」
「はい、夜桜君は空いてる席に座って」
と言ってもクラスメイトは、秀を合わせても7人しか居ないので空いてる席は山ほどあった。
「よぉ、俺は『霧渡 正人』だ。仲良くしようぜ!」
「あぁ、よろしく!」
皆が挨拶を交わし終わった所を見て、先生は授業を始めだした。
――
その頃、りつの方では
「失礼します。」
「君が新しく入った子だねぇ!よろしく!」
「はい!よろしくお願いします!」
りつの目の前に居る人は先生と言うより生徒の様な見た目だった。
「あの...先生は?」
「ん?私だよ?...って言ってもこのクラスに先生は居ないから私が教えるってだけなんだけどね」
「そうなんですか!...でも、このクラスって何を教えてくれるんですか?私、人形にな...!」
(危ない危ない、禁術でなっちゃった事は内緒だったんだった)
「に、人形だから秀と同じクラスなのかと思ってました」
危うく禁術を使ったと言いかけたのだが、りつは何とか誤魔化した。
けれど、その努力は意味もなく
「あぁ、君が禁術で人形になっちゃったのは知ってるよ?」
「えぇ!?」
「だからこのクラスに来たんだよ!私も、そうだからさ」
少し暗い表情をして、先輩が言う。
「心を持つ人形。そんな子が学ぶ教室がここなの!さぁて、そろそろ始めましょうか!ビシバシ行くわよ?」
「お、お手柔らかにお願いします...」
先輩がどのような事があってそうなったのか聞きたいりつだったが、今は聞かない事にしたのだった。