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愚者と弱者のミックスアップー7ー

さてマネージャーについてだが、パッと先に気になってしまったのはそいつが男か女かということだ。

これはどちらでも考えられてしまう。つまりモチベーションを釣り上げるべく女ということもあり得るし、コンプライアンスがしっかりした会社ならば倫理的に男だろう。ただ都内の一等地にちょっとした豪邸を建てられる売上を持つ男ならば会社への利益も相当なもののはずで何が起きても利益に繋がるなら目を瞑るということでサービス的に女なのか、それともルールはルールだと男なのか、どちらかを推察することは難しい。

「…それで、そいつは男なんですか?」

「そうだが」

やはり聞いた方が早かった。

だが男なら男で違うタイプの不安が広がる。まさかとは思うが、よもやとは思うが、こいつも同性愛者であり既にマネージャーと出来ているのでは?という不安だ。まあそうであっても奪ってしまえばいいだろうというのが俺のスタンスではあるが、社会人同士の、いわゆる大人の喧嘩にまで発展してしまえば大変面倒だ。

「デキているんですか?」

「お前は一体何を言っているんだ?」

しまった、思わず聞いてしまっていた。西条も怪訝な顔をしている。

だが、今の対応からみるに、まあつまりそういうことではないらしい。おくびにも動揺を見せなかったことから本気で何もわかっていない節がある。おぼこか、いやこの場合はおぼ太郎というべきか。そんなことはどうでもいい。そもそもこいつには龍之介という子供が存在する。ノンケに決まっているではないか。


ぞくり。


火が立ち上がる気配。何処で?当然俺の心の中でだ。何にでも当てはまる法則だがハツモノは美味い。ハウスキーパーくらいしか家に居ない絶世の美男子芸術家。これほどそそる存在が他にあるものか。過去に関係してきたどの男より魅力的で、しかも妻子持ちという今の立場の自分からすれば手を出すことの危険さ、リスク、背徳なるものが一向にそそらせる。

何もかもを得てきた俺だからこそ、その全てを失うのではないかという危険な遊びには手を出さずにはいられない。細く美しい指先も、絹のようななめらかな褐色の肌も全て自分のものにしてしまいたいという強い衝動が湧き上がる。

「おい」

そうして思考がフル回転しているところに声がかけられた。

「とりあえずもうケーキはないんだな?ならそろそろ帰れ。仕事に戻る」

冷めた目で告げられる。

二つも食べといてまだ食べたがるのか、いや考えるべきはそこではない。

「わかりました。そういう約束ですものね。ただ…」

「なんだ」

「次に来るときに持ってきて欲しいものはありますか?」

ここで張るべきは、罠だ。

「なぜまた来ることが前提になってんだ!」

「なぜって…」


企め。


「前にも言ったじゃないですか。遊びに来ますよ…って」


この男を余すところなく喰い尽くすにはどうすれば良いか。

全てを賭けて挑んでみせろ。














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