6.個人情報とGPS機能
ブックマークが40人を超えてました。ありがとうございます。
拙い文章ですが、頑張ります!
私がチートだと発覚してから、お父様は国王様に報告しに出かけ、次の日には今後の方針が私たち家族に伝えられました。
私がチートだというのは、どうやら、極秘扱いになるようです。
それも、国家規模の!ちょっと大げさすぎないですか!?
まあ、今は平和な世界なので良いですが、いつか隣国と戦争に…とかならないとも限らないですしね。
しかも、全属性が使えるということがバレれば、他国の国家侵略とかに使われる可能性もあるということを聞かされ、戦々恐々としております。
未来に不安しかありませんが、何か?
この事実を知っているのは、私の家族とマリーにレイラ、そして国王様と王妃様、イエソン先生とマーカス先生という10人だそうです。
これは、あの時部屋に居たメンバーと、国のトップであり、口が堅いメンバーともいえます。
家族は、私が危ない目に合うとわかっているし、私が生まれた頃からお世話をしてくれているマリーとレイラも、家族と同様、私を過保護なくらい守ってくれると言ってくれているし、国王様と王妃様は有事の際の切り札として私を取っておきたいだろうし、先生方は新たな研究材料を逃したくないし…と、大人の事情が入りまくった人選ですね、わかります。
なので、しばらく我がアルフバルド侯爵家には、国王様推薦の護衛が増やされるとのことです。
国王様推薦の護衛さんたち…ということで、ものすごい強面マッチョなおじさんを想像していたら、普通のその辺にいるような地味顔さんたちが使用人としてやってきました。
どうやら、いきなり警備を強化すると目立つらしいので、目立たない凄腕さんたちが来たようです。
やはり、そういうところは頭が切れるようですね、国王様。
ご挨拶したときのイメージでは全z…げふんげふん。
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お父様が国王様に話をしに行っている間に、私はイエソン先生の部屋を訪れました。
昨日はあのまま眠ってしまったので、お父様が帰ってくるまでに、もう少し、魔法の話を教えてもらうつもりです。
先生は、あのまま我が家に泊まったとの情報は得ています。
後は、部屋におられるかどうかですが、まだ帰られたとの報告は聞いてないので、いらっしゃるはず!
案の定、先生は部屋におられました。
ノックをしたら、すぐに返事があったので、お部屋にお邪魔させていただきます。
私が訪れた理由を話すと、先生の魔法談義に花が咲きました。
どうやら、チートは他にもいたようです。
文献に残っているその人たちは、とても有名なのだとか。
曰く、「この国を作った建国の王様である」とか、「世界が存続の危機に陥った時に奇跡を起こした」とか、それ本当ですか?と聞きたくなるものばかりでした。
へー、と興味のなさそうな私に、先生はどこのスイッチが入ったのかそれはもう熱心に教えてくださいましたよ。
でも、先生、5歳児にその話は難しいですよー。
乙女ゲーをやっていた頃は、悪役令嬢のことなんて興味なかったですからね。チートの割には、しょぼい苛め方しかしていなかったし…。
ああ、でも、世界を滅ぼしてしまうと自分が攻略対象である王太子様と結婚出来ないので、ギリギリ主人公だけ排除しようとしたら、あーいう内容になった…ということですかね。納得!
「ですから、今の時代ではリーゼロッテ様だけが全属性の魔法を扱えるのですよ!」
先生は未だにしゃべっておられたようです。
「なぜ私だけだとわかるのですか?」
さっきの先生の話の中で、まだ話していないことを祈ります!!
怖々先生を見ていると、ふと思い当たったようで、先生は答えてくれました。
「そうですわね。偉大な先人たちのお話に夢中になってしまって、基本的なことはお話していませんでしたね。」
よ、良かった!大きく頷いておきましょう!
「昨日、リーゼロッテ様は魔法具に手を当てられたでしょう?
魔法を学ぶ方は、魔法を学ぶ前にあの魔法具に手を当てる決まりになっているのです。」
「決まりですか?」
「そうです。属性を知って、どの属性を伸ばすか…ということはもちろんですが、個人情報を管理するために必要なのですわ。」
個人情報とか、この世界にもあるんですねー。と、遠い目をしてしまいましたよ。
「この国は魔法が発達しています。ですが、この国でも魔法が使えない方がおられます。他国では逆に魔法を使える方が少ないそうですわ。」
「そうなのですか。」
一応驚いたフリをしてみますが、実はゲームをやっていたので知っていました。
攻略対象の隣国の王子は、まさに魔法を使える人が少ない国で魔法を使えたために、ゲームの舞台である学園に入学されたのですからね!
「ですから、昔は魔法を使える方を誘拐することもあったようです。そういう犯罪に巻き込まれないように、巻き込まれても誰か判断できるように今は個人情報を登録しておくのです。
その登録に必要なのが、あの魔法具なのですわ!」
「…?あの魔法具でどうやって登録するのですか?」
「あの魔法具には、色々な機能がついておりますの。
手を当てるだけで、当てた手の方の属性を判断するたけではなく、その方だけの魔法の流れ―これは、個人によって違います-が確認され、国の管理機関に情報が送られるのですわ。」
何それ、怖い。ただの水晶玉じゃなかったの!?
ということは、私はあの魔法具に手を当ててしまったので、属性がわかり、指紋認証を確認され、GPS機能をつけられた…ということですね。
プライベートがいつの間にかなくなっていますけれど!!
「そ、それは恐ろしいですね…。毎日監視されているのでしょうか?」
と、怖くなって聞くと、
「いいえ、この国の国境は魔法で覆われておりますので、他国に行く際には、登録書が必要となるのですが、登録書が発行されていない方がその国境を超えると、自動的に管理局に連絡が行くようになっているのです。
その際、誰がどこから国境を越えたかがわかるのですわ。
ですから、毎日監視されているということはないのです。」
ご安心ください。
と先生はおっしゃってくれました。
私の場合は、すぐに国王様からの勅命で、管理を極秘扱いにされたとのことです。
良かった…のか?明らかに何かを隠していると思われるのでは?
と、とにかく!!5歳児なんて、ひょいっと誘拐できてしまいますから、気を付けましょう!
ちなみに、イエソン先生は最初私の魔法の家庭教師として来ていただくことになっていたのですが、一般教養もおありだということで、ついでに私のマナー等も見ていただくことになったそうです。
先生の脳には、たくさんの知識が詰め込まれていると、お父様は話していましたが、先生の知識を少しでも多く吸収して、私の将来に活かさなければいけません!
頑張りますよ!!
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…そして、国王様の元から帰ってきたお父様から更に衝撃発言が。
「リーザ、ルーファス王太子様と婚約してみない?」
だ、と!!どうしてそうなった!!