人形の身体
...デ!
「秀ー、起きてよぉ」
「え?...うわぁ!?」
秀が目を覚ますと、目の前にりつの顔があり
思わず叫んでしまう秀。
「りつ、大丈夫なのか?」
「私は大丈夫だよ?」
秀は、りつの身体を見る。
ロボットや人形などにある関節部の区切りがない。
「成功...したのか?」
「成功?何言ってるの?」
キョトンとするりつ。
その姿は、殺される前と変わりない様だった。
「お前、覚えてないのか?昨日何があったか」
「んー...もしかして、これの事かな?」
ペラっと服をめくり出すりつ。
思わず顔を隠してしまう秀を笑いながらお腹を見てと言う。
「...跡が、残ってる」
昨日撃たれた傷跡が残っていたのだ。
「やっぱりそうなんだね...夢の中でね、私が誰かに撃たれてさ...秀が泣きながら何かをしてるのを見てたんだ...」
「俺は、無我夢中でお前を生き返らせる為...禁術を使ったんだ...」
「禁術!?それってまさか!」
りつは自分の胸に手を置く。
い生きている『人間』なら動いているはずの心臓が動いていなかった。
「心臓が...動いて..ないんだけど...」
「ごめん...これしか方法が無かったんだ...『人形』として生き返らせるしか...」
「そんな...。でも仕方ないよね、そんな状況じゃ他に手を考えられないだろうし」
そう言いながらも、りつの表情は暗かった。
「ねぇ、これからどうするの?」
それを聞かれた秀の顔は暗かった。
「迷ってるんだ...仇を討ちたいんだけど、今の俺達が行っても返り討ちにされるかもしれないから...」
「なら、私達の学校で力を付ければいいのよ」
急に扉が開き声の方を向くと、そこには金色の綺麗な髪をした少女が居た。